アイアン・ゴーストの少女(1) ビームC

三家本礼(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2018/01/12
• JAN: 9784047349971

商品レビュー

2018/03/31

人間的に問題があるんじゃないか、と言われそうだが、自信を持って言いたい
この『アイアン・ゴーストの少女』、私のストライクゾーンど真ん中で、ぶっ飛んだ面白さがある、と
ストレートに「大好きだ」と言える内容の漫画を読めるのは、実に嬉しい。例え、世間一般的に、あまり人気がないかもしれない作品でも、自分が面白いと感じる、それが大事だ。なので、少しでも長く、連載してもらうべく、私は拙いなりに感想を書いて、応援してみる
この『アイアン・ゴーストの少女』は、三家本先生のファンは元より、西川秀明先生や押切蓮介先生の作品が好きな漫画読みも、確実にハマれると思う
要するに、グロ系が好きな人向きってことだ
わざわざ言う必要もないが、相当にグロい
誰も死なない回がないくらいだ。死っつーか殺しの描写を大迫力に描ける漫画家は多いが、ここまで残忍な描き方をするのは、少ないだろう
別に血に飢えている訳でも、人が死ぬのに興奮する訳じゃないけど、この描写はグッと来るんだよな
そんな殺戮シーンも圧倒的だが、作品の重要な存在、アイアン・ゴーストのデザインにも、三家本先生らしさが出ている
あくまで、これは私個人の印象だが、どことなく、スタンドやペルソナっぽいデザインってのがツボ
生々しいようでいて、メカニックな要素も盛り込まれている、これに興奮しない大きな少年はいないだろう
ストーリーは勧善懲悪なのか、そう聞かれると、違う、と答えるしかない
ヒロイン・甘里ミオが何故、自分以外のアイアン・ゴーストを狩っているか、その真意は未だ不明だが、彼女は自分が正義の味方だとは、これっぽちも思っていないだろう
単に、自分以外のアイアン・ゴーストが気に喰わない、調子に乗ってる奴にキッツイ灸を据えたい、そのシンプルな行動理念だけで、容赦なく、処刑人としての毎日を送っているんじゃないだろうか、と思ってしまう
私にそう思わせるだけあって、ミオの強さは本物
敵のアイアン・ゴーストもそれなりには強い筈だが、ミオの前では、てんで雑魚
血沸き肉躍るバトルを楽しみにしている人にとっちゃ物足りないかもしれないが、これはこれでスカッとして良いな
次巻への引っ張り方も、実に上手い
一見すると、ごく普通の、どこにでもいそうな、少しチャラ目の男子高校生である京。しかし、刺客が五人（五体？）も来ているって危機的状況でも、まるで慌てない所に、普通と違う、と感じさせるものがある
タイマンよりも、複数相手の方が発揮される能力の持ち主なのだろうか？
そこも含め、ミオと「闇の騎士団（ダーク・セインツ）」との喧嘩が、どれほど激化するのか、黒い興奮が煮え立つ
この台詞を引用に選んだのは、インパクト重視。謝っている・・・謝罪はしているんだが、本気の誠意が詰まっていると感じられるだけに、リアクションに窮する。人間、素直に謝るのが一番だけど、度が過ぎると、却って、相手の神経を逆なでしちゃうんだろうなぁ・・・・・・気ぃつけよう