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例外時代 高度成長はいかに特殊であったのか
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2017/11/01 |
JAN | 9784622086536 |
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商品レビュー
4.3
5件のお客様レビュー
第二次大戦後20年の先進国の良好な経済状況を「例外時代」としたのはよいのだが、書かれているのはその後の困難な経済運営についてのことだった。良好な経済運営を可能にした条件を分析するのも重要な作業だと思うのだが、なぜかそれが抜けている。もう一つ、この手の経済分析でもっと取り上げられて...
第二次大戦後20年の先進国の良好な経済状況を「例外時代」としたのはよいのだが、書かれているのはその後の困難な経済運営についてのことだった。良好な経済運営を可能にした条件を分析するのも重要な作業だと思うのだが、なぜかそれが抜けている。もう一つ、この手の経済分析でもっと取り上げられてよいのは、ブレトンウッズ体制の崩壊の結果、ドルと金が切り離されたことではないか?
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イギリスの経済史家であるアンガス・マデイソンの研究によれば、1948年から1973年の間に世界は以前のどの時代よりも経済成長しており、平均的な人の生活水準を約25年で倍増させるのに十分だったという。しかし1973年に起こったブレトン・ウッズ体制の崩壊、それに続くオイルショックによ...
イギリスの経済史家であるアンガス・マデイソンの研究によれば、1948年から1973年の間に世界は以前のどの時代よりも経済成長しており、平均的な人の生活水準を約25年で倍増させるのに十分だったという。しかし1973年に起こったブレトン・ウッズ体制の崩壊、それに続くオイルショックにより、生産性は鈍化し、以前ほどの高成長は見込めなくなった。題名の「例外時代」とは1948年から1973年の期間を指す。本書は、オイルショックにより低成長時代に突入した1970年代末から1980年代にかけてのスタグフレーション時代の描写が大部分を占めている。 80年代、イギリス、アメリカ、日本では保守政権の下で行政改革、規制緩和と民営化、緊縮財政といった「新自由主義」政策が実行された。イギリスとアメリカでは、中央銀行はマネタリストたちに占拠され、当初マネタリスト的金融政策が行われたが早々に放棄された。その代わりに、国営企業の民営化、社会保障費の削減などといった緊縮財政政策が行われてスタグフレーションは鎮圧されたようである。だが、この代償は大きく、イギリスでは1979年に労働者の30%を採用していた製造業の雇用はサッチャー政権下で22%にまで減少し、労働組合は壊滅していった。アメリカでは、医療・社会サービス制度に対する予算が四分の一にカットされたことで、例えば年金生活者への無料の肺炎ワクチン接種が中止され、4年間で推定5000人の命が縮められたという。フランスでは、1981年に社会党のミッテラン政権が成立した。ミッテラン政権は当初、民間企業の国営化を推進していたが、後にはインフレ鎮圧のために再民営化が行われた。保守、革新問わず、先進国は「新自由主義」政策が推進された80年代であったといえよう。 私的なことになるが、色々と考えさせられたのはジーミー・カーター政権でのエネルギー対策を扱った第7章。今から2年前にMMT派の経済学者ステファニー・ケルトンが来日した際に「何がスタグフレーションを終わらせたか?」という質問に対して、ケルトンの解答は、「カーターによる天然ガスの規制緩和があり、それが石油カルテルの瓦解につながった」といったものだった。しかし本書を読む限り、その回答には疑問が生じた。確かに1978年にエネルギー価格の規制撤廃を盛り込んだ米国エネルギー法は可決されたが、天然ガスに対する連邦の規制は、遅々として進まず1990年代に入るまで完全になくならなかった。また石油輸入に関する規制は21世紀まで続くことになる。「何がスタグフレーションを終わらせたか?」という問いに対する解答は再びふりだしに戻ってしまった。 本書はポール・サミュエルソンの「20世紀の第三四半期は、経済発展の黄金時代だった。この時代は、あらゆる合理的な期待を上回っていた。そして、同じような時代が近いうちに再び訪れることは、まずないだろう」という言葉で締めくくられている。高度成長期から80年代の先進国の政策の描写は面白かったが、日本の高度成長に関しては、いわゆる通産省の「産業政策」説が取られており、そこは雑である。日本に対する描写は割り引いて読む必要があるだろう。日本以外の当時の先進国の経済政策を知るにはいい本だと思う。
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鈴木 幸一(インターネットイニシアティブ会長CEO)の2018年の3冊。 高度経済成長を基盤とした福祉国家の構造が既に崩壊しているにも拘かかわらず、人々が「豊かさ」を求め続ける現状を指摘。
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