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文明に抗した弥生の人びと 歴史文化ライブラリー449
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 吉川弘文館 |
発売年月日 | 2017/07/01 |
JAN | 9784642058490 |
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文明に抗した弥生の人びと
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
タイトルを見て、今の人が「昔のような生活をしよう」と啓蒙してるみたいに、弥生の人も縄文の生活をしようとしてたのかなと思った。 それは半分正解で半分違うようで、本文を読むと、縄文的な生活(狩猟、採取)と弥生的な生活(農耕)はあんまりはっきりと分かれてなくて、行ったり来たりしてた、と...
タイトルを見て、今の人が「昔のような生活をしよう」と啓蒙してるみたいに、弥生の人も縄文の生活をしようとしてたのかなと思った。 それは半分正解で半分違うようで、本文を読むと、縄文的な生活(狩猟、採取)と弥生的な生活(農耕)はあんまりはっきりと分かれてなくて、行ったり来たりしてた、というようなことが書いてあった。(弥生も縄文も長すぎて、他の時代区分のようにはっきりとは分けられないらしい) 知りたかった/読みたかった内容と思ったより違ったかも。
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この本から新たに得た知見は3つ。 1.縄文時代、弥生時代というが、なにをもって決定するのか。 支配的な勢力であろうか、支配的な文明であろうか。当時の日本にはいずれも存在しなかったと思われる。縄文式土器のトレンドは東日本から九州まで伝播したと見られている。金属器は大陸から九州北部近辺に伝来し、東へ伝播したと見られている。支配的な勢力を通じて伝わったのではなく、点々と伝わったことが発掘調査から見いだせる。 2.日本の古代を考える素地となった背景・思想。 明治以降、日本という国のアイデンティティーを求めるために、ナラティブが必要になったという側面からの要求。マルクス主義の農村観。政治や思想が学問に影響を与え、長く固定観念となったこと。 3.想像力の学問 遺物の観察という根拠を持つにせよ、記録のない過去に形を与えるのは想像力しかない。史学とくに考古学は書籍上で他の研究者にどやる傾向が高く、そうした文章を読んでいると、ぼくの考えた最強の設定比較に見えてしまい、学術ではなく主張を読まされている気になる。 ところどころ言葉の選択に誇大感があり、タイトルについてはいささか書き過ぎと感じる。「田舎にスーパーがやってきたが、父母世代は地元商店街との付き合いを大切にするようなものである」というようなことを引き合いに出されて「文明に抗した弥生」と対照する。そんなんいつでもどこでも起きてることで特筆すべきことではない。針小棒大である。 多くの著書を引いているが、タイトルには”岡本孝之 1993「攻める弥生・退く縄文」『新板古代の日本』七、角川書店”から着想を得たものか。
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想定より専門的に書かれていたので、読了までに随分時間がかかってしまった。 その分、得る物も多かった。 弥生時代を語るのに縄文時代の話から始まった時は戸惑ったが、本書は「そこ」に至るまでの過程を事細かに丁寧に書き切っている。 故に必要な流れ。 そこから稲作とそれに伴い広がっていった...
想定より専門的に書かれていたので、読了までに随分時間がかかってしまった。 その分、得る物も多かった。 弥生時代を語るのに縄文時代の話から始まった時は戸惑ったが、本書は「そこ」に至るまでの過程を事細かに丁寧に書き切っている。 故に必要な流れ。 そこから稲作とそれに伴い広がっていった文化も流れに沿って丁寧に丁寧に書かれている。 歴史の授業では大雑把にまとめられていた弥生時代にも地域差はもちろんあったし、大陸文明を受け入れるか否かで葛藤もあった。 想像以上に複雑で、だからこそ面白い弥生時代がここにあった。 ただ本人も書いているとおり、弥生時代の概説本ではない。 もっと深く深く掘り下げた本のため、ある程度弥生時代について語れる程度の知識は必要。 そうでないと、自分のように混乱することになる。 土器や銅鐸の分類や紋様などが分かっているといいぞ。
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