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英語襲来と日本人 今なお続く苦悶と狂乱 中公文庫
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英語襲来と日本人 今なお続く苦悶と狂乱 中公文庫

斎藤兆史(著者)

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英語襲来と日本人 今なお続く苦悶と狂乱 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2017/01/01
JAN 9784122063556

英語襲来と日本人

¥385

商品レビュー

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2023/01/21

●=引用 ●福沢の努力を考えたら、これだけ英語学習教材が氾濫している現代(素人の書いた質の悪いものが多すぎるけれども)、どうやって英語を勉強したらいいかわからないなどというのは贅沢な悩みもいいところだ。学校で習った英語が役に立たないというのも耳にタコができるほど聞き飽きた愚痴だ...

●=引用 ●福沢の努力を考えたら、これだけ英語学習教材が氾濫している現代(素人の書いた質の悪いものが多すぎるけれども)、どうやって英語を勉強したらいいかわからないなどというのは贅沢な悩みもいいところだ。学校で習った英語が役に立たないというのも耳にタコができるほど聞き飽きた愚痴だが、それは習った英語を役立てる努力を怠った人の負け惜しみで、そういう人はどんな教育を受けても英語をものにすることはできない。逆に、語学の才能のある人、そしてやる気のある人は、どんな悪条件の下でも英語を身につける。 ●滝廉太郎の銅像の前で調子はずれの「荒城の月」を歌ったからといって、日本の音楽教育は何をしてきたんだという議論にはならないだろう。(中略)小学校時代からずっと音楽の授業を受けてきたのに、何で自分はこんなに音痴なんだ、といって音楽教育を責める人はいない。ところが、こと英語となると、多くの人が習得したいと思っていることの証でもあるのだろう、思ったほどの習得段階に達しないと、すぐに教育の仕方が悪いという話になる。 ●日本語と英語が構造的にまったく異なる言語である以上、並みの日本人が週に5,6時間程度の授業を10年間受け続けたって、不自由なく英語を使いこんせるようにはならない。(中略)「科学的」な教授法を導入すれば何とかなるのではないか、小学校からはじめれば何とかなるのではないかというのは、語学の何たるかを知らない人間の幻想に過ぎない。 ●しかしながら、国の教育政策の一環として小学校の授業科目に英語を導入するとなると、これはただ事ではない。それも、きちんとした訓練を受けた英語教師が授業を担当するならまだしも、ただ「英語教育に興味がある」だけの母語話者と英語教育の経験のない小学校の先生が授業を担当するなど、まったく愚の骨頂で、せっかく語学の才能があり、将来英語達人として日本を背負って立つ可能性のある子どもたちの語感までめちゃくちゃにしてしまいかねない。 ●そんなあやふやな状況のなかで、あたかも英語が世界語・国際語であるかのような幻想を作り出そうとする英米の学者の甘言に乗せられて、日本人の精神構造まで変えてしまうような英語教育をおこなうのは、自ら好んで言語・文化植民地になるようなものである。 ●日本語と英語(あるいは西洋語)との差異、両者の距離を考慮した優れた教授法・学習法は、すでに明治時代以前に編み出されている。素読、句読、訳読など、文法を重視した教授法・学習法が日本人にとっていかに効果的であるかは、通詞たちの外国語習得の早さを見ればよくわかる。もちろん、何度もくりかえしているとおり、彼らは語学の専門家集団であり、当時のエリートである。同じやり方で日本人全員の英語力がつくとはかぎらないが、語学の才能、そして努力の才能のある人間にはきわめて有効な教授法・学習法である。 

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2017/01/16

文明開化とともに押し寄せてきた「えげれす語」。国を挙げての右往左往が始まった。日本人は英語といかに付き合っていくべきかを考えた異色の文化論・教育論。

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