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祭礼で読み解く歴史と社会 春日若宮おん祭の九〇〇年
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 山川出版社 |
発売年月日 | 2016/11/01 |
JAN | 9784634590861 |
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祭礼で読み解く歴史と社会
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東京国立博物館 平成館 1月17日(火) 〜 3月12日(日) 特別展「春日大社 千年の至宝」講演会へ〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」 ⇒ https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/b9ddeb307c6f3c...
東京国立博物館 平成館 1月17日(火) 〜 3月12日(日) 特別展「春日大社 千年の至宝」講演会へ〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」 ⇒ https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/b9ddeb307c6f3ce553f45b56382677e9 特別展「春日大社 千年の至宝」を見る 〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」 ⇒ https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/841dc61c51f195c6b4fa8c345239abb5 春日大社について 下調べ。 本書は、これまでに読んだ「春日大社」の本とはだいぶ趣が違います。 タイトル通り「春日若宮おん祭り」についての かなり詳細な検討が書かれています。 まずはどういういきさつで始まったのか、文献から詳しく検証していくところから始まり、当時の政治・権力について。 面白いのだけれど、ちょっとマニアックかも、と 初めのほうを読んだだけで中止。 「春日若宮おん祭り」について、もっと思い入れがある人なら面白く読めるでしょう。 2017/02/04 予約 2/5 借りて読み始める。少し読んで中止。 祭礼で読み解く歴史と社会: 春日若宮おん祭りの900年 内容と目次・著者は 内容 : 春日大社や興福寺がにぎわう、奈良最大の祭礼「おん祭」。 約900年にわたって続いてきた「おん祭」を通して、奈良の歴史や社会の変遷、寺社の役割、伝統芸能などを明らかにする。 図版も豊富に収録。 目次 : 第1章 おん祭の成立 第2章 流鏑馬と武士 第3章 田楽と僧侶 第4章 中世から近世へ 第5章 『春日大宮若宮御祭礼図』を読む 第6章 近代の祭り 終章 現代のおん祭 著者 : 幡鎌 一弘 1961年大阪府生まれ。天理大学おやさと研究所教授。著書に「寺社史料と近世社会」など。 安田 次郎 1950年奈良県生まれ。お茶の水女子大学名誉教授。放送大学客員教授。著書に「中世の奈良」など。
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・世界遺産にも登録されてゐる春日若宮御祭、私はまだ行つたことがない。12月半ばのいささか動きにくい時期だし、同時に三南信の花祭や霜月祭が終はる頃でもあるために、更に動きにくくもなる。芸能史で非常に重要だといふのは承知してゐるから、それなりに気をつけてはゐる(つもりな)のだが、実際問題、では何を知つてゐるのかと言はれれば、本当に何も知らないのである。幡鎌一弘・安田次郎「祭礼で読み解く歴史と社会 春日若宮おん祭の九〇〇年」(山川書店)は、そんな私が読むに適当であるか否かはともかく、書名通りに、このおまつりをめぐる歴史の諸相を教へてくれる書であることはまちがひない。 ・試みに御祭の公式ホームページを見る。その始まりについてかうある。「長承年間には長年にわたる大雨洪水により飢饉が相次ぎ、天下に疫病が蔓延したので、時の関白藤原忠通公が万民救済の為若宮の御霊威にすがり、保延元年(1135年)旧暦二月二十七日、現在地に大宮(本社)と同じ規模の壮麗な神殿を造営しました。若宮の御神助を願い、翌年(1136年)旧暦九月十七日、春日野に御神霊をお迎えして丁重なる祭礼を奉仕したのが、おん祭の始まりです。」どこを見ても、たぶん、かう書いてある。ところが、本書の第一章は「藤原忠通の創始か」である。結論だけ書けば否である。「おん祭は、興福寺の別当と大衆が相談のうえ、『今度の大訴』が勝訴することを願って、あるいは勝訴したお礼、奉賽(神へのお礼)として始められた」(10頁)。つまり、公式ホームページ の忠通創始説は正しくないといふのである。「おん祭は、興福寺の僧たち、もっと簡単にいえば興福寺が始めたのである。」(7頁)その「大訴」とは、要する に興福寺の権益を守ることであつた。国司による支配が復活して権益が侵されないやうに興福寺が朝廷に訴へた、それが「大訴」であつた。それがうまくいくやうに、あるいはうまくいつたお礼に始めたのが御祭だといふのである。公式見解とは全く異なる創始事情である。寺の権益を守るとはいかにも下世話であるが、 しかし、たとへ大寺でも金がなくては何もできない。経済的な裏付けがあつてこその大寺である。だから、あんな大きなまつりを始めることもできたのである。 本書は「歴史と社会」と題されてゐる。そこで、このまつりの経済的な基盤の説明にかなりを割くことになる。実際、これによつてまつりが変はる。中世から近世へ、江戸から明治へ、それぞれの移行期、まつりの存立基盤が大きく変はつた。その社会体制にまつりがどう対応し、その中でまつりがどう生き残つていくか、大問題である。これもまた要するに金であつた。戦後、政治と宗教の関係が断たれた時もまた同様であつた。かういふのは、古くからあるまつりがすべて通つてきた道であらう。ただ、春日若宮御祭は大きい。費用も莫大である。それゆゑに、費用の調達に関はつた関係者の苦労は並大抵ではなかつたであらうと想像される。これをどうしてきたかを知るだけでも、本書を読む価値はある。逆に、御祭の芸能的側面は本書では物足りないであらう。あくまでも「歴史と社会」な のである。確かに第五章「『春日大宮若宮御祭礼図』を読む」や鏑流馬、田楽に関する章もある。しかし、それらはあくまで「歴史と社会」の中で理解されてゐる。まつりの芸能の現状を必ずしも反映しない。現状を知りたければガイドブック等が必要である。何ならそれを片手に読むのも一興であらう。特に、私のやうに御祭を知らない人間はそれにふさはしいのかもしれない。ある意味、日本史教科書大手の出しさうな書であると思つた次第。だからおもしろい!
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