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鎖と罠 皆川博子傑作短篇集 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2017/07/21 |
JAN | 9784122064317 |
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鎖と罠
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商品レビュー
3.9
13件のお客様レビュー
皆川博子さん2冊目。 一話50ページくらいの短編集ですが、どれもこれも濃い。ドロドロというかネバネバというか、あっさりしていない。サクッと読むというわけにはいきません。 50ページくらいの話にこれだけの濃度の人生劇を詰め込めるのかと思う。筆力の成せる業なのか。
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北見隆氏の手掛ける表紙絵が既に不穏で・・・最高ですね。 「水底の祭り」差別と因襲にまみれたこの場所で、私たちは誰かと同じものなど生涯見られはしないのだ。 「牡鹿の首」いとしいものに愛される未来なんて、一生見つけられない。 「紅い弔旗」やるせなさも虚しさも孤独も届かない愛情も、全て...
北見隆氏の手掛ける表紙絵が既に不穏で・・・最高ですね。 「水底の祭り」差別と因襲にまみれたこの場所で、私たちは誰かと同じものなど生涯見られはしないのだ。 「牡鹿の首」いとしいものに愛される未来なんて、一生見つけられない。 「紅い弔旗」やるせなさも虚しさも孤独も届かない愛情も、全てあなたが教えてくれたのに。 「鏡の国への招待」誰もがそこでは、くだらない表層など無意味になる。 表題作は、兄弟の残虐な記憶。悪夢は連鎖するし、決して決別などできはしない。 「まどろみの檻」おぞましいような愛情を、狂気と呼ぶのか。 「疫病船」戦争ものだから・・・ってのもあるんだろうけど、後味の悪さでは収録作で最大値だと思う・・・。誰も目を逸らしてはならぬ。私達は誰もが、石を投げられうる存在なのだから。 「風狩り人」母子の愛と呪い、それから、銃口。 「聖夜」記念すべき夜。解放の夜。 「反聖域」彼は、誰も救わない。
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初期短編集。男女や家族間での愛憎を、美しくしっとりと、しかし烈しく描いた作品ばかり。読めば読むほど甘美な毒に酔わされる心境です。 お気に入りは「風狩り人」。過去の悲劇の真相が実に恐ろしく、だけれどもそれが共感はできないにしろ理解できてしまうことがさらに恐ろしく感じられました。その...
初期短編集。男女や家族間での愛憎を、美しくしっとりと、しかし烈しく描いた作品ばかり。読めば読むほど甘美な毒に酔わされる心境です。 お気に入りは「風狩り人」。過去の悲劇の真相が実に恐ろしく、だけれどもそれが共感はできないにしろ理解できてしまうことがさらに恐ろしく感じられました。その心情は「反聖域」に描かれた物語のラストも似ているような。ひどく醜い人間の部分を描きながらも、美しく切なく感じてしまいます。 そして今の時代に読んでぞっとしてしまったのが「疫病船」。はるかに昔の話だけれど、現代のコロナ禍にも重ね合わせることができて、どちらの立場からも苦しくなるような物語でした。あまりにやりきれないのだけれど。病に恐怖を覚えただけの加害者側を完全な「悪」であると決めつけることもできないのが、さらにやりきれない話。これは現実でも同じですね。
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