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失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 亜紀書房 |
発売年月日 | 2017/01/01 |
JAN | 9784750514444 |
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失われた宗教を生きる人々
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商品レビュー
3.7
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※このレビューにはネタバレを含みます
元外交官の著者が中東の宗教的少数派コミュニティをたずね、現代に生きる姿を書いた本。マンダ教徒から始まり、ヤズィード教徒、ゾロアスター教徒、ドゥルーズ派にサマリア人、コプト教徒にカラーシャ族と7つのコミュニティが扱われている。研究者が学術的に書き記したものではないため各々の教義や歴史がまとまっているという感じではないのだが、実際にコミュニティを訪ねて聞き取りや儀式に参加していて、そんな生の姿を読めるのはとても面白い。 特にサマリア人のコミュニティが未だにあるとは知らなかったので驚いた。しかも「善きサマリア人」のイメージを逆輸入して使っているなんて面白い話だ。 印象に残ったのは、彼らのホスピタリティの高さ。そして、危機的状況の中で必然的に宗教に自らのアイデンティティをまるごとかけざるをえない苦しさ。さらに、そのアイデンティティの相続に絶望しつつもあがいている必死さだ。 娘が違う宗教の男と結婚するなら殺す、なんていうのは平和な日本から見ればとんでもない話だが、少数派の生き残りの彼らにとっては本当にコミュニティの存亡がかかっている、あまりに現実的で切実な話なのである。迫害されていない多数派のムスリムやキリスト教徒であれば、結婚相手の少なさ・出会えなさに悩むこともなく、異教徒との結婚にコミュニティ全体の将来がかかっているという思いをすることもないのだろうが…。 長い宗教では紀元前から続く文化が守られてほしいと外野は気軽に思ってしまうが、当事者はテロや弾圧、経済的苦境などの中で血の代価を払いながら必死で生きているのである。面白い本だけれども、ますます悪化していくであろう彼らの状況を思うと暗澹たる気持ちになる一冊ではある。
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"私は、中東に恋をした。" この本のうまみを一言で表すには、プロローグで登場するこの言葉だけで充分であろう。 筆者はイギリスの元外交官。中東各国へ駐在する度に出会う、社会の隙間でかろうじて生きることを余儀なくされている宗教の信者たちを、外務省退職後に改めて追...
"私は、中東に恋をした。" この本のうまみを一言で表すには、プロローグで登場するこの言葉だけで充分であろう。 筆者はイギリスの元外交官。中東各国へ駐在する度に出会う、社会の隙間でかろうじて生きることを余儀なくされている宗教の信者たちを、外務省退職後に改めて追跡取材した本書。 その教義一つ一つが門外漢にとっては分かりづらいのと同様、そのそれぞれがたどってきた歴史も一筋縄とはいかず、読み進めるのには少し苦労した。宮本常一さんのような、今目の前にあるものをそのまま書き出すというスタイルではなく、インタビュー、文献研究、周囲の状況を織り込みつつ筆を進める筆者のスタイルも、それに拍車をかけているのかもしれない。 それでも、邦訳のタイトルにあるような「失われゆく」宗教を信仰する人々から、何かを学び取ろうとする筆者の姿勢は見習うべきものだ。またこの本の翻訳版を出版した亜紀書房は、専門家の解説、表記チェックなどをおこない、翻訳以上の付加価値を生んでいる。一読者として、とても感謝している。
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本書は、中東の宗教的少数派コミュニティを訪ねた著者が、現代に生きる彼らの姿をまとめあげたものである。 中東はイスラム一色だと思いがちだが、実は多様な宗教の宝庫である。中東はユダヤ教、キリスト教、イスラーム教の誕生の地であるだけでなく、他の数々のマイナーな宗教の生まれた場所でもあ...
本書は、中東の宗教的少数派コミュニティを訪ねた著者が、現代に生きる彼らの姿をまとめあげたものである。 中東はイスラム一色だと思いがちだが、実は多様な宗教の宝庫である。中東はユダヤ教、キリスト教、イスラーム教の誕生の地であるだけでなく、他の数々のマイナーな宗教の生まれた場所でもある。 古代からほとんどその姿を変えずに伝統を守ってきた宗教もある。中東の宗教が現代の西洋に与えた影響もある、善行により天国に入るという考え方はもとはゾロアスター教のものだし、握手の習慣はミトラ教からローマに伝わったものだ。 そんな少数派宗教が危機を迎えている。ムスリムとの対立や内戦によって激しい迫害を受け、信者は国外へ脱出していった。 身の安全のためには仕方ないことではあるが、一方で彼らの国外への脱出を促すものであり、すなわち本国でのコミュニティ消滅を加速するものである。
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