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あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2017/08/04 |
JAN | 9784087711172 |
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あのころのパラオをさがして
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商品レビュー
4
5件のお客様レビュー
著者の芯にあるのは戦争の波に翻弄された個々の人々の人生を聞いて感じたい、残したいという意志。 聞き取りが中心の「日本人が移民だったころ」よりはややエッセイ色が強く、また著者が大きく影響を受けた中島敦の足跡を辿るというサブテーマもあるので重くて暗いばかりにはならない。
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中島敦の「南洋通信」を読んで戦前戦中の南洋に興味を持ったという点は著者と私とで入り口が同じなのかもしれない。ただ、著者は、中島敦が帰国した後の戦時下のパラオについても現地を訪れ今も残る日本語話者に丹念に取材している。パラオではペリリュー島だけではなくアメリカ軍の侵攻で島民が避難し...
中島敦の「南洋通信」を読んで戦前戦中の南洋に興味を持ったという点は著者と私とで入り口が同じなのかもしれない。ただ、著者は、中島敦が帰国した後の戦時下のパラオについても現地を訪れ今も残る日本語話者に丹念に取材している。パラオではペリリュー島だけではなくアメリカ軍の侵攻で島民が避難しジャングルの中で飢えを経験したこと、爆撃などで島民も含めて犠牲者が出たこと、日本軍が島民虐殺を(本気度はともかく)計画したことなど、殆ど知らないかったことを知ることができた。それにもかかわらず、パラオの原住民と日本からの移民は農地を巡る争いがあまりなく比較的うまく共存できていたこと、日本統治前に発展した社会的制度がなかったために日本統治が公学校教育などを通じて受け入れられやすかったことが、現在まで続く親日的な心象や日本文化の残り香(現地にはパラオ語と日本語がまざった歌謡曲などもあるそうだ)がある。エッセイ風よりももう少しまとまった記述も読みたい気がしたが、それでも学ぶことの多い一冊だった
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第一次大戦から第二次大戦の間、日本が植民地支配していたパラオの状況を、中島敦らのテキストを手掛かりにしながら、現地での聞き取りの様子も交えて描き出していく。素朴な紀行文のような体裁を取っているのでとても読みやすいが、その一方で、様々な立場への目配りとそれを踏まえた下調べが周到に行...
第一次大戦から第二次大戦の間、日本が植民地支配していたパラオの状況を、中島敦らのテキストを手掛かりにしながら、現地での聞き取りの様子も交えて描き出していく。素朴な紀行文のような体裁を取っているのでとても読みやすいが、その一方で、様々な立場への目配りとそれを踏まえた下調べが周到に行われていることもうかがわせる文章になっている。現地のパラオ人、チャモロ人、内地からの移民、沖縄や朝鮮半島からやって来た人、軍人、役人、研究者、文人、労働者、慰安婦、それらの人々の様々な思いをできるだけそのまますくいあげようとする著者の姿勢に共感する。
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