勝ちきる頭脳

井山裕太(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2017/02/01
• JAN: 9784344978997

商品レビュー

2024/08/04

井山裕太の『勝ち切る頭脳』は、囲碁界で史上初の七冠同時制覇を成し遂げた棋士が、その勝利の思考法を初めて明かす一冊です。9歳でプロを目指し、12歳でプロになり、26歳で七冠を達成した彼の背景にはどんな頭脳と思考があったのかが探れます。

井山氏の言葉には、自分自身の核を持つことの重要性が強く伝わってきます。「誰に何と言われようと『自分はこうなんだ』というものを持つこと。それを失ったら、もう自分じゃなくなってしまう」という言葉から、第一線で長く活躍するためには、迷ったときの道しるべとなる核が必要だと感じました。また、彼は「見た目で廃案にせず、駄目である裏付けを取るまで読む」と述べており、大多数の意見に流されず、自分でしっかり考える姿勢が強さの秘訣だと感じました。

本書には井山氏の哲学が詰まっており、特に印象的だった感想をいくつか紹介します。まず、井山氏が「打ちたい手を打つ」という言葉に強く共感し、中国や韓国が台頭する囲碁界においても、自分の信念を貫いて欲しいという思いが記されています。また、12歳でプロ入りした井山氏の自伝的な要素もあり、プロ棋士としての壁やタイトルを保持し続ける苦悩についても描かれています。さらに、AIに関する記述も興味深く、プロ棋士のAI観が垣間見えます。

「最善の手が常に正解ではなく、リスクとリターンを天秤にかける」という井山氏の考え方は、ビジネスや日常生活にも通じるものがあります。対局中の孤独と向き合いながら、自分一人で道を切り開いていく挑戦心は、超一流の人間ならではの深く刺激的な言葉です。

『勝ち切る頭脳』は、井山氏の人生哲学や思考法、リスクの取り方やスキルの獲得方法、挫折の克服方法など、一般向けにも参考になる内容が満載です。彼の言葉には重みがあり、現代囲碁界のトップに立ち続ける理由がよく分かります

2022/03/09

好きを極めるのは本当にすごいと思う。
定石を超えることを常に意識しながら試合をするということは、イノベーションを考える上では囲碁以外にも通ずるものがある

2019/08/16

心に響くフレーズ！！
①「僕に何かの才能があるとしたら、「好きであり続けること」ーこの一点に尽きるのではないでしょうか」