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入門貧困論 ささえあう/たすけあう社会をつくるために
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 明石書店 |
発売年月日 | 2017/08/01 |
JAN | 9784750345475 |
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入門貧困論
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ひと握りの富裕層はいるとして、やはり貧困層というものも一定数は常に存在する。 親、祖先に遡ってずっと貧困である世帯もいて、世の中は不平等であると改めて理解するとともに、難しい問題である。 ベーシックインカムという考え方は以前から把握していたが、財源の他にもそれによる負の影響という...
ひと握りの富裕層はいるとして、やはり貧困層というものも一定数は常に存在する。 親、祖先に遡ってずっと貧困である世帯もいて、世の中は不平等であると改めて理解するとともに、難しい問題である。 ベーシックインカムという考え方は以前から把握していたが、財源の他にもそれによる負の影響というものも少なからずあるのだと再認識した。 70冊目読了。
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貧困は個人の問題であるという言説が強まるなかで、いまこそ「ソーシャル」=「社会」を考えることが大切だと感じている。状況はもはや、貧困や格差を個人の責任に帰して放置していられる段階ではない。貧困が社会に何をもたらすのかと問われたら、筆者は真っ先に分断というキーワードを思い浮かべる。...
貧困は個人の問題であるという言説が強まるなかで、いまこそ「ソーシャル」=「社会」を考えることが大切だと感じている。状況はもはや、貧困や格差を個人の責任に帰して放置していられる段階ではない。貧困が社会に何をもたらすのかと問われたら、筆者は真っ先に分断というキーワードを思い浮かべる。 貧困者は本質的には存在するわけではないということだ。貧困はほんらい状態として捉えるものであり、人称で理解すべきことではない。社会が貧困という社会的カテゴリーをつくり、対象化することによってはじめて貧困者が規定される。 低所得者の定義は恣意的なものにならざるを得ない。年収200万円以下を低所得者とするか100万以下を低所得者とするかは、誰かが何らかの価値を持って判断しなければならない。 貧困層以下の人々、生活困窮者、生活保護受給者 未だに労働と生活保障との切り離しがされないまま、就労支援の支援ばかりが強調される 離婚は自己責任だという意見もあるが、男性稼ぎ手モデル世帯を意識した日本の女性雇用環境では、女性がフルタイムで働き続けることは難しい。ましてや子育てサービスも貧弱。 貧困と健康とは深い関係にあり、貧富の格差がそのまま健康格差へとつながっているという考察もある 貧困は多義的で、その定義や測定といった議論がつねに価値判断がともなう、問題群に関心を持つ人はセンスが良い。貧困は決して経済的な困窮状態だけを表すだけではなく、広がりを持っており、かつ受け入れ難いという規範的な意味合いを持つ その国や社会において最低限または当たり前になっている人間の基本的必要とは何かという議論につながっている。最低限や当たり前の中身は時代や社会によって変化する。貧困の対概念は自由 タウンゼント 剥奪度と所得との関係に注目。剥奪指標にもとづいて剥奪の程度と所得の関係をグラフに落とし込んでみると、所得が低下するにつれて当然剥奪指標もなだらかに下降するが、所得がある一定のポイントを超えると剥奪度が急激に下降する点がある。このポイントを変曲点と呼ぶ。 そして重要なことは、そのポイントが生存ラインよりも、かなり高い水準にあるということ。タウンゼントは、この変曲点が、生存ラインの140%の所得に相当する位置にあると論じている。ちなみに、中川清の研究では、十万円ではなく、月収17万円前後というのが現代日本の一般的な変曲点だとされている。 社会的排除という概念を用いる意義は二つ。一つは過程を強調していること、2つは起き続けている事態と見なすこと。貧困は、不利で不安定な経済状態としてだけではなく、屈辱的で人々を蝕むような社会関係としても理解されなければならない。 個人主義的貧困観と社会的貧困観は対立している。自助、自己責任の社会とは過剰に労働を強いることで人々を管理統制する社会であり、病気や障害があって働けない者に対しては二流のレッテルを貼る社会。公的扶助は残余的で、劣等処遇の原則。自助、自己責任論は人間の価値を労働や自立という観点のみで判断している。 経済成長が豊かさをもたらし、最底辺にいる人々もそのおこぼれを享受できるはずだと考える→トリクルダウン理論。 ほんらい誰もが獲得できるはずの「善い生活や善い人生」を送ることができていないことに目を向けるべきだと指摘する。それをケイパビリティの欠如と現す。「断食をする金持ち」と「食べ物にありつけない貧困者」普通の暮らしをしている人ならば、食べるか食べないを選択する自由があって良いわけだが、それを許されていないというのがケイパビリティの欠如という意味での貧困である。 世界で最も裕福な富豪8人の資産額と世界の全人口の半分に相当する36億人の資産額が同じだという報告書を発表 ワークフェアは、労働と福祉の合成。 賃金労働に就いていない者であっても、生命維持装置を付けて呼吸している障害者であっても、人間としての生を営み、他者と関わっているということ。それが労働である。近年、ワークライフバランスということが言われているが、バランスを取る必要はなく、余暇と無為の自由を取り戻すべき。こんにち労働とは賃金労働のことだと考えられているが、労働には本来家事労働や子育て、ボランティアや社会貢献、文化・趣味活動といった多様な働くやアクティビティが含まれていた。
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本書は貧困についての概観及び日本政府の貧困対策の間違いや諸外国の貧困対策を合わせて論じる貧困問題を知る上での重要な一冊である。 そして、ほかにベーシックインカムについての説明も加わる。 ちなみに、私は本書で初めてGアスピン・アンデルセンという人を知った。 また、読むべき本が...
本書は貧困についての概観及び日本政府の貧困対策の間違いや諸外国の貧困対策を合わせて論じる貧困問題を知る上での重要な一冊である。 そして、ほかにベーシックインカムについての説明も加わる。 ちなみに、私は本書で初めてGアスピン・アンデルセンという人を知った。 また、読むべき本が増えた。 そういう意味でも重要な本が本書である。
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