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神野オキナ(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 徳間書店
発売年月日 2017/08/30
JAN 9784198644505

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商品レビュー

4

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2024/01/01

久しぶりのアクションものを読んだ。 初の作者だったが、戦いの描写は、 機龍警察に似た感じであった。 ただ、過剰なエロ描写はちょっと、 辟易した。 敵の正体に迫るあたりまでは、良かっ たが、最後の対決シーンは、あまり 入り込めなかった。 沖縄の歴史や、アジア周辺の国際 状況は、勉強...

久しぶりのアクションものを読んだ。 初の作者だったが、戦いの描写は、 機龍警察に似た感じであった。 ただ、過剰なエロ描写はちょっと、 辟易した。 敵の正体に迫るあたりまでは、良かっ たが、最後の対決シーンは、あまり 入り込めなかった。 沖縄の歴史や、アジア周辺の国際 状況は、勉強になったかな。

Posted by ブクログ

2022/09/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

沖縄出身作家による、バイオレンスとエロス、そして2010年代以降のSNS社会に『あり得る』陰謀の錯綜した一作。 解説に、一時期の菊池秀行や大藪春彦に言及される通り、アクション、エロスの描写はマンガで言えば青年誌むけ。もっとも、エロに関しては、乾いた文体というか、濡れ場なのにじっとりねっちり感が無い。(おかずにはならないがスパイスではある。) この乾いた文体が、逆にアクション描写としては読みごたえがあり、ラストシーンの描写に深みを与えていると感じられる。 この作者のライトノベル著作は、不幸にして拝読していないが、本作は文句なしに星5つである。 本作に光るギミックは、隠し民兵として非公式に組織された沖縄義勇兵(のちに紛争で活躍)。 そして貧侠(ピンシア)は共感ベース、テンサン・エンジェルスは行きがかりの駄賃感覚で、殺人も辞さない犯罪を気軽に引き受ける人々。ダークウェブに言及は避けるが、あながち陰謀論と笑い飛ばせない描写が唸らせる。 本作を特徴づけているのは「ルーツが不明であり、現在の位置も曖昧な」組織、人であろう。 沖縄義勇兵は、PMCではなく、義勇兵(本来意味でのボランティア)であり、軍属ではない、というあいまいな立ち位置。このため、序章で描かれる紛争では、軍ではなくCIA指揮下で苦労させられる。 そして主人公も、出自は不明なハーフの捨て子であり、沖縄らしからぬ苗字をもつ。ルーツからして曖昧、不確かな存在である。 この『ルーツからして曖昧、不確かな存在』というのは、徐々に存在が明らかになる敵テロリストの親玉も同類である。 また、主人公らが再結集する『沖縄義勇兵』さえ、資金提供も情報提供も二転、三転し、 「一体誰の、何のために戦っているのか?」 という問いには、決して明確な答えが与えられない。それどころか、 「沖縄のことを切り離して平和を享受している本土も、同じような戦火でボロボロになればいい、そうすれば分かるだろう」 というような台詞が飛び出すありさま。 その『不確かさ』が、娯楽小説にはそぐわないと思う向きもあるかも知れない。 だが、一方で、 「沖縄で戦った者を、上手に芸の出来た犬のように扱う本土人」 や右翼かぶれの描写は、えげつないほど真に迫る。戦う理由の不確かさとは裏腹に、『本土への、あるいは沖縄への屈折した思い』『右翼かぶれへの嫌悪感』は明確だ。 本作以降、大人向け小説にも意欲的な神野オキナの作品『警察庁私設特務部隊KUDAN』シリーズも、読むのが楽しみである。 シリーズものに手を出すのが躊躇われるのであれば、まず本書で、神野オキナの世界に触れてみることをお勧めしたい。

Posted by ブクログ

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