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戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 文春新書1113
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2017/01/01 |
| JAN | 9784166611133 |
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戦争を始めるのは誰か
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商品レビュー
3.8
14件のお客様レビュー
なるべく感情を廃して、後世を知る色眼鏡を廃して、当時の人たちの視線で公平に伝えてくれた渡辺先生の意図を尊重し、私も、激しい喜びもなくかといって深い絶望もない、植物のような心で、穏やかに平凡に読ませてもらおうと思いました……が、無理でした。 限界だねぇ、押すねぇ……バイツァダス...
なるべく感情を廃して、後世を知る色眼鏡を廃して、当時の人たちの視線で公平に伝えてくれた渡辺先生の意図を尊重し、私も、激しい喜びもなくかといって深い絶望もない、植物のような心で、穏やかに平凡に読ませてもらおうと思いました……が、無理でした。 限界だねぇ、押すねぇ……バイツァダストッ! 釈明史観は、『裏の皇国史観』と揶揄されるように、日本や枢軸国が全て悪かった……裏を返せば、日本や枢軸国が世界を動かしていた、それほどに影響力があった、英仏米ソは、何も影響など出来なかったと認めるという、無理無茶無謀な暴論なのです。 その点、歴史修正主義は、事実のみを見て、端的に捉え、我々から見た味方の無力や過ちも認め、かつ、当時の人たちの懸命な努力も、敵となった人々への、戦う直前まで交渉を繰り返した、尊敬や愛情を認め、また、彼らも我々に尊敬と愛情を見せてくれていたことを伝えているのです。 正直、涙なしには読めませんでした……。 特に、ヒトラーに対しては、後世を知る私たちには多くの偏見があります。人種淘汰の残酷さは許してはなりませんが、そうなるまでの彼の、平和への惜しみない努力の数々は、正しく受け入れられ、知られていて欲しいと願うばかりです。 日本の名酒と、ドイツのヴェリタスブロイを呑みながら……今日の平和のありがたさに、感謝を。
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※このレビューにはネタバレを含みます
花戦争なるものが実在することを本書で知った。WW1で調印されたベルサイユ条約により領土を喪失したドイツが、回復を求めてオーストリアに侵攻し、軍事力ではなく花で迎えられ、無血で併合を実現したことを指す。ナチス政権において急速に国力を回復させたドイツは恐慌にあえぐ世界の羨望の的で、オーストラリア国民もドイツの支配をむしろ望んでいたという。 FSSはいつの間にかコーラスが表舞台から去り、ものすごいフィルモア推しになっていた。当初予定になかったことは明らかで、設定が大幅に拡張された印象がある。同時に出現したのは詩女とかオートマチック・フラワーズとかいうものだ。花戦争という事象を知ってみれば、ダイ・グ統治下のフィルモアのナイーブな外交や、付随する設定変更のモデルとなったのではないかと思える。 さて、本書は歴史修正主義の立場に立つという。 歴史修正主義とは「従来の史観に異を唱える」というものであるらしい。字面から第一印象は「いいように歴史を解釈してやるぜ」と思えてしまい、意味を知る機会を逃したまま長く過ごしてしまったせいで、今でも混乱している。対義語は公式史観、別称あるいは蔑称は釈明史観である。 本書が主張するWW1の原因はイギリスのエスカレーションである。ヨーロッパの局地戦に終止するはずだった戦争にイギリスが介入し、ドイツの領土を戦勝国で分配する結果を得た。イギリスの取り分は海外領土だ。ドイツは海外領土を100%喪失している。結果からすると説得力がある。この結果を正当化するためにドイツを悪役にする必要があり、それがベルサイユ条約だという。 WW2の原因はイギリスがポーランド独立保障をしたことである。ベルサイユ条約の不正義を十分に認識していたチェンバレンは当初ドイツのポーランド外交に不干渉の立場だったが、フランクリン・デラノ・ルーズベルトの工作によって対立する気にさせられたという。これがなければWW2は発生せず、ドイツとソビエトの戦争に終止した可能性があると主張する。ドイツは外交によってポーランドと交渉を重ねており、ポーランドは実力もないのに強硬にそれを突っぱねていた。イギリスの保証を背景にそれは強まり、結果として軍事侵攻を招いた。この一連の流れを誘発したチェンバレンの不見識には当時のイギリスの有識者たちも驚いたという。チェンバレンが決断するに至った情報筋が非常に怪しい。 別の歴史修正主義の書籍によれば、WW2はチャーチルがエスカレーションを主導し、アメリカの参戦を促したとある。本書の主張と矛盾するものではないが、主従が逆転する印象がある。 いずれの主張においても、ソビエトが一人勝ちした印象を十分に説明するものではないのが気になるところ。 暗記力と解釈能力の欠如から、世界史の教科書から歴史を俯瞰することができなかった。学業から離れて改めて第二次次世界大戦とはなんぞと問い、長く答えを求め続けてきたが、なんとなく形は見えてきたような気がする。まだ足りないピースがあるような。 それはそれとして、本書は本書なりの因果関係を説明しているため、歴史の俯瞰はしやすい。
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歴史を綴るのは過去を遡る行為である以上、知識の範囲(地球上全ての事実を知るのは無理)や思想、時代背景その他様々な要因に縛られて記載されているものとの前提で見る。いずれも一方的な見方をするのは危険だと考えて触れるべきだと思う。とは言え本書は最近の私自身の考え方に最も近く、私自身も否...
