Q&A社会保険労務実務相談事例

田中実(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央経済社
• 発売年月日: 2017/01/01
• JAN: 9784502210211

商品レビュー

2020/06/14

企業経営者、経営コンサルタント、各種士業向けの社会保険労務実務に関するQ＆ A。社会保険に加入することによるメリット、税金との関連性、助成金の活用方法、報奨金制度を活用した求人策、社会保険未加入によるリスクなど興味深い内容が多かった。ただ誤字が異常に多く辟易する面があるのでなんとかして欲しいものだ。コンセプトは良いだけに残念な書籍だった。
P166
〈社会保険に加入する利点〉
･高年齢者になったとき(特別支給の老齢厚生年金/老齢基礎年金･老齢厚生年金)
･障害者になったとき(障害基礎年金·障害厚生年金·障害手当金)
･亡くなった時(遺族基礎年金·遺族厚生年金)
･病気、怪我、出産の際に必要な医療給付や手当金を受給できる。
(高額療養費/傷病手当金/出産手当金/出産一時金/埋葬料など)
･配偶者(奥さん等)が扶養の場合には第3号の制度により保険料を支払わなくても納付したことになり、将来年金が受給出来る。 (支払っている保険料に関係なく)
･未加入によるデメリットが消える(未加入 改ざん等)社会保険未加入による損害賠償請求の裁判例もネットにて検索すると表示されます。
若い方から良く聞くことで、「将来年金がもられないから加入しない」という話があります。社会保険はなにも将来の年金のためだけでなく、上記に記載したような年金以外のことで、従業員に有利な制度が多々有ります。その点をよく説明したうえで、再度加入を促してください。従業員の未加入状態を放置することは、会社にとって大変危険なことを理解ください。
工場での作業中の事例ですので、当初は労災申請を実施して労災保険が適用できないかを模索しました、しかし労災認定はされなかったため、その事を遺族に説明したところ、損害賠償請求をされておりました。
今回のケースでは会社側は社会保険加入をするため、元従業員Cさんに対して加入手続きの説得を何回もしておりましたが、加入手続きを強く拒否されていた経緯が有りますので、遺族の方に対して、詳細の事情説明を行いました。
また、会社からお見舞金としてある程度まとまった金額をお渡しすることでなんとかご理解を得ることができました。
しかし、損害賠償請求の取り下げをしてもらえなければ、会社としては数千万円の金額を金融機関から融資を受けてでも支払う事になる可能性が有りましたので、まさかの事態が発生しかねない事案でした。