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金融機関のROE戦略 バーゼル規制を踏まえた経営情報マネジメント
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央経済社 |
発売年月日 | 2016/11/01 |
JAN | 9784502204517 |
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金融機関のROE戦略
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商品レビュー
4
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
バーゼルIII以降の諸規制を踏まえた収益管理を提唱するのが本作です。 財務会計上のROEも横にらみしつつ、RwAを分母としたROE(税引き後利益/RwA)をも確認、さらにはLCRやNSFRはじめRAFなども包括的に目くばせ。最後はKPIを越えてBSC(バンクスコアカード)まで見ようという野心的な展開となります。 ・・・ 個人的には、良く分からんバーゼルIIIを再度確認するには良いかなと思いました。 とりわけ、管理会計・収益管理をしている人間として、最近聞くようになったRAF(リスクアペタイトフレームワーク)とかRwA(Risk-Weighted Asset)など、確認しておいた方がよいけどついつい後回しになっていたことを勉強出来てよかったです。頭の中がすっきりしました。 同様にLCRやNSFRなど、うちでは市営部門やリスク管理部門が管理している内容も、収益管理としてレシオの増減とROEの増減を絡めて考えている箇所は良かったと思います。 あ、あと、ROEやRoRwAをデュポンシステムを使って分数式に分解し、収益性の分析をするのも参考になりました。 ・・・ ただ、こうしたものを最後KPIやバランススコアカードに落とし込む。加えてデーターマネジメントまで踏み込んでBIまでばっちり決めるってのはちょっと風呂敷広げ過ぎかなって思いました。 いや、アイディアはいいんです。出来たらすごいいいと思います。 が、東京の本部の子なんて(というか役員もそうですが)、3-4年もするともう転勤や異動でいませんからね。筋の通った骨太なバランススコアカードとか、できませんよね。総論を東京で作成し、それに沿った地域バージョンを地域本部が作るぐらいが関の山。 するとどうなるか。 地域統括はまあ上を向いて歩いていますから、よほどのことが無い限り「平仄を合わせて」云々で、地域独自色は出しません。このあたりで数字だけが独り歩きし始め、場末の拠点の特殊性なぞは鑑みられなくなり、一律ドカンの予算・KPIが示達され、モチベーションダダ下がりとなります(我が拠点の現状)。 ・・・ また、システムのことも一定の理解のある方ってそもそも多くなさそうです。 重複を避けて、データの定義とかしっかりしたシステム群に少しづつでもなればいいですよね。そしたらEUC環境もキレイになり、各拠点から収益性管理を自律的にできればベターです。実態は本部に勘定系システムについて不具合を照会しても、システム子会社に問い合わせるというだけですからね(その手間は不要じゃないかってね。直接やり取りさせてくださいと)。 ・・・ ということで、バランススカカードまで落とし込む。データ・ガバナンスも併せて高度化しちゃうというのはかなりナイスアイディアです。が、小ぶりな会社でトップがキチンと勉強し、さらに実行力もあればできると思います。 ・・・ まとめますと、金融機関で収益管理をしている方にはかなりためになる書籍だと思います。 経営企画や企画業務に携わる方でも、関連規制の流れはもとより、リスク管理の考えや指標の中身まできちんと理解してかなければならないと思いました。 あと、引用されていた内容から、谷守正行氏を知りました。業務の更なる高度化のために今後読んでみようと思います。これは貴重な出会いでありました。
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