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ロスト 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/01/16 |
JAN | 9784062938464 |
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ロスト
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商品レビュー
4.3
8件のお客様レビュー
呉勝浩さんのデビュー2作品目の作品。 このアプリ内でも他で検索してみてもあまり評価が高くない作品なのだが、自分の感想としてはかなり面白い作品だった。 後書きでもあったが普通の誘拐事件小説とは大きく違うスタイルのこの作品。 異端で突飛な発想力とそれをまとめあげる構成力が素晴らしい...
呉勝浩さんのデビュー2作品目の作品。 このアプリ内でも他で検索してみてもあまり評価が高くない作品なのだが、自分の感想としてはかなり面白い作品だった。 後書きでもあったが普通の誘拐事件小説とは大きく違うスタイルのこの作品。 異端で突飛な発想力とそれをまとめあげる構成力が素晴らしいと感じた。 そして人間の持つ影の部分も物語に散りばめられており、どの登場人物にも共感と反感を同時に見いだせる不思議な描写力と展開力。 大きな騒動の割には小さくまとまった事件なのだが、そこに至る最中に関わってくる登場人物達の抱く心理に熱を感じる。 約600頁、夢中になって読んだ。 作品はほぼ2部構成。 前半は犯人による誘拐事件がメイン 後半はその後の真相究明になる。 前半と後半とでは面白さのポイントが異様に異なる。その両方が読中でも読後でも総合すると一貫性を帯びてくる融合さがあり、そこがこの作品の魅力かと思う。 「ロスト」というタイトルも秀逸。 何を失うのか?誰を失うのか? 何を失おうとしているのか? 何の為に?誰の為に? 物語は事件の事に触れながらの展開でも、個人個人の抱く核心の部分の「ロスト」に迫っていく、最高に面白い。 呉さんの作品はやはり生々しさが面白い。圧倒的な筆力で深層に潜んでいる部分を刺激してくる。 次は「マトリョーシカ•ブラッド」を読んでみる。
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1億円の身代金と100人の輸送役、ピュアホワイトを名乗る誘拐犯の不可解な要求の真意とは?読了後まずは、複雑に入り組んだ物語を構成した呉氏の構想力と構成力に脱帽。縦横に織り成す炙り出される事実とともに目まぐるしく切り替わる場面展開はまるで映画を観ているよう。600ページ超の大作だが...
1億円の身代金と100人の輸送役、ピュアホワイトを名乗る誘拐犯の不可解な要求の真意とは?読了後まずは、複雑に入り組んだ物語を構成した呉氏の構想力と構成力に脱帽。縦横に織り成す炙り出される事実とともに目まぐるしく切り替わる場面展開はまるで映画を観ているよう。600ページ超の大作だが圧倒的な疾走感があるエンターテイメント作品に仕上がっている。ひとつの罪が生み出す不可逆的な罪の連鎖。贖罪とは存在し得るのかを問う。 一方で登場人物が些か多すぎ、一人ひとりの人物描写が粗い。ゆえに動機や固執する気持ちの背景も読み難い。また、様々な伏線や思わせを散りばめているものの、回収せぬまま放り出しているのはいただけない。レトリックを成立させるための後付けの事柄が幾つかある。ミステリーやサスペンスとしては気になる部分が多々あるものの面白いのは間違いない。
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ステマもどきのお時間がやって参りました。今最も推している作家さん、呉さんのデビュー2作目の作品です。 推している割にはまだ5冊目という体たらくですが、読みたい本が山積みじゃけーのー(引きずる岡山の呪い) 実際は単行本で拝読したので474ページという大作ですが、少しも長いと感じな...
ステマもどきのお時間がやって参りました。今最も推している作家さん、呉さんのデビュー2作目の作品です。 推している割にはまだ5冊目という体たらくですが、読みたい本が山積みじゃけーのー(引きずる岡山の呪い) 実際は単行本で拝読したので474ページという大作ですが、少しも長いと感じない圧巻の筆力! カレーを煮込みながら立ち読みしていたのですが腕が痺れて鍋にぶち込みそうになった危機を乗り越えつつ、一気に読み終えました。 本作はコールセンター勤務の下荒地、芸能プロダクション社長の安住、警察の麻生警部と鍋島巡査部長の4人の視点で物語が交互に展開して行きます。 その他もかなりの登場人物が出て来るのですが、デビュー作『道徳の時間』の選評にて「登場人物の書き分けが出来ていない」と評された後にこれをぶっ込むのか!と呉さんの不屈のチャレンジ精神に感服しました。 実際にきちんとキャラ立ちが出来ていたので混乱する事もなく読み進められました。 物語は下荒地の下でアルバイトをしていた村瀬梓を誘拐したので身代金1億円を用意しろとコールセンターに電話がかかってくる事件から始まります。 ところが、この誘拐がどうもおかしい。 何故か犯人はコールセンターに電話をかけてくる。何故か警察官100人を身代金の運び役に要求する。(しかも1人に100万ずつに分けて運ばせる)何故か運び役の警官の何人かには絶対に間に合わない時間設定を設ける。 もちろん、こんなに謎の多い要求に麻生はこれは誘拐の裏に何かあるのではないかと疑いつつ捜査を進めて行きます。 こんなに多くの謎を破綻する事なく読者に解かせて行く力量…。更に呉さんはプロットを作られないと後で知り驚愕しました。 本作の紹介に本格ミステリーとありましたが、どちらかと言えば社会派ミステリーだと思います。 生きて行く道が限られてしまった女性達を、己の贖罪の為に救い続ける安住。嫌悪感を抱く方も多いでしょうが、私は登場人物の中で1番好きでした。 人間臭い安住と対照的に感情が欠落している麻生。彼もまたペアを組む事になる三浦のおかげで徐々に今まで知らなかった感情に芽生えて行きます。 麻生に影響を与えた一番の要因である三浦の死生観を語るエピソードが大好きで、これにより麻生が思い切った行動を取った結果、真犯人に迫れる流れは本当に嬉しかったです。 さて、謎が謎を呼ぶ展開が少しずつ紐解かれ、何となくこの誘拐劇の全体像が分かってくるのですが、本当の動機が分かるのは最後の最後。 しかも読者に想像させるような形で明らかになります。 これが非常に悲しい…。こちらに委ねられてはいますが、恐らくこの悲しい結末が真実なのでしょう。 今回のテーマも『犯罪により傷を負った人間は加害者も被害者もどう向き合って行けば良いのか』 ミステリーとして読ませてくれた後に、ずしんと来る読後感…。最高!!売れろ!!(もう爆弾が売れまくってるけど) 無事に出来上がった二日目のカレーを食しながら、感慨に浸っていたのでした。(カレーは二日目が最高ですよね)
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