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自己責任社会の歩き方 生きるに値する世界のために
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 七つ森書館 |
発売年月日 | 2017/03/01 |
JAN | 9784822817718 |
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自己責任社会の歩き方
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弱いもの、貧困者、障害者が徹底的に踏みにじられる貧困社会。こころ痛む悲惨な事件をとおして現代の病巣を描きます。希望をつなぐ“アジア大作戦”“いのちのとりで”──現場をめぐって考えたことを優しい言葉で語ります。あなたに寄り添う一冊です。 最近「自己責任」という言葉がワーキングプアな...
弱いもの、貧困者、障害者が徹底的に踏みにじられる貧困社会。こころ痛む悲惨な事件をとおして現代の病巣を描きます。希望をつなぐ“アジア大作戦”“いのちのとりで”──現場をめぐって考えたことを優しい言葉で語ります。あなたに寄り添う一冊です。 最近「自己責任」という言葉がワーキングプアなどの社会的弱者やマイノリティや最近の震災の自主避難者をバッシングする時に使われているが、震災の避難者に対して「紛争から逃げている難民の方が大変だ。甘えるな」とバッシングする曽野綾子のように困窮している人にもっと困窮している人の例を出して黙らせる言動が幅を利かせている。そういう自己責任論が、6人に一人が貧困となり働く人の4割が年収170万円程度の非正規社員という社会にした。そしてかけがえのない命と言いつつ生産性があるかどうかで命を値踏みするダブルスタンダードが、長時間労働やパワハラが蔓延する苛酷な労働環境を改善出来ず、自分が守られていないという不安と不満が生活保護受給者や外国人移民に対しての憎悪に繋がり、ネット上や現実の社会の右傾化に繋がり社会保障費の削減に繋がる。 2016年7月26日に起きた「相模原事件」の犯人は「障害者は不幸しか呼び起こさない」と決めつけ、障害者の事故死を巡る裁判で障害者の遺失利益が0と裁定されるように、「かけがえのない命」と言われる裏には「どれだけ利益に貢献したかが人の価値」という物指しがあり、電通の女性社員が過労とパワハラが原因で自死した事例のように、障害者など社会的弱者だけでなく健常者の命も軽く扱われている。そんな状況に声を上げる社会運動もあり、ドキュメンタリー映画「さよならCP」で話題になった脳性麻痺者の団体「青い芝」は「働けるか働けないかで命の価値を決める価値観が、問題である」と主張して脳性麻痺者の生存権を保護するために運動している。 相模原事件の背後を考える上で参考になるのが、石原慎太郎と精神科医の齋藤環の雑誌「文学界」での対談である。石原慎太郎は脳梗塞の影響で大脳の海馬がダメージを受け字を忘れたと告白し、「自分で自分にイライラする」「自分でこの頃鏡に向かって「お前もう駄目だな」と言っている」と葛藤する一方、「相模原事件の犯人の気持ちが分かる」と暴言を吐いている。この矛盾する発言の矛盾を読み解くのが、雑誌「現代思想」に収録された「障害と高齢の狭間から」という記事での上野千鶴子の「高齢者は自分が障害者になることを認めたくない。何故なら今まで障害者を差別してきたから。自分が差別してきた障害者になることを認められない。こういう高齢者の自己否定が一番問題」という発言である。高齢者だけでなく健常者は、自分が病気にあったり障害を負い生存競争から脱落することを恐れている。そういう不安と自分たちが守られていないことに対しての怒りが、障害者や弱者に向かって暴発したのが相模原事件だった。 2017年1月17日に小田原市役所の生活保護担当の職員が「保護なめんな」「不正受給者はカスだ」などの文言が入ったジャンパーを勤務中に着ていた問題の背後にあるのは、現場職員のオーバーワークである。生活保護受給者が増え続けているのにケースワーカーの担当件数120~130件で職員の過労が常態化している。職員が自分の負担を減らすために、一人でも受給者を減らすために、小田原市役所のホームページの生活保護について説明する箇所で生活保護についての説明ではなく「親族の扶養が優先する」などを最初に記載することで申請する人を躊躇させるなど水際作戦が横行して、セーフティーネットが機能しない原因になる。職員のオーバーワークを防ぐためにも、職員を増やすことも必要。 震災父子家庭が遺族基礎年金の対象外である制度を、宮城県父子の会の代表の村上さんの地道な働きかけで児童扶養手当を父子家庭に支給出来るようにした。 生活保護の切り下げの影響で、就学援助が貰えなくなり、学用品を買えなくなったりなどの悪影響が出ている。生活保護受給者の児童は、大学や専門大学に進学出来ないが、世帯分離をすれば進学出来る。ただし進学する時の学費などは、アルバイトや奨学金で賄わなければならず、進学率は33.4%で低く問題になっている。 など、「命を選別し生きるも死ぬも自己責任」という社会の現状を知り、困ったら助けを求められる生きやすい世界を構築するためにどうしたらいいか考えるきっかけになる1冊です。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読書記録です。 子どもの学校の図書室にありました。(父兄も借りることができるんです。)「一読を。手に取って欲しい」という書評に誘われて… 読んでいる間、耳元で著者が語りかけてくるような感覚でした。当事者でなければ分からない痛みを「ねぇ、本当にわかってくれるの?一緒に闘ってくれるの?」と突きつけられているような厳しい内容です。 でも、当事者ではない子どもにとってはちょっと難しいかも。書いている内容自体はわかるけど、咀嚼して心のなかに持っていけるかどうか、どうすればいいのか考えるまでには至らない、というか。ただ、こういう現実があって、少しでも良い方向へと働きかけている著者のような大人がいる、という事実は知るべきだと思います。
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http://www.pen.co.jp/book/b283833.html , http://maga9.jp/
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