宮沢賢治コレクション(2) 注文の多い料理店 童話2・劇ほか

宮沢賢治(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2017/01/01
• JAN: 9784480706225

商品レビュー

2024/06/12

「注文の多い料理店　初版本序」「どんぐりと山猫」
「狼森と笊森、盗森」「注文の多い料理店」「烏の北斗七星」
「水仙月の四日」「山男の四月」「かしわばやしの夜」
「月夜のでんしんばしら」「鹿踊りのはじまり」

「雪渡り」「やまなし」「氷河鼠の毛皮」「シグナルとシグナレス」
「オツベルと象」「ざしき童子のはなし」「寓話　猫の事務所」
「朝に就ての童話的構図」

「花壇工作」「大礼服の例外的効果」「家長制度」「泉ある家」
「十六日」「竜と詩人」「疑獄元凶」「手紙　一～四」
その他劇作「飢餓陣営」「ポランの広場」
「植物医師」「種山ヶ原の夜」を収録。

まず、「注文の多い料理店」の初版序文が大変素晴らしい。
全部フレーズに登録したいくらい。
すべてが詩のような言葉。こぼれおちる金の粒のような言葉。
これが「すきとおったほんとうのたべもの」というものか。

「どんぐりと山猫」
最後の一文がとても好き。

「注文の多い料理店」
幻想的な雰囲気漂う宮沢賢治作品の中でも、その要素を残しつつ、
落語(オチのある話)をしているのがこちらの魅力ではないだろうか。
起承転結しっかりしてて、謎めく中にも妙なメリハリがある。

「シグナルとシグナレス」
電柱の恋愛を描いて、こんなに甘酸っぱくできるなんて。どういうことだ。

「花壇工作」～「疑獄元凶」
未発表作品。童話ではない作品が多め。生々しい男女のやり取りなど
こういった感じのものも書いたのか、という軽い驚き。
時代性もあって女性側がめそめそしている印象。
賢治さんの趣味なのか。
しかし、あの頃ってそんな男女関係ばっかりだったかもしれず。
そんなこんなで、童話っぽい「竜と詩人」が一番落ち着いて読ませる感じ。

「劇作四作」
すべて花巻農学校で上演されたとのこと。
とてもエキセントリックな劇やらされてるなあ！