写真集 世界の廃船と廃墟 nomad books

水野久美(著者), アフロ

• 販売会社／発売会社: 青幻舎
• 発売年月日: 2017/01/01
• JAN: 9784861525742

商品レビュー

2024/05/04

ジャケ買い

[ドコドコキノコ]

だいぶ廃墟カテゴリーは、確立された今日この頃ですが、船？　と思ってジャケ買いしてみました。どうしても　廃墟のような薄暗く　独特な雰囲気かと予想していましたが、全く違いました。どうしても海岸に座礁なので、大きなオブジェのように見えたりしました。海中のものは、フジツボついたり、海藻ついたり…なんて想像しましたが、確かに時間の経過と共に付いたりしたものも、ありましたが魚がいたりしてどちらかと言えば　海中に馴染んだ印象でした。最後に外気に触れたのはいつ…それぞれの場所やエピソードはとても、詳しかったです。個人的には富士川丸が、イチオシです。…もしもそれぞれが　心を持っていたならば　今の置かれた場所で　憂い　忘れないでと言っているのか？と思ったら堪らなく切なくなりました。

2022/04/02

かつて活躍した船。人が行きかった施設や場所。
廃されて打ち捨てられた、それらの現在を紹介する写真集。
1　世界の廃船 30　　2　日本の廃墟 5　　3　世界の廃墟 8
2～4ページにカラー写真と文、一部プチガイドの構成。
参考文献、写真提供一覧有り。
廃墟の本はいろいろあるけど、廃船は初めてです。
廃船の数々は、海岸、湾や浜、海の底、湖に。
その廃された船は、客船、貨物船、漁船、帆船、戦艦、軍用船、
密輸船、タグボート、武装商船など。日本海軍の船もある。
現在は解体されたものもあるけれど、
ほとんどは寂寥感漂う哀れな姿を晒しています。
それは廃墟も同様。かつて多くの人が蠢いた場所の荒れ果てた姿。
また、可愛いウサギに惑わされてはいけない島の軍事施設、
廃船が並ぶ水量が激減したアラル海、チッタゴン船舶解体場、
あるじを待っている雰囲気が残るスコット隊の小屋など、
複雑な思いが浮かぶ場所もあります。
しかし、廃船にせよ、廃墟にせよ、ツアーで行ける場所が
複数あることには、驚きました。

2021/04/24

表紙の廃船に惹かれた。これはアメリカオレゴン州フォートスティーブンス州立公園、コロンビア川の河口の太平洋に面した海岸にある。グーグルでも「レック・オブ・ザ・ピーター・アイデール」とポイントになっていて見ることができた。2017年の画像ではさらに解体が進んでいるようだ。それとも写真の向きが逆か。1890年にイギリスで造られ、4つのマストをもつ全長87ｍの帆船。1906年10月25日、メキシコのサリナ・クルスからオレゴン州ポートランドに向かう途中、嵐で座礁。2人の密航者を含む27人の乗組員は無事避難。

木造船が永い時間無くならず残っているのに驚く
・「ポイント・レイズ号」カリフォルニア州、サンフランシスコの北約50ｋｍ、この地は難破が多いとあるが、外洋に面してはいず、フィヨルドみたいな深い入り江のインヴァネスという町に面したトマレス湾にある。「Point Reyes Shipwrecks」でグーグルで出る。

・「ヘルム号」フォークランド諸島スタンリー港　1870年座礁　
座礁して140年も経っているので朽ち方がすごいが壊れず頑張っている。1849年にリバプールで造られた木造帆船。

海の難所「野生の海岸」
「ジャカランダ号」南アフリカ/東ケープ州ワイルドコースト　1971年座礁　鉄が赤く朽ちている　ギリシャ所有の大型船。「Jacaranda Shipwreck」でグーグルで出る。砂浜の岩石に目が。岩石的説明ができないが、四角い岩が砂浜に生えている。

なんだか複雑な写真は
「ヌアディブの船舶墓地」アフリカ・モーリタニア/ブラン岬のヌアディブ湾
大西洋に突きだすこの入江には300以上の廃船が投棄されているとある。載っている船もまだ赤さびになっていず、生生しく汚い。グーグルで「ブラン岬」で検索して湾をみると確かに海上に船がたくさん見えるが・・

「チッタゴン船舶解体場」バングラディシュ/チッタゴン
世界の大型廃船が行き着く過酷な解体作業の場。解体はすべて手作業。廃船にはアスベストなど有害物質も多く健康被害や海洋汚染も深刻になっている。

廃船が絶景と化した、しかも密輸船。
・「パナギオティス号」ギリシア/ザキントス島　1983座礁　トルコからタバコを密輸する際にギリシアの海軍に追われて海岸に乗り上げたもの。「パナギオティス号」でグーグルで出る。これは有名だ。入江の水が澄んで鏡のようでよく絶景写真にも出てくる。

海底のは軍艦などが多い。
鉄製の船は赤茶色になるとなにか一つの風景になる。

後半は廃墟。
「世界の廃墟」飛鳥新社2015刊と有名どころは同じ。
軍艦島の航空写真が全貌をつかめる。「世界の廃墟」にも航空写真があるが向きが逆なので両方みるとおもしろい。

19×13ｃｍとコンパクトな世界。

2017.1.27初版　図書館