日本の時代をつくった本 幕末から現代までの社会と文学をビジュアルで読み解く

永江朗

• 販売会社／発売会社: WAVE出版
• 発売年月日: 2017/04/01
• JAN: 9784866210407

商品レビュー

2018/08/29

維新150年の今年、1871年明治4年に翻訳されたさS・スマイルズ「西国立志編」、1872年明治5年に出版された福沢諭吉「学問のすゝめ」から始まる、明治・大正・昭和・平成という時代を作ってきた本たちを一気に駆け上がりるベスト・ヒット・JAPAN bookバージョン。いよいよ平成最期の年、新聞を始め各メディアでは政治、文化、経済などの切り口でこの30年「平成史」を検証する企画が多々ありますが、なるほどベストセラーの歴史は、もっと簡便に時代が何を要請し、何に欲望したかの記録しているのだと思いますした。本は人々にとっての「未知への窓」であると同時に「自分を映す鏡」だと改めて思い知りました。ただ「窓」であり「鏡」であるためには、作者、編集者、出版社の「今、出版すべきもの」についての先駆ける魂が必要で、そのフライングを手探りで大きな現象にしていくプロセスも面白かったです。本書には取り上げられていませんが平成最終コーナーの「サピエンス全史」「君たちはどう生きるか」大ヒットが映している日本人の心にも思いを馳せました。ところで、このラインナップはとても妥当なのだと思いますが、個人的には篠山紀信の宮沢りえ写真集「サンタフェ」が入っていてほしかった！