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精神科医はくすりを出すときこう考える
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本評論社 |
発売年月日 | 2017/09/01 |
JAN | 9784535984592 |
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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
EBM Evidence-based medicineを直訳すると「(医学的な)証拠や根拠に基づく医学」となる。 現在の主流とする考え方である。 精神科医が薬物を使用する際には、薬理作用を重視するか、EBMを重視するか、それとも自分の経験を重視するかの三つの態度がありそうであ...
EBM Evidence-based medicineを直訳すると「(医学的な)証拠や根拠に基づく医学」となる。 現在の主流とする考え方である。 精神科医が薬物を使用する際には、薬理作用を重視するか、EBMを重視するか、それとも自分の経験を重視するかの三つの態度がありそうである。 多剤併用がなぜ好ましくないのか。 答えは簡単だ。 副作用が何重にも倍となるからである。 相乗効果で思わぬ重篤な副作用が出かねない。 時間のかかる精神療法より、3分診療処方で同じ効果のある簡単な薬物療法を選択するのは経営的にも正しいのが悲しい現実だ。 ただ、知っておいて欲しいのは薬物療法には副作用が必ず存在すると言うことである。 症状に対する投薬で多剤併用となると、副作用に悩まされる事にもなり得る。 本書は、主に研究、治験データを読み取り方が実際の処方に至るプロセスなどが丁寧に書かれている。 プラセボと薬物療法での有効差などはとても興味深く、理想通りにいかない臨床像も語られている。 やはり、読んでいると医師による処方の癖はどうきてもある。 よって、研究論文、治験データから信頼できる効果を元に服薬を決めるEBMの視点は欠かせない。 実際に多剤併用は医療点数が削減し、公的なメスが入れられてる。 また、薬剤の変更や調整は症状が不安定になるリスクを背負うため長引けば長引くほど慎重な医師も多い。 減量や断薬のタイミングは非常に難しいと改めて感じた。
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「精神科医の書いた本では、精神療法を得意とする医師が、出会った患者さんなどについて文藻豊かに語るものが多いようである。」とはじめのページに記載がある。たしかに、自分もそういう本をよく読むことがある。ただそういう自分ももちろんそのような本も読みたいが、精神療法を客観的に見てしまう一...
「精神科医の書いた本では、精神療法を得意とする医師が、出会った患者さんなどについて文藻豊かに語るものが多いようである。」とはじめのページに記載がある。たしかに、自分もそういう本をよく読むことがある。ただそういう自分ももちろんそのような本も読みたいが、精神療法を客観的に見てしまう一個人としては、「薬」について書かれた本が読みたかった。そういう意味で、専門的すぎず、しかし精神科医がくすりを出すときに考えることについて、その一端に触れることができた気がする。 優しい医者が良い医者であるとは限らない、という議論を少し思い出した。
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