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笹の舟で海をわたる 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/06/28 |
JAN | 9784101058337 |
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商品レビュー
3.6
58件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まだ学生時代に読んだことがあった作品。 内容は細部までは覚えていなかったが、主人公が出産するシーンで感じる万能感の表現が心に残っていて、いつか自分が出産を経験することがあればそのように感じるのだろうか、その時また再読したい、と考えていて今回の再読に至った。 改めて読み直して、正直全てが理解出来なかったように思う。淡々と日々を生きる左織の半生。子供たちと夫とも自らの兄弟ともうまく人間関係を築けない。自分を慕って良くしてくれる風美子にすら信用して心を開くことが出来ない。常に裏切られるのではと恐れている。 作品の終盤でその理由について「あの頃の幼い自分に押し付けていた」と書いてあった。つまり、全ては、自分で考えることをせず、感情を抑えてただ受け入れるように生きてきたせいだ、ということだろうか。 自分で決めるべき場面で決めず、考えるべき場面で考えず、だからその結果を全て「人のせい」にしたくなる。 その後、終の住処を自ら決断したとき「決めたのよ。だから責任は持つわ。」という台詞。 ここでやっと左織は人生に能動的に向き合ったの結果、穏やかな心を手に入れる。 風美子の人生について左織は考える。 『ほしいものを手に入れて、いらないものを切り捨てて、雑草でも毒でも食べて栄養にして、平然と奇跡を起こし続ける。思いどおりに、好きなように生きること、それこそが、従うことしかできなかった、あの辛い日々への仕返しなのだ。』 そしてラスト。 「幸せも不幸も人生に影響など及ぼさず、ただ在る。ただ在る、でも私たちはそれから逃れられない。」 つまり幸せも不幸も自らの行いで増やしたり減らしたり出来るものではない。そこにある。だからそれをどう受け止めるのか、考えて、決断して、栄養にして生きていくことが人生を生きる、歩むということなのだ、ということだ。 と、わたしはこの作品を受け止めた。 また年齢を重ねて子供が巣立った時に読むと別の部分が見えてくるのかもしれない。 これだから読書はやめられない。
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なんだかグズグズとした独白をずっと聞いているようで、モヤモヤしたまま読み進めてとても好きになれそうに無い主人公にイライラしてた。 でも、上手いなぁ、文章も構成も。で、最後の数ページでなんだか無理矢理にスッキリさせられた感じ。好きな読後ではないけど、ああやられたなという感じはする。
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疎開先が一緒の縁で義姉妹になった主婦の左織と料理家の風美子。思い通りに進まないのはこの女のせい? 戦後昭和の女たちの物語。
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