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バブル 日本迷走の原点 1980-1989
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/11/01 |
JAN | 9784103505211 |
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バブル
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商品レビュー
3.7
33件のお客様レビュー
著者自らもあとがきで記しているように、バブル経済について事後的に外部から検証されているものが多いことに物足りなさを感じ、当時バブルの最前線で取材していた経緯からもっと欲と野心に駆られた成り上がり者たちとそれを支えた金融機関の利益追求と変節、更に変えるべき制度を先送りし出世と欲に絡...
著者自らもあとがきで記しているように、バブル経済について事後的に外部から検証されているものが多いことに物足りなさを感じ、当時バブルの最前線で取材していた経緯からもっと欲と野心に駆られた成り上がり者たちとそれを支えた金融機関の利益追求と変節、更に変えるべき制度を先送りし出世と欲に絡んだ官僚やサラリーマンのいいとこどりの物語をリアルに描いている。 この体質がアベノミクスの金融緩和に至りどう変化あるいは変化していないのかはよく検証されなければいけないだろう。 第1章はバブル経済突入前だがその萌芽となる要素が数々の事件によって描かれる。 第1章胎動 1三光汽船のジャパンライン買収事件 2乱舞する仕手と兜町の終焉(チ"-ゼル機器買占め・加藤暠誠備グループ) 3押し付けられたレーガノミクス(金融自由化路線) 4大蔵省がつぶした「野村モルガン信託構想」 5頓挫した「たった一人」の金融改革(佐藤徹証券局長) 6M&Aの歴史をつくった男(ミネベア高橋高見・蛇の目ミシン・三協精機) 第2章第3章はバブル最盛期の話。 第2章膨張 1プラザ合意を促した超金融緩和政策(中曽根民活路線と前川リポート) 2資産バブルを加速した「含み益」のカラクリ(土地と株式) 3「三菱重工CB事件」と山一證券の死 4国民の心に火をつけたNTT株上場フィーバー(真藤恒・中曽根康弘) 5特金・ファントラを拡大した大蔵省の失政(ブラックマンデー・特金・ファントラ決算計上弾力化) 6企業の行動原理を変えた「財テク」(三菱商事・阪和興業) 第3章狂乱 1リクルート事件 21兆円帝国を築いた慶応ボーイの空虚な信用創造(EIE高橋治則) 3「買占め屋」が暴いたエリートのいかがわしさ(秀和小林茂・野村企業情報・森総合法律事務所) 4トヨタVSピケンズが示した時代の転機 5住友銀行の大罪はイトマン事件か小谷問題か? 6株を凍らせた男が予見した戦後日本の総決算(田淵節也) 第4章清算 1謎の相場師に入れ込んだ興銀の末路(尾上縫・滝井繁雄管財人) 2損失補填問題が示した大蔵省のダブルスタンダード(大口手数料割引・にぎり) 3幻の公的資金投入(宮沢政権・三重野日銀)
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改めて読んでみる。 最初からだと面白くないかな、と思い第3章 狂乱から読む。 人名が多く、〇〇は〇〇した、〇〇は〇〇していない、というような記述が多いため面白みには欠けるが、ノンフィクションってこんなものかな。不思議と読み疲れしなかった。興味があるせいなのかな。 バブルの発端は何...
改めて読んでみる。 最初からだと面白くないかな、と思い第3章 狂乱から読む。 人名が多く、〇〇は〇〇した、〇〇は〇〇していない、というような記述が多いため面白みには欠けるが、ノンフィクションってこんなものかな。不思議と読み疲れしなかった。興味があるせいなのかな。 バブルの発端は何なのかを探ってみたいので、今度は第1章 胎動から読んでみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
実態は曖昧模糊としながらも、その独特の文化だけが後世に語り継がれる、あのバブルについて体系的に書かれた本作。 バブルがなぜ発生したのかについて、多角的に分析されているが、物語は1970年代に起こった三光汽船によるジャパンラインの買収事件から始まる。日本興業銀行が日本のVCとして企業の集約を進める中で、三光汽船はそれに反発してジャパンラインの株を自ら買い占めた。この問題の解決に、興銀は日本の黒幕児玉誉士夫を担ぎ上げる。政府の息のかかった銀行がアングラ社会と関わる第一歩はここから始まった。 バブルは、1970年代にこれまで世界経済を支えてきた米国が、日本やドイツの台頭により貿易赤字が拡大する中で、オイルショック、そしてニクソン・ショックへと繋がった為替の変動相場制への移行が影響している。 変動相場に移行したものの、アメリカの経済は回復せず、レーガン時代にレーガノミクスという金融自由主義が普及し、レーガンとの密接な関係にあった中曽根氏によって日本にも導入された。最終的にはプラザ合意として、強いアメリカを維持する国際協調として、円高が作り出された。また日銀の政策金利も一気に減少し、金融緩和へと突き進む。グローバリデーションの幕開けである。 日本では不動産価格は上がり続けるという不動産神話により、企業が保有する資産の含み益が増え続けた。証券会社はその含み益を加味して株価予想を吊り上げ、銀行は含み益を担保に融資を繰り返し、特金やファントラという利回りを確約した金融商品まで開発され、事業会社は本業そっちのけで財テクに走り、バブル経済に燃料を投下し続ける。 89年から日銀は金融引締に入り、政策金利を上げ、また90年には総量規制も導入した。その結果、まず株価が下落し始めたが、依然として人々は不動産神話にかられ、土地の値段は下がらないと信じていたが、結果的に土地価格も下落の一途を辿った。この影で、住友銀行は小谷問題・イトマン事件を起こし、興銀は尾上縫という料亭の女将に多額の資金を貸し付けていたことが分かり、住友銀行は合併へ、興銀は倒産へと進んでいく。 その後、大蔵省は営業特金(証券会社)は問題であり、ファンドトラスト(信託銀行)は問題ではないといったダブルスタンダードを示し、バブル後始末のために宮沢内閣時に金融機関への公的資金注入が検討されるが、世論の反発が強く、また金融機関サイドも反対し、資金注入は見送られた。その結果、日本経済は長く続くデフレへと突入し、失われた20年に突入してしまう。最終的に住専に対する公的資金注入が行われたが世論の反発は凄まじかった。 上記以外にも、下記は欠かすことができない。 野村モルガン信託構想 三菱重工CB事件 NTT株上場 リクルート事件 AIDS(麻布土地グループ、イ・アイ・イグループ、第一不動産グループ、秀和) 豊田自動織機買い占め肩代わり問題→小糸製作所買い占め問題 凄まじい熱量を持った時代であったことが想像できる。
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