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映画とキリスト
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2017/08/12 |
JAN | 9784622086246 |
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
何冊目かの岡田温。この人の文字運びにだいぶ適応してきた感がある。 映画は絵画のように、を先に読むべきだったと後書きの時点で後悔。次読もう。 紹介される映画も古典すぎず、また宗教的すぎない。純文学映画からジャンル映画まで、様々な要素の中にキリスト教のイズムが見え隠れしているという...
何冊目かの岡田温。この人の文字運びにだいぶ適応してきた感がある。 映画は絵画のように、を先に読むべきだったと後書きの時点で後悔。次読もう。 紹介される映画も古典すぎず、また宗教的すぎない。純文学映画からジャンル映画まで、様々な要素の中にキリスト教のイズムが見え隠れしているという主張。 やはり世界最大の宗教なだけあって、普段何気なく使っている言葉の語源(アイドルとか)がキリスト教にあることは多い。あと脚本のプロット、枠組みも、無意識のうちに聖書の流れを汲んでいる(しまう)傾向にあるようだ。 この本で岡田さんが指摘した作品が、キリスト教からインスピレーションを受けて作られたのか、もはや意識することなく作ったらキリスト教っぽい映画になったのか…。不思議。 序盤のパゾリーニの宗教価値観にはとても共感。
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映画と教会の共通性から話が始まるが、確かに映画館に入って観賞するという行為は、礼拝堂と似ており、感情的な体験をする場面であることは事実。シュライエルマッハーの言葉が引用されている。「宗教の本質は、何らかの教義や知識や行為にではなくて、直感や感情にある。」両者は外在的でも付随的でも...
映画と教会の共通性から話が始まるが、確かに映画館に入って観賞するという行為は、礼拝堂と似ており、感情的な体験をする場面であることは事実。シュライエルマッハーの言葉が引用されている。「宗教の本質は、何らかの教義や知識や行為にではなくて、直感や感情にある。」両者は外在的でも付随的でもなくて、優れて内在的で本質的な関係にある」この説明が言い尽くしているように思われる。そして映画の世界でイエス・キリストが実に多く登場したかが紹介される。映画監督にとっては、この方をどのように描くかということに関心が高かったということだろう。セシル・デミル「キング・オブ・キングス」、ジュリアン・デュヴィヴィエ「ゴルゴダの丘」、パゾリーニ「奇跡の丘」、ジョージ・スティーブンス「偉大な生涯の物語」、ロッセリーニ「メシア」、スコセッシ「最後の誘惑」、ゼフィレッリ「ナザレのイエス」、メル・ギブソン「パッション」、ドーンフォード・メイ「サン・オブ・マン」、ノーマン・じゅいそん「ジーザス・クライスト・スーパースター」と数多く紹介されるが、実は背徳的な作品が多い。逆に宗教否定の自己主張を行ううえでの魅力的な題材になっているのであろう。脇役のユダ、マグダラのマリヤなどの存在感があるということも、映画監督の個性か。新約聖書以外に外典、偽典に準拠した逸話が多いというのは面白い。そして多くの作品の中にイエス・キリストを模倣あるいは否定?した作品が多いのも確かにその通りだが、実は「ショコラ」「バクダッド・カフェ」などの既知の作品もヒロインがキリスト(女の姿でクリスタ)を象徴していた!驚き。
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