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戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 文春新書1113
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戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 文春新書1113

渡辺惣樹(著者)

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戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 文春新書1113

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2017/01/01
JAN 9784166611133

戦争を始めるのは誰か

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商品レビュー

3.8

14件のお客様レビュー

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2025/11/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

花戦争なるものが実在することを本書で知った。WW1で調印されたベルサイユ条約により領土を喪失したドイツが、回復を求めてオーストリアに侵攻し、軍事力ではなく花で迎えられ、無血で併合を実現したことを指す。ナチス政権において急速に国力を回復させたドイツは恐慌にあえぐ世界の羨望の的で、オーストラリア国民もドイツの支配をむしろ望んでいたという。 FSSはいつの間にかコーラスが表舞台から去り、ものすごいフィルモア推しになっていた。当初予定になかったことは明らかで、設定が大幅に拡張された印象がある。同時に出現したのは詩女とかオートマチック・フラワーズとかいうものだ。花戦争という事象を知ってみれば、ダイ・グ統治下のフィルモアのナイーブな外交や、付随する設定変更のモデルとなったのではないかと思える。 さて、本書は歴史修正主義の立場に立つという。 歴史修正主義とは「従来の史観に異を唱える」というものであるらしい。字面から第一印象は「いいように歴史を解釈してやるぜ」と思えてしまい、意味を知る機会を逃したまま長く過ごしてしまったせいで、今でも混乱している。対義語は公式史観、別称あるいは蔑称は釈明史観である。 本書が主張するWW1の原因はイギリスのエスカレーションである。ヨーロッパの局地戦に終止するはずだった戦争にイギリスが介入し、ドイツの領土を戦勝国で分配する結果を得た。イギリスの取り分は海外領土だ。ドイツは海外領土を100%喪失している。結果からすると説得力がある。この結果を正当化するためにドイツを悪役にする必要があり、それがベルサイユ条約だという。 WW2の原因はイギリスがポーランド独立保障をしたことである。ベルサイユ条約の不正義を十分に認識していたチェンバレンは当初ドイツのポーランド外交に不干渉の立場だったが、フランクリン・デラノ・ルーズベルトの工作によって対立する気にさせられたという。これがなければWW2は発生せず、ドイツとソビエトの戦争に終止した可能性があると主張する。ドイツは外交によってポーランドと交渉を重ねており、ポーランドは実力もないのに強硬にそれを突っぱねていた。イギリスの保証を背景にそれは強まり、結果として軍事侵攻を招いた。この一連の流れを誘発したチェンバレンの不見識には当時のイギリスの有識者たちも驚いたという。チェンバレンが決断するに至った情報筋が非常に怪しい。 別の歴史修正主義の書籍によれば、WW2はチャーチルがエスカレーションを主導し、アメリカの参戦を促したとある。本書の主張と矛盾するものではないが、主従が逆転する印象がある。 いずれの主張においても、ソビエトが一人勝ちした印象を十分に説明するものではないのが気になるところ。 暗記力と解釈能力の欠如から、世界史の教科書から歴史を俯瞰することができなかった。学業から離れて改めて第二次次世界大戦とはなんぞと問い、長く答えを求め続けてきたが、なんとなく形は見えてきたような気がする。まだ足りないピースがあるような。 それはそれとして、本書は本書なりの因果関係を説明しているため、歴史の俯瞰はしやすい。

Posted by ブクログ

2025/10/02

歴史の真実に迫る内容で、とても迫力があった。まだまだ知らないことばかり。いや、もしかしたら忘れてしまったこと、聞いてはいたが知識が繋がらずにピンと来なくて流してしまったことなのかも知れない。本書を読むと、真実に触れることができ、その歴史の意味がわかるようなる気がする。 本書の白...

