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歴史と国家 19世紀日本のナショナル・アイデンティティと学問
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京大学出版会 |
発売年月日 | 2017/11/18 |
JAN | 9784130201568 |
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歴史と国家
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明治時代の史学史について、すっきりとまとめ上げた大著。著者がドイツの方という事でドイツとの比較などがなされる。解説にある通り、この時代に近代歴史学がどのように日本に形作られていくか、見通すことができるのは貴重。 国民国家を作り上げていく中で、歴史学はよく利用された側面を指摘されることがある。この本ではそのようないわゆる国民国家論を念頭に置きつつ、批判に対しては抑止的に丁寧に著述されている印象を受けた。 日本の場合もやはり官主導で、国史の編纂がスタートしようとした。江戸時代の塙保己一や水戸藩の『大日本史』の流れで始まった官選修史の事業は、漢文で書かれていた。 日本の知識階級の伝統には漢学が存在し、明治初期に国学と漢学の対立が存在した。これを止揚するべく、なんどか脱皮を試みる事業だが西南戦争や明治14年の政変を受けて縮小していく。最終的に重野「抹殺博士」批判や久米事件を通じて、政府は修史事業を手放し、帝国大学史料編纂所に引き継がれていくことになる。 日本の史学はその後、研究と教育で「純正史学」と「応用史学」と分離し、相互に連関を持たないことが暗黙の了解となり、その間隙に平泉(東大教授だが)の皇国史観の登場を許した。 といったところだろうか。201pの「客観性への逃避」という言葉が、日本近代史学のあるいみでは悲劇的な運命を象徴する言葉だと思えた。
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