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南三陸町 屋上の円陣 防災対策庁舎からの無言の教訓
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ぎょうせい |
発売年月日 | 2017/07/01 |
JAN | 9784324103647 |
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南三陸町 屋上の円陣
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東日本大震災の津波で大きな被害を受けた南三陸町では、災害を後世に伝えるために保存されている防災庁舎を中心に、災害復興の拠点整備事業をおこなってきたが、その最後として、「南三陸311メモリアル」がオープンした。この機会に一度足を運んでみようと思い、その前にこの本を読むことにした。 ...
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた南三陸町では、災害を後世に伝えるために保存されている防災庁舎を中心に、災害復興の拠点整備事業をおこなってきたが、その最後として、「南三陸311メモリアル」がオープンした。この機会に一度足を運んでみようと思い、その前にこの本を読むことにした。 過去にも津波の被害を受けたことがあり、震災の想定はしていて、訓練を行ったり防災の備えはしてきた。それでも想定を超えた大津波に襲われ、防災庁舎の屋上に避難した人のほとんどが犠牲になってしまった。生き残った10人にインタビューした内容や、防災の専門家である著者による今後の防災についての意見が書かれている。 もう10年以上経ったが、東日本大震災の津波被害の衝撃は忘れられない。大抵の人にとって津波の恐ろしさを初めて知った出来事だったのではないだろうか。 多くの人命や建物、財産が失われた災害だった。津波や地震の被害想定が誤っていたというのがこの悲劇の原因だが、自然災害なので、次いつ来るかわからないし、どんなタイミングで遭遇するかもわからない中で、どこまで備えるかは難しい。 何が正しかったかは後から言えることで、極限の状態で正しい判断をするのは難しく、誰もが死にたくはない中で、瞬時にそれぞれが最良と思える判断で行動したはずで、亡くなった方はなんと無念だったことだろうかと思うと心が痛む。
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南三陸町の行政庁舎は、東日本大震災の津波により消失し、安全とされていた防災庁舎も、屋上まで波に飲まれ鉄骨の枠組みだけが残った。屋上に避難した職員ら54人のうち、奇跡的に助かったのはわずか11人。残り43人は波に飲まれ死亡又は行方不明となった。 この本は、生き残った11名のインタビ...
南三陸町の行政庁舎は、東日本大震災の津波により消失し、安全とされていた防災庁舎も、屋上まで波に飲まれ鉄骨の枠組みだけが残った。屋上に避難した職員ら54人のうち、奇跡的に助かったのはわずか11人。残り43人は波に飲まれ死亡又は行方不明となった。 この本は、生き残った11名のインタビューを主に構成されている。読んで思ったことは、津波の危険性を十分に認識し、対策し、対応したにも関わらずこのような事態になったという驚き。通常、大地震が起きると地震そのものが大災害なわけだが、この地域では地震はむしろ予知であって、地震から津波までに如何に迅速に対応できるかが問われている。それが分かっていてみんなが迅速に動いたにも関わらずこれだけの被害が出た。生死を分けたのは、屋上での場所のみ。柵が流されなかった一部の場所の人だけが生き残った。 この本の教訓のように、予想の2倍の被害を想定するというのは確かに大事だが、何事にも限度がある。どれだけの対策をとるのかは難しい問題だ。
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