歴史を綴るのは過去を遡る行為である以上、知識の範囲(地球上全ての事実を知るのは無理)や思想、時代背景その他様々な要因に縛られて記載されているものとの前提で見る。いずれも一方的な見方をするのは危険だと考えて触れるべきだと思う。とは言え本書は最近の私自身の考え方に最も近く、私自身も否定する材料は探せない事から、見事に心を掴まれてしまう。 先の大戦(第二次世界大戦)は時間をかけてゆっくりと膨らませてきた風船、それは一つでは無く色も大きさも異なる多数の風船が膨張し過ぎてひしめき合い、ある日突然誰かが針で刺す様な行為で破裂した結果だとぼんやり考えてきた。 世界に破壊的な恐怖をもたらした大戦の要因とは何か。大きくは民主主義と全体主義、資本主義と共産主義のせめぎ合いと捉えるのがごく自然だし、少し狭めて見れば、ポーランドや英仏、米国にソ連、そして定説として語られてきた歴史上の大戦の当事者である独、日の個々の利益のぶつかり合いである事は言うまでもない。 本書で登場する主要な人物として、ヒトラー、チェンバレン、チャーチル、FDRを中心に各国の外相や外交官のやり取りを詳細に追っていく流れは、推理小説の様にスリリングで一気に頭の中はセピア色の「現場」に自身を置くことになる。まるで会話を傍で聞いてるかの様な感覚だ。 所々、読み手は地図上の国の形や国力をグラフでイメージしながら辿っていく事になるだろうが、ページをめくると良いタイミングで効果的に当時の地図が掲載されてくるので読みやすさもある。 全くあり得ない事だが、必然的に自分ならこうするだろうと、あたかも国の元首や外相外にでもなった様な考えが頭の中で生まれてくる。ああ、もう少しあと20年早くこんな気持ちになっていれば(本書に出逢っていれば?)、少しは政治の道を目指したかもしれないなと。 誰が戦争を起こすのか、タイトル通り最終的に風船に針を刺すのは前述の個人を始めとした政治家たちだ。第一次大戦からの国民の積年の恨みを一挙に晴らした代弁者、個人の利益や後世に残る名声にこだわってしまった人々。背後で暗躍する赤色で染めようとする思想家たち。それに見事に翻弄されていく人々。皆それぞれに抱えた背景を後世の歴史家が自身の歴史観で如何様にでも描ける。時代が彼等を生み出したのか、彼等が時代を利用したのかは分からないが、結局膨らむ風船を掴んで後世に名を残す程に高く昇って行った事は間違いない。途中で重し扱いでポロポロと落とされていく民衆には多くの悲劇と犠牲が強いられるのではあるが、風船を飛ばしたのも民衆だ。 そう考えると、成る可くして成る、起こる可くして起こる戦争の過程は今のウクライナ戦争を見ていても非常に合致する点が多い。 今まさに動いている現在をその様な歴史的、大局的、全網羅的に眺めるのは不可能ではあるが、少しでも広く高い視点で世界地図を眺めていないと、身に降りかかる火の粉は払い落とせないだろう。もちろん大半はその様な力を持てないが。 まずは本書を手に取り流れに身を任せる事で濁流をもがく状態から緩やかな清流を泳ぐ力を自分が持たなければと感じた。
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