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ことばはフラフラ変わる
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2018/01/10 |
JAN | 9784560085943 |
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
比較言語学というと難しそうだが、この本は大学での講義内容をまとめたものなんで比較的理解しやすい。 それでも言語学というジャンルは深く考え始めるとかなり難しいですね。 ただ追及してくと面白い学問でもある気もします。 ちゃんと理解できたかどうかは怪しいですが、なかなか興味深い内...
比較言語学というと難しそうだが、この本は大学での講義内容をまとめたものなんで比較的理解しやすい。 それでも言語学というジャンルは深く考え始めるとかなり難しいですね。 ただ追及してくと面白い学問でもある気もします。 ちゃんと理解できたかどうかは怪しいですが、なかなか興味深い内容でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
うちの奥さんが日本語教師業をはじめたこともあり、語学に関しても昨今の興味。本屋でタイトルを見て面白そうと図書館で借りてみた。 同年代。専門はロシア語などのスラブ系の言語。それだけでも親近感が湧く。同じく言語学者である奥さんからの依頼で、大学で欠員の出た比較言語学の講師を半年間臨時で務めたときの講義内容を元に書き起こされた内容。 大学の教授ということで、お茶の水女子大名誉教授の土屋賢二氏のエッセイを思う浮かべる。土屋氏ほど自虐度は高くないが、そこはかとないユーモアセンスは近いものがある。言語が時代を経て統合されるという話では、 「政治的に統一しようとして、失敗した例はいくつか知っている。ある程度の強制力を以ってしても、なかなかうまくいかないのである。銀行の合併もそうだけど、完全に対等というのは難しい。」 と、金融再編成の話題などを引き合いに出すなど、凡そお堅い学術的内容ではない。 「気楽の読める比較言語学というのも、悪くはあるまい。言語に興味があるのは、専門家だけではないのだから。」 というスタンスで書いていることがよく分かる。 内容は至ってまじめなのだが、文章のトーンや、実際の講義で学生に出した課題や、その解答などが差し挟まれ、その解答に対してもユーモアをまじえて接しているところが微笑ましい。 「対照言語学が何の役に立つか?」 という課題に対し、学生の回答が、「コンピュータの翻訳システムを作るためではないか。」と答えれば、「これは十分に考えられる。」と若者が柔軟な頭で考えた回答にも理解と興味を示し、 「音位転換(メタテーゼ)」について例を挙げる課題では「秋葉原 アキバハラ>アキハバラ」「山茶花 サンザカ>サザンカ」に次いで出た「モリタ>タモリ」という珍解答に、「ううぅ、そうかなあ。これは倒置で、「ジャーマネ」とか、あるいは「まいう!」といった、いわゆる業界用語風のひっくり返した語なんじゃないの?」と応える。なかなか楽しい。 喋る言語で人格、性格が変わるのでは?という学生の問いに、 「これはわたし自身も経験がある。たとえば「コーヒーと紅茶とどちらにしますか」と尋ねられたとして、これが日本語だったら「どうぞ、お構いなく」と答えるところが、ロシア語だったら「コーヒーをお願いします。ミルクを入れて、砂糖はなしで」となってしまう。それぞれの言語文化圏でふさわしい行動を、無意識のうちに選んでいるのだろうか。」 と回答するあたり、ロシア語話者として、「あるある!」と微笑ましく読んだ。まぁ、これは性格が変わる(ロシア語なら自分の好みをハッキリ言うようになる)というより、「С молоком」「Без сахара」という勉強し始めた頃、あるいはロシアで生活しはじめた頃に覚えた言い方を、いつになっても口にしたくなるというだけなんじゃないかなと思うけど。 そんなこんな、机上の空論ばかりのお話でなく、地に足の着いた身近な話題を織り交ぜながら、言語の変化から、比較言語学の歴史、日本語の系統など10の講義を、各章で学生たちとの課題のやりとりを加え、言語の揺らぎについて語っていく、ことばにまつわる楽しいエッセイ。
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『ことばは変わる』を増補、改題。黒田氏の本を読むと、言語が楽しく思えてくるし、外国語学習が楽しく感じられる。そして、実際に語学書を手に取る。(その後、語学学習が続くかは、個人の努力)
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