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ピネベルク、明日はどうする!?
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | みすず書房 |
| 発売年月日 | 2017/06/21 |
| JAN | 9784622085942 |
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ピネベルク、明日はどうする!?
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
ピネベルクとは何者でもない者である ピネベルクとはわたしである ピネベルクとはあなたである 20世紀前半のドイツ人作家ハンス・ファラダの出世作にして、超ロングセラー『ピネベルク、明日はどうする!?』の感想をお届けする 時はワイマール共和国末期、ヒトラーが政権掌握する前、ドイツ...
ピネベルクとは何者でもない者である ピネベルクとはわたしである ピネベルクとはあなたである 20世紀前半のドイツ人作家ハンス・ファラダの出世作にして、超ロングセラー『ピネベルク、明日はどうする!?』の感想をお届けする 時はワイマール共和国末期、ヒトラーが政権掌握する前、ドイツでは大量の失業者が街に溢れていました 主人公のピネベルクはホワイトカラーの23歳、仕事はありますが、かなりの薄給、彼女の「子羊ちゃん」ことエマは22歳の労働者階級の家の娘 「子羊ちゃん」の妊娠が分かったことで二人は結婚し、新しい生活を始めますが、いきなりピネベルクは理不尽な理由で解雇されてしまいます 途方に暮れた二人は仲違いしているピネベルクの母の愛人の伝手で就職口を見つけ、大都会ベルリンへと旅立ちますが… 原題は『KLEINER MANN - WAS NUN ?』直訳すると『小さな男―さてどうする?』という意味です 「KLEINER」はちっぽけな、平凡な、凡庸な、小市民の、しがないなどの多彩な意味があります どこにでもいる、特にこれといって誇れることもなく、特別な才能もなく、ただただ「子羊ちゃん」を愛する男ピネベルク 時代に翻弄され苦難に直面し、あがらいながらも流され途方に暮れたり、ちっぽけなプライドから「子羊ちゃん」に辛く当たり後悔したり、友だちに迷惑をかけられないと思いつつ親切に甘えてしまったり 悩み、怒り、喜び、愛する彼はまさにいつの時代の読者であっても自分を投影できる主人公です 彼のように怒り、泣いて、途方に暮れ、「明日からどうしよう?」と一日の終わりに思ったことがきっとあるはず 何者にもなれず、何処にも行けないピネベルク(あなた)が最後に行き着くところとは? 答えはいつだって目の前にあるのです
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第一次世界大戦で敗戦しひどい不況とインフレに陥っていた、ナチスが台頭しつつある頃のドイツを舞台に、小市民の喜びと悲哀を描く。 時代としてはツヴァイクの『チェスの話』の少し後だと思うが、比較するとこちらの方がより「普通の人」を描いている。ツヴァイクの登場人物は、社会的には小市民で...
第一次世界大戦で敗戦しひどい不況とインフレに陥っていた、ナチスが台頭しつつある頃のドイツを舞台に、小市民の喜びと悲哀を描く。 時代としてはツヴァイクの『チェスの話』の少し後だと思うが、比較するとこちらの方がより「普通の人」を描いている。ツヴァイクの登場人物は、社会的には小市民でも、狂気に近い部分があり、やはりツヴァイクはユダヤ人だったから、心理的な状況はドイツ人のファラダより深刻だったのかもしれない、と感じた。 しかし、この作品にはツヴァイクにはない優しさや温かさ、明るさがあり、それは悪くない。 主人公のピネベルクは、23歳だが、出世しようとか、一発当てようとかいう野心とは徹底的に無縁の男。とにかく自分と妻子の生活が安定することだけを願っている。できちゃった結婚してしまった現代日本の非正規雇用の若者は、共感できるのではないかと思う。 しかしささやかな望みとはうらはらに、職を追われ、引っ越しを迫られ、生活は不安定この上ない。こんな状況になれば誰だって心が荒むが、ピネベルクには愛する妻「子羊ちゃん」(とはいっても背は高いので、彼の母親は「子羊じゃなくてワールキューレじゃないの」というのだが、愛しているから「子羊ちゃん」なのだ、体の大きさじゃない)がいる。夫婦が愛し合っていれば最悪の状況でも人間はどうにか生きていけるということが、実感をもって伝わってくる。 ピネベルクは特別賢くもないし、ハンサムでもなくすべてが「普通」の男だし、子羊ちゃんだって比較的美人ではあるが、労働者の家に生まれ、貧しく育ち、何かに特別な才能があるわけではないのだが、この二人が愛し合うことによって生まれる美しさが胸を打つのだ。 豆のスープやスモークサーモンや化粧台のエピソードは若くて愚かで貧しく、愛だけがある夫婦の姿が鮮やかに浮かび上がってくる。 ラストはかなり苦い終わり方だし、この後ドイツが向かう方向を知っている現代人としては、さらに状況が悪化する中、ピネベルク一家がどうやって生き抜いていくのか心配でならない。唯一の財産の夫婦愛さえ終わってしまうのではないかと案ずる。 それでも、ラストシーンではまだ愛があるのだ。それが希望というものではないか。 ファラダの一番売れた本が"Kleiner Mann-Was nun?"だとは知っていたが、『ピネベルク、明日はどうする!?』という本を見たとき、同じ本だとは思わず、「へえ、こんな本もあったんだ」と思った。訳者あとがきで同じ本だとわかったが、この日本語タイトルはとても良い。直訳だとイメージが湧かないもの。直訳でない、いい日本語タイトルの代表に加えてよいと思う。
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