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歴史と戦略 中公文庫
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歴史と戦略 中公文庫

永井陽之助(著者)

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歴史と戦略 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2016/12/01
JAN 9784122063389

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商品レビュー

4.3

7件のお客様レビュー

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2025/02/14

現代社会はVUCA、すなわち不確実性の連続である。ビジネスでも私生活であっても、今この瞬間の事実こそ確実であれ、一年後、半年後、明日そして1秒後の事でさえ予期せぬ事態が訪れる可能性に日々怯えながら過ごしている。先日埼玉県で道路が陥没し、走行中の貨物車両が落下するという痛ましい事故...

現代社会はVUCA、すなわち不確実性の連続である。ビジネスでも私生活であっても、今この瞬間の事実こそ確実であれ、一年後、半年後、明日そして1秒後の事でさえ予期せぬ事態が訪れる可能性に日々怯えながら過ごしている。先日埼玉県で道路が陥没し、走行中の貨物車両が落下するという痛ましい事故が起こった。このレビューを書いている2週間ばかり経過した今もなお、運転手の発見には至らず、ご家族や関係者の方々の不安や悲しみは想像を絶する。何事もなく平和に過ごした日常が壊れるのは一瞬だ。一寸先は闇、こんな言葉が頭を過るが、正に何を信じて何を指針に前に進めば良いのか、判らなくなることばかりだ。私はITに携わる仕事だから、進化のスピードも変化の振り幅の大きさには多少の慣れがあるかもしれないが、それでも3年の計画を策定し、それ通りに進める事には、あまり力を割いても仕方ないと思っている。ITに関して言えば、AI分野で中国からDeepSeekが登場して、一気にその他の技術に良かれ悪かれインパクトを齎す様に、市場の明日は読み切れない。 こんな時に如何に未来を描いて追随するかを考える事もそれなりの価値があるが、寧ろ変化を自分で起こす事を考えた方が(勿論斬新なアイデアや技術化には相応の金と時間と何より超人的な発想力が必要なのだが)、気が楽だと思っている。自分以外に振り回される人生と、自分自身が牽引•作り出す人生。誰がどう見ても、自分の人生は自分が決めている方が健全なのは間違いない。そんな時に自分の考え方のベースが確立していないと、容易に元の振り回される人生に戻りかねない。だからこそ、ビジネスは勿論、自分自身、人生に於いても戦略は不可欠だ。 本書最後にビジネスマンが戦略本をよく読むという記載があったが、私もその1人なのかもしれない。だが「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とビスマルクが言った様に、私は歴史を読むことのほうが多いし、好きである。今年は先の大戦終戦から80年という事もあり、本屋にも太平洋戦争や日露戦争など、過去に日本が経験してきた戦争に関する考察や分析本も多く見かける。同時に古くからある戦争関連の名著なども、目に触れる機会が増えた。戦略に関していうなら、クラウゼビッツの「戦争論」も数十年前の学生時代から何度となく読み返してきたが、何年かに一度、クラウゼビッツブームが来るから、読んだ方も多いであろう。本書は2016年出版された様ではあるが、それ以前の連載をベースに書かれているとの事で、若干時代背景の理解も必要になるが、非常にわかりやすく戦略、そして戦略に含まれる罠について描かれている。また中公文書の書籍としては、これまた私の人生に大きなインパクトを与え続ける「失敗の本質」や「組織の不条理」と並び、本書は名作であると感じる。一部そうした書籍の批判なども含まれるので、前述の作品を読んだり、バイブルにしている人にとっても、ぜひ一読をお勧めする。 何より描いた戦略が絵に描いた餅になる事など日常茶飯事だ。気が付いて、3年前に書いた中期戦略などを読み返すと、頭の中ではてなマークが手を繋いでダンスを踊っている様な状態。若しくは音楽のリズムに合わずに、テンポ遅れで足取りが覚束ない様な映像が思い浮かぶ。どこでズレてしまったのか、どこでキーを間違えたのか、それすらも判らないくらい、会場の雰囲気も、演奏する楽団もひっきりなしに変わっている状態を思い描いてしまう。原因を探るなら、そもそも変化が起こりやすい時代であることは言うまでもないが、指揮者や楽団、踊り手に予期せぬ摩擦が起こっている事が見えてくる。隣同士ぶつかり合い、一瞬の演奏のずれ、頭に浮かんだ別の意識などが邪魔して思った様に流れない瞬間が何処かにあった。ビジネスの世界でも、本書が扱う過去の戦争の事例に於いても、そうしたズレ=摩擦がその後の流れに与えた影響は殊の外大きい事が理解できる。またそれを、経験せずに生きた後世の人々が、偉そうに分析する、後知恵的なものを批判する。筆者である永井陽之助氏はその当時の状況と時代背景、他者との比較などあらゆる面から統合的な考察から得られた答えを描いている(その過程で失敗の本質への批判もあるが)。 クラウゼビッツの主張における重要な観点である「摩擦」を中心に、それを生み出す人間自体にフォーカスした内容は頷ける以上に、私の脳裏に深く刻み込まれた。また一つ私の中の名著の本棚に、新しい一冊が加わった。

Posted by ブクログ

2020/11/01

第4章戦争と革命 ドイツは対内的には全体主義的ではなく自国民については甘やかしすぎであったとの見方。ソビエトこそが対内的に全体主義を徹底させた。一方でスターリンの対外政策は全体主義と言うよりもリアルポリティクスであるとの評価。 国民国家の成立以後、戦争は総力戦化。ナポレオンのよう...

第4章戦争と革命 ドイツは対内的には全体主義的ではなく自国民については甘やかしすぎであったとの見方。ソビエトこそが対内的に全体主義を徹底させた。一方でスターリンの対外政策は全体主義と言うよりもリアルポリティクスであるとの評価。 国民国家の成立以後、戦争は総力戦化。ナポレオンのような天才は再現性がないのでプロイセンは参謀本部をー発明ーする。フランスやオーストリアに勝利。クラウゼヴィッツの戦争論がそのテキスト。 レーニンは革命の正当化のため国内の敵を作り出し、対外戦争のための参謀本部の機能を対内抑圧革命のためのボルシェビキに負わせ、国内で革命の敵を徹底的に殲滅する。スターリンが権力を持つとレーニンがまだしも持っていた社会民主主義な要素は消え去り、その暴力が徹底される。

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2020/08/08

このところの新型コロナウイルスに関する政府の失策に対するヒントがあるのではないかと思って読んでみました。 ちょっとその事前の予想・期待とは違いましたが、8月と言う時期にぴったりな、太平洋戦争にまつわる日本の選択と失敗が描かれていて、非常に勉強になった。 太平洋戦争は、異なる文...

このところの新型コロナウイルスに関する政府の失策に対するヒントがあるのではないかと思って読んでみました。 ちょっとその事前の予想・期待とは違いましたが、8月と言う時期にぴったりな、太平洋戦争にまつわる日本の選択と失敗が描かれていて、非常に勉強になった。 太平洋戦争は、異なる文化間の戦いであることもこの書で描かれている。一方の行動の意図が、文化の異なる相手方に正しく伝わらないというのは悲劇。それは、今の時代もあって、国家間のチキンレースの様相を呈する事もある。 歴史を正しく学べば悲劇は避けられるのではないかと思うが、国家間の対立が起きているときは、その当事者は冷静さを失ってしまって、そんな事は無いんだろうな。

Posted by ブクログ