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ポール・オースター(著者), 柴田元幸(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2017/03/01
JAN 9784105217198

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商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2022/10/29

自分が自分であること――すなわちポール・オースターがポール・オースターであること――をめぐる精神史。 これまでの作品(特に「ニューヨーク三部作」などの初期作品)においては、ポール・オースターという名前や存在を装置として活用することで新たな文学を切り拓いてきたオースター。その作者...

自分が自分であること――すなわちポール・オースターがポール・オースターであること――をめぐる精神史。 これまでの作品(特に「ニューヨーク三部作」などの初期作品)においては、ポール・オースターという名前や存在を装置として活用することで新たな文学を切り拓いてきたオースター。その作者が人生の老いという冬の時代にさしかかった現在、こらまでの精神の変遷を赤裸々に語っています。たとえば、インタビューなどではこれまであまり詳しく語ってこなかったみずからのユダヤ性なども語られています。 とはいっても、単なる回顧録などではなく、みずからを「君」(you)と呼んで語りかけることで生じる自己と自己自身との距離が生み出す緊張感も伝わってきます。そして、その緊張感も含めて見事に日本語へと変換している名訳もうれしいです。

Posted by ブクログ

2019/01/13

最近のオースターは内省度合いがどんどん強まっていて、一体どこまで行くんだろうと思っていたのだけれど、本書でもって遂にその頂点まで行ってしまった。 前作『冬の日誌』と同じく、若き自分に「君」と語りかける手法は健在。二番目の章「脳天に二発」で展開されるオースター定番のストーリー内スト...

最近のオースターは内省度合いがどんどん強まっていて、一体どこまで行くんだろうと思っていたのだけれど、本書でもって遂にその頂点まで行ってしまった。 前作『冬の日誌』と同じく、若き自分に「君」と語りかける手法は健在。二番目の章「脳天に二発」で展開されるオースター定番のストーリー内ストーリーも健在。 でも、やっぱりいちばん衝撃的なのは、後に最初の妻となる女性に宛てて若きオースターが書いた手紙と、それに関する自らのコメントから成る三番目の章「タイムカプセル」。若き自分をまるで他者のように扱って、読者と一緒に分析しているかの様相なのだけれど、いや、本当によくぞここまで。もし自分が若かりし頃に出したその類の手紙が出てきたとしても、それを誰かと一緒に分析するなんて、とてもとても。。でも、それを何だか嬉しそうにやっている感じが伝わってくるから、たまらない。 オースターの内省、ここに極まれり。

Posted by ブクログ

2018/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「冬の日誌」と対になってるけど、こっちはユダヤ系であることについてや、リディアへの手紙(!)とか、補完できる写真とか、断然読み応えがありました。 リディアへの手紙はもっと甘い言葉が綴られているのかと期待してたけど、独白のように淡々としていました。 その分、たまに出てくる「君がいなくて寂しくて堪らない」みたいな言葉にぐっときたな。

Posted by ブクログ

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