新・所得倍増論 潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋

デービッド・アトキンソン【著】

• 販売会社／発売会社: 東洋経済新報社
• 発売年月日: 2016/12/22
• JAN: 9784492396353

商品レビュー

2024/08/23

筆者の言うことを鵜呑みにする気はないが、自分も含め、日本人は甘いんだろうな。それが良さでもあるとは思うけど。

昔のように国を支配するのではなく、今のEUのようなカタチでアジアに経済圏をつくることが目指すべき姿なのかもしれない。

2023/11/12

日本は世界第三位の経済大国ではなく、その根拠にあるのは高人口に起因したGDP高。その為、一人当たりの生産性という意味では先進国最下位。中でも農業、サービス分野での非効率、女性の賃金の欧米との相対的低さが顕著である。日本には生産性を伸ばすポテンシャルがあるというのが主な主張。内容は極めて薄く、得るものは無かった。

2023/09/23

日本の経済の低迷、さらにそこからの脱却について論じた本。世界第3位のGDPはじめ日本が世界でも上位にいるというのは幻想で、人口一人当たりで評価するとかなり低い位置にいる。よって旧弊を改め、人口一人当たりの生産性を上位国並みに改善すれば、所得倍増も夢ではないとのこと。

どういう改善策が語られるのだろうと期待して読んだが、あれもこれも人口増時代の幻想。と切り捨てるのに全体の9割を費やし、さて対策はというと"上位国並みを目指そう"だけで肩透かしを食らった感じ。日本の人口増時代から残る悪弊として列挙された項目を、いまだに美風と思っている人には驚きの一冊かもしれないが、それらにすでに辟易しているバブル後を生きる世代からすれば、じゃあどうすればいいの？参考になる他国の例とかないの？と聞きたいのだが。まあ、改善すべきと気付いたのなら、一人からでも頑張りなさいよ。というだけなのか。。。

それに江戸時代ぐらいに形成されたような、日本人の感性まで人口増の産物というのは不勉強で、せいぜい人口増時代にマッチした。という程度では。"日本式資本主義"への批判も、それを言い訳に使う層にはモノ申すべきだが、本質は近年もてはやされているような金儲けだけではない会社経営で、正しく実践すればいいだけだと思うのだが。諸条件を無視して単に人口割で論じるのも、ラフなスクリーニングにはいいが、そこから先の具体論に落とすところまでいかないと、批判のための批判にしかならないと思う。