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敗者の想像力 集英社新書0882
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2017/05/17 |
JAN | 9784087208825 |
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敗者の想像力
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敗者の想像力
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
「敗者の想像力とは、敗者が敗者であり続けているうちに、彼のなかに生まれてくるだろう想像力のことである。自分が敗者だというような経験と自覚をもっていないと、なかなか手に入らないものの見方、感じ方、考え方、視力のようなものがあるはずだが、そういうものをまとめて、ここでは「敗者の想像力...
「敗者の想像力とは、敗者が敗者であり続けているうちに、彼のなかに生まれてくるだろう想像力のことである。自分が敗者だというような経験と自覚をもっていないと、なかなか手に入らないものの見方、感じ方、考え方、視力のようなものがあるはずだが、そういうものをまとめて、ここでは「敗者の想像力」と呼んでおく。」23 「敗戦国に特有のものではない。それは普遍的な拡がりをもつ。」25 「敗者の想像力と敗者への想像力。 この二つはたしかに違っている。自分たちが敗者である。その自覚の底に下りていく。そしてそこから世界をもう一度見上げてみる。見下ろす想像力と、見上げる想像力。想像力にも天地があるのである。」27 シヴェルブシュ『敗北の文化』 カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』 「…つまり、占領は、日本が占領されていた敗戦に続く七年間の期間、占領軍の側から「見えにくく」されていただけではなく、被占領側である私たち自身の側でも、それを「見まい、認めまい」としていた。心理的にはどうあれ、構造的には、「見えにくく」する占領側と、「見まい」とする被占領側とが、見事に肝胆相照らし、協力し合っていたのである。」44 「…安岡、小島、また同じ第三の新人の庄野潤三、さらに江藤淳などが、その後、ロックフェラー財団等の助成により、アメリカに「留学」し、小説家・批評家としての滞在経験をもつことになることも、すぐに思い返される。 彼らは、アメリカ政府が招聘しても国益に適うと判断するー左翼性の洗練を受けていないー第三ならぬ、第一期の戦後日本の文学世代でもあったのである。」59 マイク、モラスキー『占領の記憶/記憶の占領』 アハマド・M・F・モスタファ ポール・スミンキイ 65 68 74 75 91 118 123 124 130 146 160 163 165 167 169 174 184 200 202
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敗戦後論から20年。さまざまに論じた加藤典洋の1冊だが、白眉は大江健三郎論なのだと思うが、残念ながら初期の小説群以外全く読んでいない。しかし、大江が晩年「沖縄ノート」で非難した集団自決事件への名誉棄損裁判の行方には関心があった。もう一度大江の小説群を読んでみようと思う。
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敗者というと、ひどく重く、ネガティブなものであるような気がする。特に著書の姿勢としては戦後日本のありようをオーバーラップさせている面は強いだろう。でも、それがわかっていてなお、ここでいう敗者とは、無視できない他人がいて、そういう外部となんとか折り合いをつけて生きなければならない自...
敗者というと、ひどく重く、ネガティブなものであるような気がする。特に著書の姿勢としては戦後日本のありようをオーバーラップさせている面は強いだろう。でも、それがわかっていてなお、ここでいう敗者とは、無視できない他人がいて、そういう外部となんとか折り合いをつけて生きなければならない自分自身という気がする。勝者は勝者であるがゆえに、しばしば他を無視することができる。あるいは自分を押し通すことができる。でも人間生きていてさ。常に自分を押し通すことが可能だろうか。そんなわけないよなぁ、と思うのだ。である以上、ここで論じられているのは、自分自身のことに他ならないという・・・なんというか、とても刺激的な本だった。吉本隆明と鶴見俊介は、もっと意識的に読んでいきたいと思ったね。あと大江健三郎についてはほとんど読んでいないんだけど、異様な迫力で論じられていたな。そんなことがあったんだ、と重く感じた。
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