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アルスエレクトロニカの挑戦 なぜオーストリアの地方都市で行われるアートフェスティバルに、世界中から人々が集まるのか
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 学芸出版社 |
発売年月日 | 2017/05/01 |
JAN | 9784761526412 |
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アルスエレクトロニカの挑戦
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40年前からオーストリアのリンツという20万人の地方都市で毎年開催されるメディアアートの祭典。 そこに世界中から10万人近い人が集まるのだからすごい。 「アーティストが作品を通じて投げかける課題や問題意識を共有し、議論やイノベーションを興して“未来”の礎を築く」という趣旨で毎年...
40年前からオーストリアのリンツという20万人の地方都市で毎年開催されるメディアアートの祭典。 そこに世界中から10万人近い人が集まるのだからすごい。 「アーティストが作品を通じて投げかける課題や問題意識を共有し、議論やイノベーションを興して“未来”の礎を築く」という趣旨で毎年テーマが共有され、さまざまな問いを発信している。 何度か行く機会が失い、ハンカチを噛み噛みしながら、読んだ本。 心に触れた3選 まず興味深かったのが、このフェスティバルのはじまりで、行政や民間企業が企画して始まったイベントではなく、コンピュータで音楽(マイコン時代のなので、本当にギークな集まり)イベントから、徐々にこの形に発展していったこと。 教育やアートといったイベントを行政が政策に取り込み、街の文化や仕掛けに変えたこと。 毎年のテーマ選定も、美術界の権威ではなく、多様なバックグラウンドをもつ評議員のような組織で、フラットに合意形成してつくっていくもの。 この3つとも、日本の場合は、全部が逆張りになってしまうことが多く、 1)はじめから大掛かりにしようとしてうまくいかない 2)小さなイベントや文化をエンパワーメントする行政的視点がない 3)大きくなったら権威性をおびてしまう 40年以上も続くイベントという点や、世界中から人があつまる仕掛け。 ただの美術展ではないところが、重要なポイントで、そうした裏側の仕掛けや地方都市でこうした事業を継続していくためのさまざまな工夫が本書で触れられます。 アートと地域活性。みたいなものがブームになっては下火になった日本は、改めてこのイベントから学び直すことも多いのでは?
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オーストリア、リンツにおけるアルスエレクトロニカは、「アート、テクノロジー、社会」というコンセプトを提唱しており、これは2021年現在も直面している問いである。 世界と比べて圧倒的に恵まれている日本において、このような次の社会を模索する取り組みを地域から発信していく使命を強く感...
オーストリア、リンツにおけるアルスエレクトロニカは、「アート、テクノロジー、社会」というコンセプトを提唱しており、これは2021年現在も直面している問いである。 世界と比べて圧倒的に恵まれている日本において、このような次の社会を模索する取り組みを地域から発信していく使命を強く感じる。 これまで一握りの人にしかできなかった芸術と言うものが、デジタルや技術を介してみんながもっと身近に体験できる、だからこそ、推進しない手はない。 ちょうど、全く違う方から、18世紀のアル=ケ=スナンの王立製塩所の話を聞いたばかりであった。 現代と違い、18世紀の技術と言えば建築だったのではないだろうか。社会におけるテクノロジーの意味を知ること、それは純粋にテクノロジーに興味がある開発者たちとアーティストとの違いだと思う。最も重要なアプローチはオープンであること、科学的探求と芸術的表現を同時に行えること。他分野から集まった我々は、メンバー同士互いの専門領域と親しみ、一人ひとりの貢献と影響による成果を作り出している。テクノロジにできることを考えるだけでなく、その先に、人間や社会の本質を捉えようとするフィロソファー哲学者的な側面が大切になる。テクノロジー主導ではなく、人と社会を捉えるアート的思考が主導するかたちで、その違いの協働が必要である。 私がやりたいのは、こういった社会思想に関わることで、今やっているベンチャーでもどうしても思想や哲学に傾倒してしまい、なかなか儲かるビジネスモデルを作れずに苦労している。 18世紀のアル=ケ=スナン、30年前から着実に進めてこられたリンツ、現代に生きるわたしたちは、これらを、”当然”、”超えなければ”、ならないと強く思いました。 この視点からみた、「地域創生」をやれないか、と自らに問い始めています。 目新しい技術に飛びつくわけでは有りませんが、中央集権的な社会から、自律分散型社会を目指していくことも一つの選択肢となりうるのでは、或いは、それこそがポスト・資本主義の社会なのではないかと思い始めています。 本当の意味での、多様性を認め、ゆるくも、確実につながっている社会ではなかろうか。
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