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春や春 光文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2017/05/11 |
JAN | 9784334774684 |
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3.6
19件のお客様レビュー
俳句甲子園と聞いて、俳句を作って審査され出来がいい句が優勝する大会かと思ったら違った。 5人で1チームの団体戦。俳句は兼題にそって3句作り、事前に提出しておく。大会当日は自分たちの句を読み上げ、相手チームがそれを被講し質疑を重ねる。これを両者繰り返し、句の出来による作品点と、相...
俳句甲子園と聞いて、俳句を作って審査され出来がいい句が優勝する大会かと思ったら違った。 5人で1チームの団体戦。俳句は兼題にそって3句作り、事前に提出しておく。大会当日は自分たちの句を読み上げ、相手チームがそれを被講し質疑を重ねる。これを両者繰り返し、句の出来による作品点と、相手の句への理解や表現などを指摘する力を問う鑑賞点が審査員によってつけられ、合計点により勝ち進むトーナメント方式により行われる。 作句で散々検討するのはもちろん、提出から大会まで間があり、そのあいだ3句それぞれの17音の世界を突き詰める。 相手校からどのような質問がこようとも、この言葉、この表現しかないと言える思いを短い音にこめる。 短い言葉に対してここまで真剣に向き合い考え抜いたことはない。 読んでいて高校生たちの熱量に気圧される。 青春群像劇としてはあんまり馴染まなかったが、俳句甲子園の描写は臨場感があって面白かった。 俳句は嗜まないのでよくわからない句もありつつ、好きな句や面白い句もたくさんあった。 蝉の殻重力離脱成功す 夕焼空遁走曲楽譜散乱 俳句のイメージにあるしみじみしたものとは一線を画すようなコミカルさや爽快感を感じる。こんな句あるんだ、というような興味が湧いた。句の内容と音のリズムが一致していて楽しい。 夕焼雲でもほんたうに好きだつた ストレートでこれ以上は何も言うことはないと誰しも思うだろう作品。まさにこの17音がすべて。一方で言葉より色で埋め尽くされるような気持ちにもなる。 手擦れせる句帳の余白海月舞ふ なぜか印象に残った。理由はわからない。でもこの句帳はコピー用紙のような蛍光の強い白の紙ではなく、もっと使いこんだくすみとざらりとした質感のある紙でできた句帳というイメージ。 桃すする雨よ昨日の一言よ 情感あふれる一句。勝手に絵とストーリーが浮かんでくる。すごい。絵的な印象が強いが、短い映画的な印象もあって、奥行きを感じる。 他にも色々あったが割愛する。 中学生のころは年に一回、俳句を作る授業があった。別に俳句の勉強はほぼなく、友達とだべりながら授業時間の終わりまでに一句作って提出すればOKという、国語の中では一年で一番緩い授業だった。 多分、市民大会中学生の部みたいなものに提出されていたのだと思うが、一度だけまぐれで入選したことがあった。短冊に綺麗に清書された句が返ってきて驚いた記憶がある。季語を入れて川柳にはなっていないくらいの、捻りのない拙い句だったのに。 そんな他愛ない学生時代が読み進めるうちよみがえってきた。おそらく自分の中で俳句に関する唯一の思い出である。 あれ以来俳句に縁遠いが、せっかく俳句の小説を読んだので、久々に詠んでみる気になった。 当時詠んだのは雨の句だったので、今回も雨で一句捻ってみる。 傘さして晴れ間気づかぬ五月雨 暗い。青春小説を読んだ後とは思えない句だ。あんまりなので上向きに修正してみる。 俯きて映る夏空雨上がる …結局暗い?作中で新野先生が言ってたコツも無視している。中学のは完全にビギナーズラックということが確認できただけだった。 でも、なかなか楽しかったので良しとしよう。
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高校生が俳句同好会の立ち上げから俳句甲子園に挑戦する物語。作品は高校生の青春ものかと思いきや、俳句について言葉について追及する奥深さがありました。 作品中にも多くの句が出てきますが、手紙を書かない高校生ならではで「手紙」を「メール」と表現するところは高校生らしくて新鮮です。また、...
高校生が俳句同好会の立ち上げから俳句甲子園に挑戦する物語。作品は高校生の青春ものかと思いきや、俳句について言葉について追及する奥深さがありました。 作品中にも多くの句が出てきますが、手紙を書かない高校生ならではで「手紙」を「メール」と表現するところは高校生らしくて新鮮です。また、読んだ時の音を大切にしたり、ひらがなか漢字かと文字にこだわったり、17文字の可能性が壮大でした。 自分の思いをいかに正しく相手に伝えるために言葉を選ぶ作業は日本語と真剣に向き合う素敵な時間でした。 同好会立ち上げメンバーにも関わらず、選手として舞台に上がらず仲間を支える東子も目が離せない人物でした。 本作品は読者それぞれの句の感じ方があるはずで、世代を問わず楽しめるものだと思いました。
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俳句に興味のある私。この本は一年くらい前から読みたかったけど、なかなか読めなかった。 良かった。青春を感じられる作品だった。 俳句初心者だったメンバーが、個性を武器にして成長している姿が眩しい。 富士先生が言っていた俳句の「ずるさ」に、「なるほどな」と思った。十七音の世界。やっぱ...
俳句に興味のある私。この本は一年くらい前から読みたかったけど、なかなか読めなかった。 良かった。青春を感じられる作品だった。 俳句初心者だったメンバーが、個性を武器にして成長している姿が眩しい。 富士先生が言っていた俳句の「ずるさ」に、「なるほどな」と思った。十七音の世界。やっぱりいい。
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