成功者だけが知っていた 運命の「紐解き」

星里奏(著者)

• 販売会社／発売会社: ブックマン社
• 発売年月日: 2017/09/01
• JAN: 9784893088888

商品レビュー

2021/01/21

100％信じ込んでまわないよう注意しましょう！

[ひもときしん]

　星里奏さんは、「紐解き師」という職業（役割）とのこと。「紐解き師」とは、人の運命を鑑定してその人がより良い人生を歩んでいけるよう紐解いて占ったり助言する人らしい。平たく言えば「カリスマアドバイザー」,悪く言えば「教祖様」である。タイトルに「成功者だけが知っていた、、、、」とあるが、彼女の言う「成功」とは、「有名になること」「お金持ちになること」「事業を拡大させること」「人生の勝ち組になること」である。人を幸せにするのは良いことだが、100%信者になってしまうと危険だと感じた点が５つ。
　１点目は彼女が「統計学」と出会い「統計学」を学んだと言っているが、彼女の言う「統計学」は統計学でも何でもない。彼女は「統計学」という学問を勘違いしているようだ。「統計学」をよく知らない人が、彼女の教えを「統計学」と思ってはいけない！
　2点目は、彼女は生年月日をもとに他人を鑑定しているが、彼女自身、生年月日を一切明かしていない。なぜ、彼女は自分の生年月日を公表しないのか？自分の誕生日は〇〇年〇月〇日だから、「『〇の神』の『～の神』」で、今年の私の運気は、、、」ということ言うと「紐解き師」としてのカリスマ性がなくなってしまうからである。（つまり、商戦・ビジネスが成り立たなくなるからだ。）。また、誕生日を公表してしまうと、星里奏氏と同じ生年月日の人が、疑問を抱かざるを得ないからだ。星里奏（せりか）という名前も、おそらく芸名だと思われる。見た目で現在45歳ぐらいだが、未婚・既婚や家族構成などは公表していない。
　3点目は、生年月日で人を「〇〇の神」と占う（分類する）ことほど矛盾に満ちたことはない。西暦も含め自分と同じ誕生日の人は、日本人だけでも計算上約６000人いる。同い年・生年月日の同性が3000人いるのだ。世界にまで広げると、自分と同い年・同じ生年月日の同性が15万人いる。この事実を知られると鑑定占いの商売が成り立たなるのだろう。
　４点目は「新しい学問」を創設したと述べてるが、彼女の教え（思想）は学問でも何でもない。物理学や統計学や方程式という言葉を持ち出しているが、彼女の教えは「学問」でも何でもない。学問なら、大学の教授にでもなって、大学生に教えれて広めればいいのに、それをしようとしないのは、決して学問でないことを彼女自身がわかっているからだ。専門書もなけければ、研究分野でもないのだ。
　５点目は、彼女は「紐解き師」として「儲けよう」としている点だ。レクチャー代が高額すぎる！50万円も支払わせるとは、、、、。本当に、世の中の人をハッピーにしたいと思っているのなら、もっと安くボランティア的に活動するはず。「儲けられるときにしっかり儲けておこう」「今の旬のうちに儲けておこう」という「金儲けビジネス」の策略が見える。　
　以上、批判的なことを述べたが、人生の生き方・考え方のし指針として良いこともたくさん書かれている。
ただ「ビジネス（金儲け）」のうさんくささが感じられる時点で、決して「科学」ではない「神」や「神がかり」「占い」が登場する時点で「学問」でも何でもない。（「地動説」が信じられていた頃は「星占術」は学問だったが、現代は科学が発達して「地動説」が当たり前なのだから「星占術」は学問ではないのだ）
　この本を読んですべて真に受けて受講料を払ってセミナー受講しようなんて思わないことだ。彼女のビジネス戦略にはまってはいけない。注意せよ！！