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野笑 詩集
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 澪標 |
発売年月日 | 2017/11/01 |
JAN | 9784860783761 |
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野笑
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『 ぎうぎうと 押し込められた感情が 腹の底で発酵し 恨 ハン、とつぶやいたなら ああ あれこそが わたしに詩を書かせてきた固まりなのではないか 』―『舞う』 折々に言葉になったものを集めた詩集を読む。案外、何かが全編を通底するような、一つの感性によって束ねられているというよう...
『 ぎうぎうと 押し込められた感情が 腹の底で発酵し 恨 ハン、とつぶやいたなら ああ あれこそが わたしに詩を書かせてきた固まりなのではないか 』―『舞う』 折々に言葉になったものを集めた詩集を読む。案外、何かが全編を通底するような、一つの感性によって束ねられているというような感じがしない。人というものは存外変わり易いものである。変わり易いと言ったがそれは少々言葉の彩であって、他に上手く言い表す言葉が見つからないだけのこと。刺激に対する反応の在り方の変化という方がまだ言いたいことを表現できているかも知れない。 『 金属音はかちゃかちゃと絶え間なく いじられている いじられている とても深い わたしのなかをわたしは 井戸の底に落ちたスマホが 月夜の晩に光る あれはわたしからの着信音だ 』―『赤い紐』 気になる言葉を抜き出してみると先に言い募ったような詩人の変化など見当たらない。並ぶのは、異を唱え姿の見えぬ相手に投げつける言葉。それは自分自身に向けて返って来る言葉ばかりであったりする。そんなものかと思いつつ、それは真更な気持ち並べた言葉ではなく予め欲しい言葉を探して並べたからだ、という声も頭の中から聞こえる。 『 時折 紙を貫く光があり そのとき 破れ 侵入する意味がある けれど 全体は 常に不可解 まぶたの裏 毛羽立つ野原 燃えている一通の手紙 』―『手紙』 詩に惹かれるものは、行間や言葉の裏側を読み解こうとする行為に無闇に惹かれるもの。そこにどんな意味が待っているのかも知らず。しかし言葉と言葉を繋ぐだけで意味は意図せず生まれてしまう。それを掬い上げ選択し鍛錬する。詩人の性に敬意を。この世には意味の薄い言葉が溢れ過ぎているのだから。
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