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ファン・ホーム ある家族の悲喜劇(新装版) Sho Pro Books
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館集英社プロダクション |
発売年月日 | 2017/12/20 |
JAN | 9784796877114 |
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ファン・ホーム ある家族の悲喜劇(新装版)
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ファン・ホーム ある家族の悲喜劇(新装版)
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商品レビュー
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アリソン・ベクダルの自伝的グラフィックノベル。父と娘、父と家族、自分自身、何かがしっくり来ない日々を振り返る物語。ぐるぐると行ったり来たり、死や文学に言及しつつ、性的指向についてのもやもやしたものが家族関係に何を及ぼしたのかが探られる。 「自らの性について真実を隠して生きるのは...
アリソン・ベクダルの自伝的グラフィックノベル。父と娘、父と家族、自分自身、何かがしっくり来ない日々を振り返る物語。ぐるぐると行ったり来たり、死や文学に言及しつつ、性的指向についてのもやもやしたものが家族関係に何を及ぼしたのかが探られる。 「自らの性について真実を隠して生きるのは、否定的な影響を蓄積していくことだ」という一文。隠さざるをえないことも、隠されていたということも、苦しいことだ。
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2018/05/14読了 アリソン・ベクダル著のグラフィックノベル。椎名ゆかり訳。2011年刊行(原著は06年)、小学館プロ。 レズを題材にしたコミックストリップ「レズに気をつけろ」を83年から描いている著者による自伝的な長編作品(翻訳もこの一作だけみたい)。7年かけたというだけあって読み応えがあり、頁を繰るごとに画がうまくなっていく。批評も絶賛で舞台化もされた。 著者は60年ペンシルヴァニア生まれ。ネットで写真をみると、短く刈り込んだ髪にジャケットを着た姿は男性と見紛う容姿である。自伝的、というその内容の大きな柱をなしている要素がふたつある。①10代なかばでカムアウト、②20歳のとき父を交通事故で失う。そのふたつの出来事を軸に前後の田舎での生活と読書の日々、同性愛者としての父と自分との関係について何度も絵具を塗り重ねるようにつらつらと書き連ねている。読後プロットを一直線に思い返すのが難しく、おぼろげな記憶の断片とフィクションが混交していくのを著者が楽しんでいるのが伝わってくる。ファンホーム(楽しいおうち)とは葬儀を営む家業につかわれた慰安室での陰気な仕事部屋を指しているのだろうか。 本人いうところのエピファニーを得てからは、「おばけ桃の冒険」でさえ読み替えられてしまう読解力を獲得する。そうでなくても同性愛についての書物を、文字通りむさぼるように読みあさって、思い出したようにプルーストやフォークナーらのつくる血の濃い地図のなかに両親の居心地の悪さを見出しながら、ジョイスを通じてギリシア神話の神々になって記憶のなかの自分や父を求めて渉猟を始める。ゴシックな父の趣味とは裏腹に、著者はモダンを自認する男っぽい簡素な身なりを好み、昼は母の舞台にそなえたセリフ読み合わせに付き合ってオスカーワイルドを読み、学校で父に教わる年齢になるとオースティン、サリンジャー(かなり露骨な問答)、NYの大学に入るとウルフやジョイスに手を出す。不安神経症から日記をつけるように諭され(時代的にスポック博士の教えか?)以降虚実まじりの日記(「と思う」の記号!)をつけ始めているせいで、随分細部まで記憶していて楽しい。 父は兵役で欧州に駐留していた。14歳で農夫の男を知り、子供のころから女性になりたかったという。実際女装の写真も遺品のなかから出てくる。母とはストーンウォールのあるシカゴで知り合い、ふたりとも演劇を志していた。欧州から戻るとアパラチア山脈の山奥にある古い屋敷を買い取り、装飾品や庭づくりに没入する。英語の教師でもあったがそれはアルバイト程度で、親類の家業である葬儀が本業。ある時知り合いの未成年男性をドライブに誘い酒を飲ませたとして起訴され精神病院の通院を義務付けられる。母曰くほかにも庭師として雇った男性やらと関係をもっていた。それが著者のカムアウトと前後して明らかにされる。
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2018年2月シアタークリエでの上演にて 同名ミュージカルの原作として購入 2017年の12月初版とな。これの上演に合わせて新装版出たんだろうな。 父親ゲイ、主人公レズビアン、 父親は自分がゲイなのを認めてない、 レズビアンだってカミングアウトした娘に動揺、 あんまり話し合えないまま、数ヶ月後に父親自殺 あのときパパはなにを考えてたの??的な自叙伝コミック 舞台版は短い分、細かい部分は削ぎ落とされて、 クリアかつシンプルに、キャラクターが単純化されている 吉原光夫さんの父親、めちゃ愛情深くて温かかった。 ブロードウェイ版の演出がどうかは分からないけど、 やっぱり親近感を持ちやすいように、分かりやすいように 親しみやすいキャラになってた。 陽属性だけど性的嗜好だけ倒錯してた、不器用な暖かい父親、というかんじ。 原作のこの本では、父親はもっといかめしくて暗い。温かく父親らしい太陽のような笑顔、というのとは全く違う。 もっとじめじめしていて、主人公である作者が苛立つような、女々しい趣味の父親、という印象。 やはり舞台版でのキャラの印象操作は意図的ぽい。 本にある、花が好きという描写は舞台版にはなかった。 苗木を植えたシーンはあったけど、マッチョな吉原さんの体格と相まって、男らしさしか感じなかった。 ある程度自分の容姿にも自信がある。やはり陽属性感。 勝ち組感。「♪悪くない…」 あと、欧米文学の引用、比喩がとても多い。コミックだけどとっても文学的だった。 欧米文学の教養全くなくて全然ピンと来なかった。 コミックって、マーベルとスヌーピーのイメージだったから、衝撃。 舞台版は、「性的倒錯」を、あくまで「2人が共有する特殊なマイナーな性質」として、さらっと軽く描いている。描写はあれど、それにあまり深掘りはしない。 物語の本質はあくまで、父娘の物語。 マイノリティである自分との向き合い方、 相手のそれとの向き合い方、 親子関係、 みたいな 親も1人の人間だ、とか 抽象度・普遍度を上げて、ポピュラーにした感じ。 (Ring Of Key以降、飲み込まれていく。泣く。 派手な演出はほぼない、音楽も派手ではない、 その分、知らぬまに大きな波に呑み込まれるかんじ。 最後の盛り上がりが素晴らしい。 舞台は、原作はこれだけどやっぱり別モノかも。 舞台としての完成度はすごく高い。そりゃトニー賞取るわ。 舞台の壁紙が、この本(新装版じゃない方はわかんないけど)のカバーの花柄と一緒だった。) 対して、コミックでは自身の嗜好性に気付いた時の戸惑いや感想が、すごく具体的に詳細まで書かれている。 なるほど、これは革新的だ、というかんじ。 ポピュラリティはないけど、すごく具体的。リアル。 いろいろな出来事を結びつける描写がすごいし、ものすごく悩んでものすごく考えた感がすごく伝わる。
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