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日本の悪霊 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2017/06/06 |
JAN | 9784309415383 |
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日本の悪霊
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20181103 刑事物語だが、謎解きのスリリングな展開があるわけではなく、ひたすら権力、国家、法律に対する反発思想を深める高橋和巳らしい作品。 政治犯罪を犯した後8年間逃亡することができた村瀬は、現在に何もかも未練もなくなり、強盗の軽犯罪を犯し捕まる。あえて自分の罪を社会に示し...
20181103 刑事物語だが、謎解きのスリリングな展開があるわけではなく、ひたすら権力、国家、法律に対する反発思想を深める高橋和巳らしい作品。 政治犯罪を犯した後8年間逃亡することができた村瀬は、現在に何もかも未練もなくなり、強盗の軽犯罪を犯し捕まる。あえて自分の罪を社会に示し、政治犯罪が存在すること、国家は自分たちの都合の良いように犯罪すらコントロールすることを期待し捕まった。しかし、結論としては裁判で裁かれることなく村瀬の死を賭した告白は、無視され闇に葬り去られてしまう。死からも無視されること、それが人間存在にとって最大の屈辱であり自殺を選び幕締めとなる。 一方、戦争を経験し刑事権力の不合理さを目の当たりにしている刑事落合は村瀬の意思表示に感づき共感する。 刑事であるが正義が多義的であること、権力によってねじ曲がることを嫌い、その反発でもある村瀬の事件に異例なくらい取り組むことが、人間の諦めの悪さ・泥臭さを感じられて面白い。 髙橋和巳の選択する言葉の深さ広さは尋常ではない。表現力のそれも気味が悪いくらい生々しい。戦争や闘争を経た人間による感覚による恐ろしい小説だと思う。 高橋和巳の日本人ならではの鋭さ、尖り方、侍を改めて体感したい。 60年安保闘争の時代の日本。戦争を経た落ち武者の大人たち、傷付き自由を獲得していない女性、若く自治・自由・自立を主張し始める若い世代と様々な対立が闘争となって勃発した時代。その時の日本人の感覚とは? グローバル化を背景として、島国根性の日本人と開明派のグローバル人材との本格的な対立がある現代でも参考になる議論ではないか?
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※このレビューにはネタバレを含みます
高橋和巳の代表作のひとつ。 『苦悩教の教祖』らしさが最も出ているのが本書だと思う。 結局のところ、埴谷雄高にしろ高橋和巳にしろ、結論の出ない話をひたすら書き続けることで追い求めたのではないか、という気がする。 ※しかし、読んでいる分には非常に面白いが、実際にこんな奴が傍にいたら嫌だw
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