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福島ノラ牛物語 原発事故を生き残った牛たち
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 彩流社 |
発売年月日 | 2017/03/03 |
JAN | 9784779122958 |
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福島ノラ牛物語
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福島県民として読むのが辛い本でした。 解説にあるとおり、あの忌まわしい原発事故、前例なき人災事故の責任者は今も野放しのまま。政治家と官僚の判断の間違い、利権を優先した自民党とその取り巻き経済人の悪意がもたらした復興とは程遠い12年後の今の被災地。自民党と役人、マスコミ、原発関連企...
福島県民として読むのが辛い本でした。 解説にあるとおり、あの忌まわしい原発事故、前例なき人災事故の責任者は今も野放しのまま。政治家と官僚の判断の間違い、利権を優先した自民党とその取り巻き経済人の悪意がもたらした復興とは程遠い12年後の今の被災地。自民党と役人、マスコミ、原発関連企業に言いたいことは山ほどありますが、もうこの国には諦めしかありません。国民のほとんどの人にとっても既に忘却の彼方の過去の出来事でしょうし…
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罪深い原発事故によって、人間のみならず多くの動物が被害を受け、その命が失われたが、飼い主によって救われた猫や犬も多くいた。そして、そうしたニュースに接するたび、我々は少し安堵した。しかし、避難させることが難しい大型の家畜や、はじめから命を顧みられることのない動物たちについては、...
罪深い原発事故によって、人間のみならず多くの動物が被害を受け、その命が失われたが、飼い主によって救われた猫や犬も多くいた。そして、そうしたニュースに接するたび、我々は少し安堵した。しかし、避難させることが難しい大型の家畜や、はじめから命を顧みられることのない動物たちについては、美談のネタになりにくいため、あまり報道されることはなかった。本書はこうした動物たちの物語である。 物語は主人公の牡牛、チビ太が生まれるところから始まる。チビ太は、最終的には肉牛として殺されていく運命であったが、それを当然のこととして受け入れている。チビ太には心が通じる人間の友だち歩(あゆむ)がいるが、肉牛の定めに疑問を持つ歩を、チビ太の方が説得するほどであった。 ところが、こうした生の筋書きは、原発の爆発によって一変する。自分が食べられ、人間の役に立つことに意義を見出していたチビ太だったが、放射能に晒された汚染牛となり、最早食用になることはできない。また、世話をしてくれた牧場の人々は、「生きてくれ」の願いを込めて牛舎を開放し、遠くへ避難した。こうして野に放たれたチビ太は、ノラとして生きていくことを余儀なくされる。 今までは当たり前に用意されていた食べ物を、自分で見つけなくてはならないことに加え、日本政府が警戒区域内の家畜は安楽死させる旨の指示を出しているため、「白装束」の人間に見つかると「殺処分」されてしまう。こうした過酷な状況の中、他の牛、野生のイノシシ、カラス、カモシカ等と出会い、様々なことを学び、考え、生き抜いていくチビ太の様子を、本書は童話風に描いている。 著者は本書によって、生きる意味、原発、人間、動物、環境等の重いテーマについて、読者に考えさせたかったのだろうと思う。著者の真剣な思いは読んでいて十分に伝わってきた。しかし残念ながら、私にはこの本は合わなかった。テーマを絞り切れず、一つの物語としてまとめきれていない気がした。 また本書では、牛やイノシシやカラスがいろいろ話し合うのだが、動物が言葉を解するという前提で話を進める場合、それが不自然に響かないよう、使う語彙には注意が必要だと思う。例えば、動物たちが、防護服を来た人間を「白装束」という言葉で描写するのは、不自然ではないだろか。距離を表すのに、「3日歩く」という表現と「5メートル先」のように単位の表現が並立しているのは、おかしく感じられないだろうか。 著者は獣医である。医学も専門にしながら、優れた小説を書く作家がいるが、本書は、少なくとも私には、文章が素人っぽく感じられ、読みにくかった。 ただ、こうしたことは私の勝手な感じ方かもしれない。現に、アマゾンのレビューでは、本書は高く評価されている。いずれにしろ、獣医としての著者の誠実さは、間違いなく本物である。その意味で、十分に読む価値のある物語だと思う。
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