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自伝的女流文壇史 講談社文芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2016/11/01 |
JAN | 9784062903295 |
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自伝的女流文壇史
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自伝的女流文壇史
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「純徳院芙蓉清美大姉」林芙美子と私 新宿区の落合にともに近くに住んで、芙美子にとって吉屋信子はきがねのない付き合いのできるお姉さま、という感じで、吉屋は同じ作家として芙美子と水平に付き合った、という感じがした。 林芙美子さんが急逝して今年(昭和36年)はもう十年になる。と始まる...
「純徳院芙蓉清美大姉」林芙美子と私 新宿区の落合にともに近くに住んで、芙美子にとって吉屋信子はきがねのない付き合いのできるお姉さま、という感じで、吉屋は同じ作家として芙美子と水平に付き合った、という感じがした。 林芙美子さんが急逝して今年(昭和36年)はもう十年になる。と始まる。吉屋信子と芙美子の交流は、お互い下落合に住んでいたことから始まる。芙美子も「交遊記」という文のなかで、吉屋信子とのことは、「きがねなくて、行けば仕事や家庭の話などのんびり話し、ご一緒の門馬千代子さんも立派なひとで、あたたかな気持ちになるひとです」という文を紹介し、これが吉屋自身と芙美子の交遊関係の手っ取り早い説明になる、とある。 そして初めて来訪を受けた時は、まだ落合に越していなくて和田堀妙法寺に棲んでいた時で、すでに、あの「放浪記」を「女人芸術」に連載中であって、小さな体に羽織が長くみえて、まことにつつましく低姿勢であった。と書き、いったい林さんは後年文名隆々としていてもいかなるところでも、けっして快活明朗に華やかに振舞うなどということは無かった。けれども内面に苛烈なるものがあった、と記す。・・芙美子の解説書などを読むと自己主張が強い人だったのかな、と思ったのだが、内部に苛烈な、ということだったのか。 吉屋がパリに行き1年経て戻ると、(和田堀)より近い赤い屋根の文化住宅に移っていた。そこで「浅春譜」「風琴と魚の町」「清貧の書」が書かれた。そして彼女もパリに行き、そして半年後再び赤い屋根に戻り、散歩の途中でばったり会い、哲学堂へ入ってしゃべった。 また従軍記と題して、昭和13年9月の内閣情報局の中国行きが書いてある。海軍班、陸軍班に分かれ、吉屋は菊池寛が団長の海軍班、芙美子は久米正雄が団長の陸軍班に紅一点として入った。そこで芙美子は男性作家をしりめに「漢口一番乗り」を果たし記事が朝日新聞に載った。それは久米団長の面目をつぶすことだった。それで、帰国後、久米氏が吉屋信子の所に来て自身が文芸部長を務める毎日新聞に連載を頼んだ。かくして翌春1月から「朝日新聞」朝刊に林芙美子の「波濤」、毎日新聞朝刊に吉屋信子の「女の教室」の連載が開始、などとあった。 また最後に「女流文学者挿話」が載っていて、林芙美子は最初「女ばかり集まって何が面白いのよ」と言ったが、入会後は有力な助言者で、昭和11年11月の初会合の日、会計係になろうかと言って、その深夜吉屋宅に「37銭多い」と電話がかかる。何度算盤をやっても合わない、多いのは気持ち悪い、とカラカラと笑った、とある。 収録は 「上海から帰らぬ人」田村俊子と私(『小説中央公論』昭和36年春季号 「逞しき童女」岡本かの子と私(同誌、同年夏季号) 「純徳院芙蓉清美大姉」林芙美子と私(同誌、同年秋季号) 「白いおでこの印象」宮本百合子と私 単行本で追加 「偽れる未亡人」三宅やす子と私(『小説中央公論』、37年新春号) 「小魚の心」真杉静枝と私(『小説新潮』昭和37年6月号) 「美女しぐれ」長谷川時雨と私(『小説新潮』昭和37年5月号) 「忘れぬ眉目」矢田津世子と私 単行本で追加 「東慶寺風景」ささき・ふさと私 単行本で追加 「美人伝の一人」山田順子と私(『小説新潮』昭和37年新春特大号) 「女流文学者会挿話」 単行本で追加 巻末に吉屋信子の 年表、著書目録(単行本、全集類、文庫本の区別で) ・「自伝的女流文壇史」中央公論社1962.10刊 中公文庫1977.1を底本にする、とある。 2016.11.10第1刷 図書館
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花物語少女小説の空気にも通ずるような、女性作家らとの交流の記録。流行作家吉屋信子の存在は、私が勝手に思っていたよりも大きかったようだ。
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語り口が好きだというのもあるけど、やっぱり、彼女の文章は読みやすくわかりやすい上に、当時の文壇の様子がよくわかっていいなと思った。 山田順子の章に出てくる「年長の女作家のOさん」とは、秋声の弟子・秋香女史のことなのかな……?
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