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蚊のはなし 病気との関わり
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 朝倉書店 |
発売年月日 | 2017/08/01 |
JAN | 9784254640465 |
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蚊のはなし
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第1章 蚊とは 第2章 蚊の生態 第3章 蚊の生理 第4章 身近にいる蚊の見分け方 第5章 自然界にいる蚊の見分け方 第6章 蚊のうつす病気 第7章 蚊の防ぎ方 第8章 蚊の退治法 第9章 蚊の調査法
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世界で一番ヒトを殺している生き物の本。余談だけど、二番目はもちろんアノ生き物。 -------- 一週間ほど九州にいた。蚊がいた。九州以北では冬になるとチカイエカを除く蚊をみることがない、と書かれていた。裏返せば九州にはいるということである。というわけで、季節外れの蚊の本ナリ。 ...
世界で一番ヒトを殺している生き物の本。余談だけど、二番目はもちろんアノ生き物。 -------- 一週間ほど九州にいた。蚊がいた。九州以北では冬になるとチカイエカを除く蚊をみることがない、と書かれていた。裏返せば九州にはいるということである。というわけで、季節外れの蚊の本ナリ。 一番ヒトを殺している生き物なーんだ。ってこの本のレビューで書くんだから、蚊が正解だ。 年間100万人を寄生虫病やウイルス病に罹らせて殺している。 2位はヒト。年間50万人がヒトによって殺される。なんだ蚊の半分か、というなかれ。大きめの地方都市ひとつ分の人間が、おなじ人間によって殺されているのだから驚きだし、まあ、蚊の100万人だって驚きだが。本題とずれていくが、3位は毒蛇、4位は犬だって。 これは世界の値ですが、日本だと、そういう意味ではダントツでヒトが1位だろうなあ。 本書は言ってみれば論文であり、故に(?)横書きである。僕は和文の横書き本が苦手だし蚊も苦手なのだが、なにか新しい発見があるかなと、読んでみたわけ。そこで蚊と人間が、殺人のワンツーフィニッシュを決めていることを知った。もっともそれは本書からすれば伝えたいことのメインではない。蚊のはなし、だから、蚊の肉体(って似合わないね、身体?)がどのように作られているか、どんな蚊はどこにすんで、どういう病気を持っているか。そういう話が次々に綴られている。 日本脳炎は水田の伝来とともに流行した…かと思ったら違っていた。豚の飼育が始まってからだという。豚はインフルエンザも流行らせるし、なかなかどうして厄介だね。好きだけど。 今はワクチンもあるが、媒介蚊コガタアカイエカの現象で日本脳炎が減った。どうして蚊が減ったのか。湿田から乾田への切り替えによって、蚊の生息場所が少なくなったからだ。なんだ、近代化もいいところあるじゃねえか。豚も人里の小規模農家ではあまり飼われなくなって、ますますコガタアカイエカはいなくなる。 と思ったら。 1980年に、またコガタアカイエカが激増する。従前の何万倍もの殺虫剤抵抗性を持って。これは中国大陸で獲得してきた性質らしい。 こいつらを殺すには、ネオニコチノイドだ。そうしたらミツバチもいなくなった。でもこれをやめたら殺虫剤耐性の強いコガタアカイエカが復活するかも。やっぱり近代化はつらいよ。そういや、レイチェル・カーソンがDDT禁止を主張したからマラリアが増えた、なんていう人たちもいたなあ。マラリアで死ぬ人は蚊による殺人の4割以上を締めるけど、蚊の連中、DDT耐性を獲得しているのでカーソンをどうこういうのはもうやめとけば(本書には書いてない)。 サブタイトルが「病気との関わり」だけあって、レビューもそれが中心になったけど、他にも蚊からの身の守り方、蚊の捕り方、などなど、まさに蚊のはなし、である。それにつけてもやはり論文、オチもなんにもなく終わってしまう。 やっぱり、「蚊にさされにアフリカへ」ぐらいの感じの突き抜けた人がいたほうが面白いんだけど、それこそ命がけだしなあ。でもきっとあるのだろう、僕がまだ読まぬ蚊で突き抜けた本が。
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