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まんがでわかるまんがの歴史 単行本C
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2017/11/04 |
JAN | 9784041047972 |
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まんがでわかるまんがの歴史
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まんがでわかるまんがの歴史
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
考察が深くて楽しい。かなりボリューミーだが、これでも話を手塚に絞ったことでこの程度に収まった感じで、全然語り尽くされてはいない。 個人的には、「桃太郎海の神兵」における動物たちの無個性化を指摘した箇所ににハッとさせられた。
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「学習まんが」の体裁による日本近代漫画史(明治期~1970年代)講義。「ミッキーの書式」→「戦時下の漫画」→「アトムの命題」という枠組は、著者の既出の著作で繰り返し述べられており、目新しさはないが、それだけに「大塚漫画史論」を1冊で通読できる簡便性がある。現代日本の漫画表現の源...
「学習まんが」の体裁による日本近代漫画史(明治期~1970年代)講義。「ミッキーの書式」→「戦時下の漫画」→「アトムの命題」という枠組は、著者の既出の著作で繰り返し述べられており、目新しさはないが、それだけに「大塚漫画史論」を1冊で通読できる簡便性がある。現代日本の漫画表現の源流として、戦前輸入されたディズニー作品と、総力戦体制下の文化政策、そして何よりも「戦争体験」に決定的な影響を見出し、「鳥獣戯画」以来の「伝統」をアプリオリに肯定する俗流日本文化論的な見方を論破している。漫画を取り巻く社会状況を重視しており、漫画に限定されない文化史論としても読める。問題は、著者の大塚自身がキャラクターとして終始登場することで、その微妙に「偉そうな」造形や時々にじむ説教調・アジテーション調(立場は正反対だが小林よしのりの『ゴーマニズム宣言』みたいな)のせいで、アカデミックな内容が正しく理解されない危険性があるのが惜しまれる。
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まんが原作者・評論家による日本まんがの歴史を、まんが家がまんが化したもの。 いわば、まんがを学ぶための「学習まんが」である。 現著者がネコのキャラクターと一緒に講義する形式で、取っ付きやすく敷居は下げてあるが、骨格となるのはかなり骨太な評論であり、核となる視点がいくつかある。 ま...
まんが原作者・評論家による日本まんがの歴史を、まんが家がまんが化したもの。 いわば、まんがを学ぶための「学習まんが」である。 現著者がネコのキャラクターと一緒に講義する形式で、取っ付きやすく敷居は下げてあるが、骨格となるのはかなり骨太な評論であり、核となる視点がいくつかある。 まんが化されているために、百聞は一見に如かず的にわかりやすいのが美点である。 最初に「キャラクター」について論じた後、江戸期・明治期をざっとおさらいし、大正アヴァンギャルドを経て、昭和へと進む。 まずは、ミッキーをはじめとするディズニーのキャラクターが「パーツ」で構成されていることに着目する。戦中・戦後の漫画家はこうしたキャラクターの描き方を取り込んだ。巨人・手塚治虫は自分の漫画を「画」ではなく、パターンに則った「記号」の組み合わせだと考えていたという挿話が興味深い。近現代の日本のまんがでは、これに成長するという「身体性」と心を持つという「内面性」が加味される。 そこに至るまでにどのような背景があったかというのが骨子となる。 のちに「のらくろ」で知られる田河水泡は、実は前衛美術家であったという。「のらくろ」誕生からシリーズ終了までの流れをキャラクターの視点から読み解いていく。 次の大きな流れは、戦争がまんがにもたらした影響である。戦時下の思想統制は、子供向けのものに関しても「空想」を排除し、「科学」的な創作物を強制した。その結果どうなったかといえば「物語」が消えていってしまったわけである。実は「学習まんが」の起源もここらあたりにあるようだ。表現が規制されていく中で、できる限りで抵抗を試みた漫画家もいるわけだが、その戦いは地を這うようなわかりにくいものにならざるを得なかった。 戦後の巨匠といえばやはり手塚治虫である。手塚のストーリーが大きな物語に翻弄される「個」を描いているという論旨は慧眼だろう。物語の構成だけでなく、映画の撮り方を参考にするなど手法に関してもさまざまな試みを行っており、それらがすべて成功したわけではもちろんないが、新しいものに挑戦し続けるその姿勢がやはり巨人であったというところか。 流れとしては1970年代あたりまでを追っている。その後に関してはまだまだ考察が必要ということだろう。 少女まんがに関してなどはもっとさまざまな視点から議論することができそうだし、本書で扱われた各論に関しても異論はありそうだ。 とはいえ、まんがはときどき読むけれどそれほどは詳しくない程度の門外漢にしてみると、まんがの歴史というテーマの奥の広がりが感じられ、刺激的で楽しく読める1冊だった。
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