歴史の真実に迫る内容で、とても迫力があった。まだまだ知らないことばかり。いや、もしかしたら忘れてしまったこと、聞いてはいたが知識が繋がらずにピンと来なくて流してしまったことなのかも知れない。本書を読むと、真実に触れることができ、その歴史の意味がわかるようなる気がする。 本書の白眉は偏ったヒトラー観から脱し、アンタッチャブルであったフランクリンルーズベルト観を射抜き国際コミンテルンを再評価すること、それらの背景に戦時借款によるウォール街の思惑が作用したことを掘り起こした事にある。 ― イギリスにはヨーロッパ大陸に強国を作らせないことという国是があった。一九世紀初頭にナポレオンが台頭したフランスを叩いた外交がその典型であった。ビスマルクに指導されたプロシアが普仏戦争に勝利し、ドイツ帝国に変貌し更なる発展を見せると、世界各地でイギリスの利権と衝突した。イギリスの次なるターゲットはドイツとなった。要するに、イギリスの参戦はパクス・プリタニカを守るための戦いだった。 ― イギリスのアメリカに対する借款額は巨額であった。戦争が終わって一五年が経った一九三四年時点でも八億六六〇〇万ポンド(二〇〇六年の価値に直すと四〇〇億ポンド)も残っていた。3イギリス以外の国もアメリカからの借款は多かった。・・アメリカは巨額の融資をイギリスを中心とした連合国に与えていた。これが世界の金融センターがロンドンからニューヨークに移るきっかけであった。 ― 戦争の長期化の大きな原因はアメリカからの無尽蔵とも言える武器や火薬の供給が続いたからだった。ドイツはこの供給を止めようと躍起になった。貨物船への潜水艦攻撃を始めた。アメリカ船籍の船舶への攻撃はアメリカ世論を刺激したが致し方がなかった。アメリカは、貨物船だけでなく客船も使って武器を運んでいた。公にはそのことは隠されていたが、ドイツは警告を発し、そうした客船の利用を止めるように求め、また潜水艦攻撃も辞さずと伝えていた。客船の撃沈は一九一五年五月七日に起きた。ニューヨークからリバプールに向かっていた客船ルシタニア号(英国船籍)がアイルランド南方沖でドイツ潜水艦「U20」によって撃沈されたのである。・・英米政府はドイツの「蛮行」を非難した。しかし、後になってのことだが、ルシタニア号は客船でありながら、ドイツの主張通り英国向けの武器を積んでいたことがわかっている。 好戦的なチャーチルはこの悲劇を喜んだ。 ― 「敗北したロシアは、ウクライナ、ポーランドとバルト諸国とフィンランドの領土の割護を要求された。結局全部で一〇〇万平方キロメートルである。国の人口はわずか三分の一に減少した。経済的に見れば、損失はロシア帝国の耕作可能な土地の三ニパーセント、鉄道の二七パーセント、工業の五四パーセント、鉄山の八九パーセントが失われたことになる」これほど屈辱的な条件をロシアが飲まざるを得ないほどにドイツの攻勢が激しかったのである。生き残るための苦渋の決断だった。ドイツはこの条約で東部戦線の戦いを終結させた。東部戦線に展開していた軍を西部戦線に集中できることになった。 これらは第一次世界大戦の話だ。ロシアをボコボコにしたドイツは、結局、イギリスやアメリカの参戦、特にアメリカによる、英仏への資金と物資での援助により、叩きのめされる。この時のウォール街の巨額貸付が、アメリカを第一次世界大戦後の「最大債権国」へ導く。そして、その後、ウォール街は敗戦したドイツの賠償金への融資にまで乗り出し、ドイツが復活していく。この頃に政治活動を活発化させたのがアドルフ・ヒトラーであった。この経済回復でヒトラーは素晴らしい工業機械とお金を手に入れ、大規模な再軍備へ。ヒトラーを育てたのはアメリカである、とよく言われるがこれがその理由であった。 一方で第二次世界大戦勃発時も傍観を決め込んでいたアメリカだが、世論は孤立主義を、ウォール街の住人は国際関与を期待するという「股裂き状態」がアメリカに生まれていた。これに絡むコミンテルンの動き、ルーズベルトの動きも面白い。その流れをここに書いてしまうと楽しみがなくなるのでこの辺にしておくが、歴史の核心に迫る良書である。

