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捨ててこそ空也 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/11/29 |
JAN | 9784101211817 |
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捨ててこそ空也
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捨ててこそ空也
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商品レビュー
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ほぼ一千年前の時代を 市井の聖「空也」を軸に 描いた秀作 作家さんの想像力は ほんとうに凄い これまでにも 何度か その思いは抱きましたが 六波羅蜜寺のかの空也聖人の像が まさに息吹を吹き込まれ その「念仏」が聞こえてくる 安時代の末期の混乱状況が リアルに描かれている分 空...
ほぼ一千年前の時代を 市井の聖「空也」を軸に 描いた秀作 作家さんの想像力は ほんとうに凄い これまでにも 何度か その思いは抱きましたが 六波羅蜜寺のかの空也聖人の像が まさに息吹を吹き込まれ その「念仏」が聞こえてくる 安時代の末期の混乱状況が リアルに描かれている分 空也さんの吐息まで 伝わってくる この作品に出逢ってから 平安期の学習ができる 学生諸君は幸いである
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「阿弥陀聖」、空也の生涯を描いた小説。 「捨ててこそ」とタイトルにもあるように、空也は生涯にわたり、さまざまなものを捨てていく。 叡山の貴族に奉仕する仏教とも距離を取り、「市の聖」「阿弥陀聖」として、利他とすべての人の苦しみを救うことに身を捧げようとする。 現代人は「人を救う...
「阿弥陀聖」、空也の生涯を描いた小説。 「捨ててこそ」とタイトルにもあるように、空也は生涯にわたり、さまざまなものを捨てていく。 叡山の貴族に奉仕する仏教とも距離を取り、「市の聖」「阿弥陀聖」として、利他とすべての人の苦しみを救うことに身を捧げようとする。 現代人は「人を救う」ことに対し、ましてやすべての人を対象にすることを懐疑的になる傾向がある。 むろん、私自身もその一人だ。 それは作中に出てくる多くの人物が、彼に投げかける疑問の形で作品に取り込まれているような気がする。 空也が看病した行き倒れの女が回復し、自らの生を確かめるために情交を求めてくる場面がある。 (なんとなく、キリスト教の聖アントニウスへの誘惑を思い出さなくもない。) 戒律と利他との間で激しく動揺した末に、戒律を守ろうとすることさえ、我執であり我欲だと考え、女の魂を救うことを決意する。 仏教って、そこまで包容力があるものなのか?と衝撃を受けた場面だ。 僧侶さえも俗人と同じで、生きているうちに、様々な罪を重ねていく。 その罪を悔い、苦しむ中で、人の罪を許せるようになる あれほど苦労を重ね、激しい修行までした空也が、自分を虐待した母への愛憎に気づき、執着を手放したのは晩年になってからだった。 本作ではそのような設定になっているのだが、最後の最後まで残ったものがそれだったというのは、なかなか重い話だ。
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歴史小説を多く書く梓澤要による小説。平安時代に「南無阿弥陀仏」と唱える念仏を広め市井で活躍した僧侶、空也の一生を描いている。仏教いいじゃんと思わせる内容だった。 以下ネタバレあり。 印象的なのは、信心深くない人も多い中で空也が地道に社会事業を営み、それを経て空也を慕う人が増えて...
歴史小説を多く書く梓澤要による小説。平安時代に「南無阿弥陀仏」と唱える念仏を広め市井で活躍した僧侶、空也の一生を描いている。仏教いいじゃんと思わせる内容だった。 以下ネタバレあり。 印象的なのは、信心深くない人も多い中で空也が地道に社会事業を営み、それを経て空也を慕う人が増えていったストーリー。社会事業というのは例えば井戸を掘ったり、遺体を荼毘に付したり、食糧を配って回ったりすること。仏教関連の経典の書写事業もしていた。そうして人々の困りごとに応えていくことで付いてくる人や喜捨として寄付してくれる人が増えて、より大きな事業を営みより多くの人の困りごとを解決することができるようになっていった。 役に立つ「宗教」というのが新鮮だった。こと「宗教」という枠だと ただそれだけでありがたいものだと思わなくてはならないような気がしていたので、いや役に立ってこそ信頼されるんだというストーリーの流れが新しく、共感できた。そして現代の仏教はどうなっているんだろうと気になった。 とはいえ役に立ちたい、役に立たせたい、というのも我欲だから、それが本質ではなく、ただその人の因縁のままにすべきことをする、というのができることなのかなあと思った
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