ISOは経営をダメにする

萩原睦幸(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2017/06/01
• JAN: 9784344912502

商品レビュー

2023/09/14

私はISOに詳しくないから、読んで学ぶことも多かったが、詳しい人なら物足りないのではないか。またタイトルの『ISOが経営をダメにする』というのは、全く中身と主張が違う。そうしたISO否定派を読者にしたかったのかもしれないが、若干、詐欺的でもある。むしろISO肯定派、審査官である著者による実務的な話だ。

ISOは当時海外との取引があるメーカーを中心に広まったが、その後この仕組みが組織に役立つと言うことがわかり、海外との取引がない国内のメーカーや建設業にも急速に広まった。

ISOを取り巻く問題としては、せっかく認証を得たものの自社には役立たないと言うことで簡単に投げ出したり、審査側もISOビジネスとして割り切るようなところもあり、審査料金のダンピングや明らかに手抜きと思われるいい加減な審査が存在する事。

国際標準化機構のISOは100年以上前からあり、世界の技術規格を統一するために存在していた。これとは別に組織のマネジメントに関する国際企画が初めて誕生。1987年のこと。これがISO 9000シリーズと言う名称で発行された。品質マネジメントシステムはISO 9001。環境マネジメントシステムはISO 14001、情報セキュリティーはISO 27001。世界的に見ればISO 9001と14001は頭打ちか減少傾向にあるが、ISO 27001の導入がここ数年急速に増加しつつある。

ISOの要求事項に文書の配布というのがある。マネジメントシステムを構築したらその仕組みを全社員へ徹底する必要があるから原紙をコピーして配布する。膨大な紙資源が無駄になる。一方でISO 14001で資源の節約を掲げている。この文書の配布の要求事項については、共有フォルダやサーバーに保管しておけば良いことだ。

逆に、ワンポイントレッスンなど、作業の手順を示している掲示物であれば、要求事項と言う文書の管理が必要。発行や変更日付とその内容を承認した権限者の証拠が必要である。

1人や2人の組織がISOの認証を取得している実績もあり、これらの組織ではほとんどの業務を兼務している。責任と権限を果たしていれば兼務であっても何ら問題は無い。

2018/02/04

特に目新しい知見は見当たりませんでした。

タイトルについて、その過激さと内容が全くそぐわないように感じましたが、このタイトルは著者の意向なのでしょうか？ それとも、過激さで目を引きたかった編集側の意向なのでしょうか？