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汝、ふたつの故国に殉ず 台湾で「英雄」となったある日本人の物語
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汝、ふたつの故国に殉ず 台湾で「英雄」となったある日本人の物語

門田隆将(著者)

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汝、ふたつの故国に殉ず 台湾で「英雄」となったある日本人の物語

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2016/12/01
JAN 9784041035382

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商品レビュー

4.3

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2020/12/15

中国や韓国など日本周辺の国では反日的な世論が大勢を占めるケースが多い中、台湾は極めて親日的な世論が形成されている国です。その台湾の民主化、人権の確立などに生涯を捧げた日本人がいました。本書の主人公、湯徳章(坂井徳章)氏です。太平洋戦争直前のころ、日本人の父、台湾人の母というルーツ...

中国や韓国など日本周辺の国では反日的な世論が大勢を占めるケースが多い中、台湾は極めて親日的な世論が形成されている国です。その台湾の民主化、人権の確立などに生涯を捧げた日本人がいました。本書の主人公、湯徳章(坂井徳章)氏です。太平洋戦争直前のころ、日本人の父、台湾人の母というルーツを持ち、台湾では警察官として治安維持に携わっていましたが、台湾の近代化には日本で勉強することが必要と考えて来日、日本語の勉強も並行して進めながら当時最難関とされた高文司法科試験(弁護士資格のようなもの)、高文行政科試験(国家公務員試験のようなもの)に合格します。 太平洋戦争前、台湾が日本によって統治されていた期間は日本からの熱心な教育者の派遣や秩序を保った統治によって台湾の社会は近代化を遂げていました。その当時、台湾の近代化に協力的であったことが今の日本への親日的な世論の基礎となっているようです。 徳章氏が台湾で弁護士として人権の確立などに奔走していた時、太平洋戦争が始まり、日本が敗戦にいたって徳章氏の人生にも大きな転機が訪れます。日本の敗戦によって台湾の統治が中国国民党に委ねられることになったのです。 中国国民党は露骨に外省籍(中国本土の人)と本省籍(台湾の人)との差別をしたり、台湾人にとって不公平な統治を実施しました。民衆のその不満が爆発したのが二二八事件です。台湾における天安門事件に相当する民衆暴動で、これを中国国民党は中国軍を投入して鎮圧しました。この二二八事件の際、民衆と中国軍との正面衝突を避けるべく、民衆の説得にあたったのが徳章氏です。このような功績を残した徳章氏を、中国国民党は事件終息後に見せしめともとれる公開処刑によって殺害してしまいました。台湾では徳章氏の功績をたたえるために、処刑が行われた公園の名前に徳章氏の名前が冠されています。このような日本人が存在したことを、本書を読むまでは私は全く知りませんでした。 香港での昨今の中国の強硬な施策をみるにつけ、本書で触れられた台湾のケースがオーバーラップしてきます。

Posted by ブクログ

2018/12/10

今日から台湾出張ということもあり手に取ってみました。出張中に読み終わればと思っていましたが、引き込まれてしまい、家を出て台中のホテル到着前に読み終えました。 久しぶりに感動しました。台湾に関係する人には絶対によんでほしい本です。

Posted by ブクログ

2017/08/14

門田隆将の最新作ということで読んだ。 ニニ八事件の概要は知っていたが、主人公(父親が日本人で母親が台湾人)のような人間が、形だけ裁判をとったとは言え、虐殺に近い形で殺害されたという事実は知らなかった。 フィクション(主人公がどう思った)とノンフィクションの境がなく、筆者の推測を事...

門田隆将の最新作ということで読んだ。 ニニ八事件の概要は知っていたが、主人公(父親が日本人で母親が台湾人)のような人間が、形だけ裁判をとったとは言え、虐殺に近い形で殺害されたという事実は知らなかった。 フィクション(主人公がどう思った)とノンフィクションの境がなく、筆者の推測を事実であるかの様に書いているのはマイナス点として認識すべきなのだが、それを差し引いても、筆者の主人公への愛情・情熱を感じ入る。力作である。 同時に、主人公のような有為の人間を罪もないのに為政者側の都合だけで殺害してしまったのは、国民党政権にとり明らかに失敗だったと言える。唐代、則天武后の専横に対する反乱軍の檄文(「一抔之土未乾、六尺之孤安在」(一抔(いっぽう)の土 未だ乾かず 六尺(りくせき)の孤 安(いづ)くにか在る」(先帝の陵墓の土が未だ乾ききらず、先帝の二歳半にしかならぬ遺児は一体何処へ行ってしまったのか」)を読んで思わず感嘆してしまった則天武后が、「このような才能ある者を用いないのは宰相の過ちである」と言ったというではないか。 二二八事件を描いたという映画「非情城市」も観ねば!!

Posted by ブクログ

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