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『新しき土』の真実 戦前日本の映画輸出と狂乱の時代
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2017/04/01 |
JAN | 9784582282641 |
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『新しき土』の真実
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『新しき土』の真実
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ドイツ、日本合作映画「新しき土」(1937公開)制作の経緯と当時の映画をめぐる社会状況を述べる。 先日「新しき土」を見ることができ、原節子のファンとしてはその初々しい姿を見られたのはうれしかったが、何かヘンな日本人と日本の風景が映っていた。 アーノルド・ファンク監督のインタビ...
ドイツ、日本合作映画「新しき土」(1937公開)制作の経緯と当時の映画をめぐる社会状況を述べる。 先日「新しき土」を見ることができ、原節子のファンとしてはその初々しい姿を見られたのはうれしかったが、何かヘンな日本人と日本の風景が映っていた。 アーノルド・ファンク監督のインタビューが出ていて、それを読むとなるほどと納得した。「日本は現在世界でもっとも注目される国であるが、ドイツ人に日本人の思考、感情、行動を伝える日本映画は無い。共に「土地なき民族」であるので、筋は日本の若い農夫が耕地の狭量のせいで家族を養うために都会に出るが、やはり農夫としての血が騒ぎ朝鮮もしくは満州に「新しい土地」を求めて行く。」これは撮影前のインタビューなので最初からファンク監督の頭にあった筋なのがわかった。 ドイツの撮影隊が到着すると朝日新聞に、「ファンク博士の見る日本は結局旅行者の目に映じた日本である」との記事が載った。そして公開時には<日本を愛する外国人が見た夢>という序文がつけて公開され、国辱映画として批判を浴びたとある。 原節子の起用については、ファンク監督が到着後すぐ太秦の撮影所に行き「河内山宗俊」撮影中の原節子を見たのでとされているが、原節子も太秦で外国の偉い人と写真を撮ったことがあると述べており、が直接的には日活の社員に命じられて万平ホテルにいるファンクに自分の写真を届けに行ったからだとも述べているとある。 最後の満州はロケ地は茨城県水戸市郊外の石崎村の新興農場だとあった。 ファンク監督は山岳映画を撮っていたが少人数で短期間でずっと取っていた。が日本ではかなり豪勢に接待したらしい。著者はファンクが時間をかけたのはその豪勢な暮らしを長引かせるためもあったのではなどとも書いている。制作から完成後に至る過程も試写予定日に仕上がらないなどドタバタ劇そのもので、その滑稽な状況は1940年代以来の本格的映画輸出という悲願に達成に向けての日本人の欲望あるいは焦燥感だったと言う。 ただし尽力した川喜多長政、かしこ夫妻の映画への功績は大だという。かしこ氏は長政が社長の東和商事にタイピストとして入社し、以来二人で60年以上も映画にたずさわった、彼女など朝ドラのヒロインにぴったりではなどと書いている。 2017.4.12発行 図書館
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