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パウロ 十字架の使徒 岩波新書1635
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2016/12/01 |
JAN | 9784004316350 |
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パウロ
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キリスト教が、ユダヤ教の一派にとどまらず、世界宗教となりえたのはパウロの功績によるといわれるが、その理由がよく分かる一冊だった。行動力にしても思想の深みにしても卓越した布教者であった。 イエスもそうであるが、パウロもまた逆説的思想の名手であった。弱さのなかでこそ強く、呪われること...
キリスト教が、ユダヤ教の一派にとどまらず、世界宗教となりえたのはパウロの功績によるといわれるが、その理由がよく分かる一冊だった。行動力にしても思想の深みにしても卓越した布教者であった。 イエスもそうであるが、パウロもまた逆説的思想の名手であった。弱さのなかでこそ強く、呪われることで祝福され、何も持たないことですべてを手にする…信仰は理性で割り切れないからこそ、逆説が真理を衝く。 パウロらヘレニストと、戒律を重視するユダヤ的なヘブライストという、初期キリスト教内の対立というパウロ書簡の背景を知ることができてよかった。戒律の遵守や霊的熱狂による自己救済・自己肯定を戒め、弱さと惨めさの中で十字架の上で死んだイエスを直視し、弱さにおける救済を強調したパウロの思想はとても深みがあって魅力的である。また、親鸞の思想との通底するものがある。
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パウロの考え方を誤解していた。 「パウロが命を賭けて伝えようとしたのは、人間の自己絶対化を厳しく否定し、神の前に謙虚に自らを見つめ直して、人間の『弱さ』に深く思いを向けるように、というメッセージである。」 とのことです。
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「聖書学」とはこういうものなのか、というのが素朴な感想。聖書のなかのそれぞれのテキストを書いた人物の特定であるとか、それが書かれた状況であるとか、その人物がどのようにものごとを捉える人であるかとか。それらを踏まえた上で、使徒たちの間に見られる、イエスの死に関する、ユダヤ教的(ヘブ...
「聖書学」とはこういうものなのか、というのが素朴な感想。聖書のなかのそれぞれのテキストを書いた人物の特定であるとか、それが書かれた状況であるとか、その人物がどのようにものごとを捉える人であるかとか。それらを踏まえた上で、使徒たちの間に見られる、イエスの死に関する、ユダヤ教的(ヘブライ的)・「悔い改め」的・行為義認的(贖罪論的)な見方と、パウロに代表されるヘレニズム的・「弱さの自覚」的・信仰義認的な見方の対立が描かれ、その是非が論じられている。パウロの行動の軌跡を丹念にたどりながら論が展開されているので、パウロがどんな問題に取り組んでいたのかについて、具体的な像を伴って理解できたような気がする。
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