小説家の躾け方 シャルルC

浅井西(著者)

• 販売会社／発売会社: 三交社
• 発売年月日: 2016/12/23
• JAN: 9784879197689

商品レビュー

2019/06/05

▼あらすじ
リアルな官能描写が人気の小説家・黒木(くろき)。
彼を担当する新人編集者・中原(なかはら)の仕事は、
小説と同じ性体験をし、その感想を黒木に伝えることだった。
ローターを入れたまま電車に乗ったり、拘束され、尿道に器具を使われたり…
黒木の小説のためならと、どんな過激な要望にも応える中原。
一方の黒木にはある思惑があって――。

ミステリアスな人気小説家×無垢な編集者
アンソロジーで話題を読んだ浅井西の「小説家シリーズ」がついに単行本化!

＊＊＊

ストーリーの完全度：★★★☆☆
シリアス度：★★★★☆
せつなさ度：★★★☆☆
エロ度：★★★☆☆
萌え度：★★★☆☆
総合評価：★3.5

積み本崩し。丸々一冊表題作かと思っていたのですが、全部で4CPのお話が収録されていました。
絵が綺麗だったのと、表題作が面白そうだったので続編(小説家の溺れ方)が出たタイミングで2冊まとめて購入しましたが、いざ読んでみると肝心な表題作の方は残念ながらあまり面白いと思えず、がっくり来てしまいました(^-^;)

元々アンソロジーで掲載されていた作品のようですので仕方ないのかもしれないですが、一つ一つのお話が独立してしまっており、読んでいてまとまりが感じられないんですよね。
二人の関係も細かい過程をすっ飛ばして既に出来上がっている所からのスタートなので、読んでいても面白みが感じられず、さらっと読んでしまいました。
後付けでも何でも二人の出会いや中原が黒木の申し出を承諾するまでの流れなどをしっかり描いていただけたらまだ良かったのですが、そういった描写も殆どない為、結果としてストーリーが薄っぺらくなってしまっている印象でした。

あと、黒木(攻)が何を考えているのか最後までよく分からず、ただただ恐ろしさしか感じないキャラで残念でした。(^-^;)
続編はどうなのか分かりませんが、この巻だけ見れば表題作はあまりにも説明不足でストーリーの満足度は低めです。
正直、このストーリーでは黒木が中原に執着する理由も、中原が黒木の過激な要望に応え続ける理由も納得出来ませんし、感想も「微妙」の一言で片付けられてしまいます。少なくとも、私はそうでした。

反対に、表題作の後に収録されている３つの短編の方が個人的には読んでて面白さを感じましたね。
大学生×ショタの話は年齢差もさることながら導入部分にインパクトがあって面白かったですし、執事×坊ちゃんの話はオチが意外で面白かった。生徒×教師は後味も含め切ないテイストのお話で、ショタ以外は全体的にやや暗めの雰囲気のお話なんですが、ストーリー自体は短いながらも上手くまとまっている印象で、表題作よりも読み応えがあり楽しく読めました。
因みに一番好きなのはショタ受けの話かな。カバー裏で身長差が逆転してるの何気にグッと来たし、成長後の顔が見えないのも却って想像力が掻き立てられて良かったです。

とまぁ、そんな感じで表題作は私には合わなかったけど、その分他の短編がなかなか面白かったので評価は少しオマケして★3.5にしました。
続けて続編を読んでみたいと思いますが、果たして1巻の説明不足な点は補完されるのか。ある意味、これからどう話が繋がっていくのか読むのが楽しみですね。

2017/02/04

表題の小説家とその担当編集者さんのおはなしが一番ぞくぞくしました！憧れの小説家の黒木先生の担当をすることができた新人編集者の中原くん。先生の執筆のためならなんでもします！と申し出て体を張って要望に応えていくが、先生の追い詰め方がねじ曲がっていて、次第に落ちていく中原...。羞恥と快感、堕落の果てをもっと見たかったです！表題他三作。全体的にシリアス目な一冊です。