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別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した 宗派とはいったい何だろうか 教養・文化シリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | NHK出版 |
発売年月日 | 2017/02/01 |
JAN | 9784144072239 |
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別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教
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商品レビュー
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10件のお客様レビュー
何だかよく分からんな、と思っていた仏教。藤田一照師の著作を主に、紐解いていくきっかけをもらい。 今回大乗仏教とはなんじゃい?と好奇心からこの本を手に取った。対談形式という手軽さと、佐々木閑氏の軽妙な語り口で見事、大乗仏教の成り立ちを学ぶことが出来た。 なるほどねー、こうして大...
何だかよく分からんな、と思っていた仏教。藤田一照師の著作を主に、紐解いていくきっかけをもらい。 今回大乗仏教とはなんじゃい?と好奇心からこの本を手に取った。対談形式という手軽さと、佐々木閑氏の軽妙な語り口で見事、大乗仏教の成り立ちを学ぶことが出来た。 なるほどねー、こうして大枠のガイドラインを引いてもらってそれぞれの点を紐解いていけば仏教についてより見識が深まる事だろう。 面白くなってきた。
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偉大なシャカムニが生きているあいだは良かったが、亡きあと、僧団は乞食遊行から定住化する必要などで「意見が対立しても定例集会に参加するうちはメンバーと認める」不文律ルール改正に迫られた。 シャカムニは「カルマ=業を断ち切れば自由になる」と教え、輪廻転生に言及しなかったが、「ブッダと...
偉大なシャカムニが生きているあいだは良かったが、亡きあと、僧団は乞食遊行から定住化する必要などで「意見が対立しても定例集会に参加するうちはメンバーと認める」不文律ルール改正に迫られた。 シャカムニは「カルマ=業を断ち切れば自由になる」と教え、輪廻転生に言及しなかったが、「ブッダとなるには延々とした前世からの修行があったに違いない」また「厳しい修行を支える一般人にとってブッダの教えは何になるか」といった思いから、〈大乗仏教〉が興起した。 初期の大乗経典の般若経(群)は“空観”を敷衍して善業は仏になる途に通じると説く(カードポイントが「そんなことにまで使えるの!」に譬えている)。さらに、“一定の経文を、意味が分からなくても唱えれば効果(善業)がある”という画期的発想を打ち出した。現在の日本の般若心経ブームの源流。しかも、論拠として「(なんとなくでも)懐かしく感じるものがあるでしょう?それは、過去世にあなたが仏と会ったことがあるからなんです。『故知般若波羅蜜多 是大神咒 是無上咒 是無等等咒 能除一切苦 真実不虚…ギャ諦…』と唱えると、前世の記憶が呼び覚まされる…」と論駁不可能なところに行く。 転生修行を繰り返すボサツはブッダに会って「発心」し修行の第一歩を踏み出す。ブッダは「何億年に一人」とされていたのを、経文を唱え讃えることが仏に会ったことに匹敵するとした。 次に法華経は般若経から百〜百五十年後成立と推定される。 漢訳の段階で種種の経典が到来したのを、天台大師智顗は「五時八教」と体系化し、華厳→阿含→方等→般若→法華・涅槃の順で説かれたと「釈迦仏の本意は法華経で万人成仏の方途を示すこと」 偈(韻文、『妙法蓮華経』では漢字五字の連句で翻訳)の部分が先にできたと考察され、前半と後半で教説に違いがあるが、前半は“師弟関係の超世代”、後半は“永遠のブッダ”を説く。シャカムニの十大弟子である舎利弗などが、歴劫修行といって何万回も?生まれ変わり生まれ変わりして釈迦佛に出会いを繰り返し、今回ついに年限満ちて?成仏の記別(確定証明)をあたえられるという。それは仏が最終的仕上げの一撃!〈法華経〉を説くからだと。仏が法華経を説くのは生涯に一度だけで、心して聞くべきと。/後半ではなんと「仏の仏としての寿命は超遠大=半永久的で、生々世々に娑婆世界で法を説いて衆生を教化してきた」と述べる。それが法華経の核心で、 修行者は菩薩行のなかで『自分の命が永遠である』ことを自覚し、その教えである法華経を広めるよう励む。よう呼びかけている。 釈迦仏はもう転生しないのか、娑婆世界から他所に移るのか、前半では「塔を立てること」が推奨されたが、後半では経文が仏の全身であると自己言及が見られる。
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仏教の歴史の変遷をたどる本、と書くと面白みがわかりいくいけど、救いを求める人が、いかに物語を想像していったかをたどる本、と考えると面白い本かも。 元々厳しい戒律や修練の末にたどりつくとされた仏陀の唱えた「悟り」 それがどのような変遷をたどり現代まで変質していったかを、教授と学...
仏教の歴史の変遷をたどる本、と書くと面白みがわかりいくいけど、救いを求める人が、いかに物語を想像していったかをたどる本、と考えると面白い本かも。 元々厳しい戒律や修練の末にたどりつくとされた仏陀の唱えた「悟り」 それがどのような変遷をたどり現代まで変質していったかを、教授と学生の対話形式でたどっていく一冊です。 対話形式なので読みやすく、仏教の歴史の変遷も各時代を辿り、ちゃんと順を追って解説されていくので、内容も分かりやすかったと思います。 上に書いたとおり仏陀が始めた仏教というのは、一般の人が行うには厳しい部分も多いし、悟りという概念も難しい。その仏教がいかに民衆に根づいていったか。人々は仏教を独自の解釈を加えていきます。それによって教えは変質し、民衆に近いものになっていくのだけど、この解釈に人間の想像力の豊かさを見ました。 輪廻転生という概念くらいは知っていたけど、この本を読むと仏教の変遷の中に、転生やタイムリープ、さらにはパラレルワールドの概念のようなものまでも見て取れます。 自分は何度か「これ、もはやまどマギじゃん」とか「これ、もはや進撃の巨人じゃん」とか思ったりもしました(笑) こうしてみると、宗教はある意味SFやファンタジーの概念すらも含んでいるのかもしれないとも思えてくる。 そして、古来からそうした概念があるなら、現代の物語にもその設定や概念が使われて、名作が生まれているのも至極当然のようにも思えます。 救いを求め、今と違う世界や自分を求めた古代の人たち。回り回って、それと同じ概念が物語に取り込まれ、名作に昇華されていることを考えると、仏教がより身近に思えたし、人の本質というものも変わらないのだと思えたりもしました。
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