Posted by ブクログ

2023/04/08

歴史を綴るのは過去を遡る行為である以上、知識の範囲(地球上全ての事実を知るのは無理)や思想、時代背景その他様々な要因に縛られて記載されているものとの前提で見る。いずれも一方的な見方をするのは危険だと考えて触れるべきだと思う。とは言え本書は最近の私自身の考え方に最も近く、私自身も否...

歴史を綴るのは過去を遡る行為である以上、知識の範囲(地球上全ての事実を知るのは無理)や思想、時代背景その他様々な要因に縛られて記載されているものとの前提で見る。いずれも一方的な見方をするのは危険だと考えて触れるべきだと思う。とは言え本書は最近の私自身の考え方に最も近く、私自身も否定する材料は探せない事から、見事に心を掴まれてしまう。 先の大戦(第二次世界大戦)は時間をかけてゆっくりと膨らませてきた風船、それは一つでは無く色も大きさも異なる多数の風船が膨張し過ぎてひしめき合い、ある日突然誰かが針で刺す様な行為で破裂した結果だとぼんやり考えてきた。 世界に破壊的な恐怖をもたらした大戦の要因とは何か。大きくは民主主義と全体主義、資本主義と共産主義のせめぎ合いと捉えるのがごく自然だし、少し狭めて見れば、ポーランドや英仏、米国にソ連、そして定説として語られてきた歴史上の大戦の当事者である独、日の個々の利益のぶつかり合いである事は言うまでもない。 本書で登場する主要な人物として、ヒトラー、チェンバレン、チャーチル、FDRを中心に各国の外相や外交官のやり取りを詳細に追っていく流れは、推理小説の様にスリリングで一気に頭の中はセピア色の「現場」に自身を置くことになる。まるで会話を傍で聞いてるかの様な感覚だ。 所々、読み手は地図上の国の形や国力をグラフでイメージしながら辿っていく事になるだろうが、ページをめくると良いタイミングで効果的に当時の地図が掲載されてくるので読みやすさもある。 全くあり得ない事だが、必然的に自分ならこうするだろうと、あたかも国の元首や外相外にでもなった様な考えが頭の中で生まれてくる。ああ、もう少しあと20年早くこんな気持ちになっていれば(本書に出逢っていれば?)、少しは政治の道を目指したかもしれないなと。 誰が戦争を起こすのか、タイトル通り最終的に風船に針を刺すのは前述の個人を始めとした政治家たちだ。第一次大戦からの国民の積年の恨みを一挙に晴らした代弁者、個人の利益や後世に残る名声にこだわってしまった人々。背後で暗躍する赤色で染めようとする思想家たち。それに見事に翻弄されていく人々。皆それぞれに抱えた背景を後世の歴史家が自身の歴史観で如何様にでも描ける。時代が彼等を生み出したのか、彼等が時代を利用したのかは分からないが、結局膨らむ風船を掴んで後世に名を残す程に高く昇って行った事は間違いない。途中で重し扱いでポロポロと落とされていく民衆には多くの悲劇と犠牲が強いられるのではあるが、風船を飛ばしたのも民衆だ。 そう考えると、成る可くして成る、起こる可くして起こる戦争の過程は今のウクライナ戦争を見ていても非常に合致する点が多い。 今まさに動いている現在をその様な歴史的、大局的、全網羅的に眺めるのは不可能ではあるが、少しでも広く高い視点で世界地図を眺めていないと、身に降りかかる火の粉は払い落とせないだろう。もちろん大半はその様な力を持てないが。 まずは本書を手に取り流れに身を任せる事で濁流をもがく状態から緩やかな清流を泳ぐ力を自分が持たなければと感じた。

Posted by ブクログ