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夢の日本史
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 勉誠出版 |
発売年月日 | 2017/06/01 |
JAN | 9784585221777 |
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夢の日本史
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
新聞の書評より興味を抱いて手にした一冊。「夢」に対するスタンスの変遷。古代は神仏より送られる神聖なメッセージ。次第に俗化し、内から発するもの、近代には未来へ抱くものの意味をも含んで認識は変化していく。日本の歴史の資料を紐解きつつ、精神的な変化を追っていく、興味深い内容でした。
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●:引用 ●日本の歴史において、夢をめぐる認識は時代と共に変化してきた。その最も大きな違いは、夢が自分の「外から」来ると考えるか、それとも自分の「内から」来ると考えるか、という点にある。長いあいだ人々は、夢は自分の「外から」やって来るものだと思っていた。夢は、神や仏や死者などの...
●:引用 ●日本の歴史において、夢をめぐる認識は時代と共に変化してきた。その最も大きな違いは、夢が自分の「外から」来ると考えるか、それとも自分の「内から」来ると考えるか、という点にある。長いあいだ人々は、夢は自分の「外から」やって来るものだと思っていた。夢は、神や仏や死者などの人間を超越した存在から送られてくるものであり、未来のことを示してくれるメッセージだと考えていた。だから、人々は「夢の告げ」をとても大事なものとして受け止め、まわりの人にもその内容を語って聞かせた。(略)このように、夢が自分の「外から」やって来ると考えられていた時期は、とても長い間続いたが、時の経過と共に、神や仏などの聖なる存在に対する捉え方に変化が生じてくる。日本の歴史において、16世紀をはさむ前後200年余りのあいだに、神仏に対する考え方は大きく変化し、人々の信仰心や宗教的畏怖の思いが、どんどん後方へと退いていく。中世と近世を比べてみると、この違いは歴然としている。(略)当然のことながら、この変化は、夢に対する認識にも大きく作用してくる。(略)この18世紀後半の時期になると、明らかに夢は古代や中世の時期に持っていた聖性を失って、世俗の垢にまみれたものへと変わってくる。(略)ただ、この変化は、夢が「外から」やって来るという考え方をひっくり返してしまうにいたらない。なお、人々の夢の外在性を信じていたと思われるのである。夢が、自分の「中から」やって来るものと考え、自らの心の奥深いところからやって来るとか、あるいは自分の脳の産み出すイメージなのだとかいうような、今日の私たちと同じような夢認識が広く一般的になるのは、長い歴史の中では、つい最近のことである。明治時代になって急速に西洋文明が流入してくる時期以降、夢は自分の「内から」やって来るもので、その内容も未来への予言などではなく、それぞれの人が自分の過去の経験を糧にしながら、心の中で、脳内で作り出すものだという見方が、大多数の人々の夢認識として定着してくる。それと同時に、以前の夢が持っていた未来にかかわる局面を引き継ぎ、それに代わって未来への視座を担うものとして、新たな夢の語が登場してくる。それが、覚醒時に心に思い描く「将来への望みや志し、将来設計」という意味での夢である。(略)夢は眠っている時に「見る」ものではなく、目覚めている時に「持つ」もの、「抱く」ものになった。
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夢が歴史を動かすって、占いよりもカルト臭はんぱない。でもいまでこそ夢は「内から」なるものが当たり前だが、太古は「外から」来るというのが当たり前だった。それをお告げと信じる者を誰が笑えるだろうか?
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