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恐怖の地政学 地図と地形でわかる戦争・紛争の構図
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | さくら舎 |
発売年月日 | 2016/11/01 |
JAN | 9784865810769 |
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恐怖の地政学
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3.8
15件のお客様レビュー
世界の現在の政治の状況である。よく書かれている。原題はPrisoners of Geographyであるから、地理学の囚人たちという意味である。恐怖という意味はない。地政学というのは作ったタイトルであり、英語ではGeopoliticsであるので翻訳しすぎである。 ただ、世界の情...
世界の現在の政治の状況である。よく書かれている。原題はPrisoners of Geographyであるから、地理学の囚人たちという意味である。恐怖という意味はない。地政学というのは作ったタイトルであり、英語ではGeopoliticsであるので翻訳しすぎである。 ただ、世界の情勢がよくわかる。しかし、2015年の出版で2016年の日本語版出版なので、9年近く昔のことなので、第二版が翻訳されれば学生が世界情勢のことを知るのに役立つであろう。
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これも学校の授業でやるべし!! 難しかったけど、『だいたい』の感じがわかりました。 地政学、勉強になるわぁ。 (まだまだこれからやけど。)
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国際政治(「国際関係」という今どきの中性的な用語は敢えて使わないでおく)を考える上で、国家が直面する地理的条件を踏まえることは当然の前提だ。高坂正堯が国際政治を学ぶには地図と百科事典を手元に置いておけと言っていたのを思い出す。近年ようやくそうした当たり前の常識が見直されつつあり、...
国際政治(「国際関係」という今どきの中性的な用語は敢えて使わないでおく)を考える上で、国家が直面する地理的条件を踏まえることは当然の前提だ。高坂正堯が国際政治を学ぶには地図と百科事典を手元に置いておけと言っていたのを思い出す。近年ようやくそうした当たり前の常識が見直されつつあり、「地政学」や「地理」という言葉を冠した本が書店でかなりのスペースを占めるようになった。遅まきながら冷戦というある種の「平和ボケ」から目覚めたということかも知れない。 玉石混交と言えばその通りだが、この手の本は学者が書いたものはあまり役に立たないし面白くもない。本書のT・マーシャルもそうだが、数年前に出た名著「地政学の逆襲」のR・カプランも元々はジャーナリストだ。特に本書にはマッキンダーがどうした、スパイクマンがこうしたという学者好みの講釈はない。地図を片手に世界中を歩いて集めた情報が満載だ。国境線を引いただけの平面地図ではなく、土地の起伏がわかる地形図が掲載されているのも、地理に対するまっとうなこだわりを感じる。自然の要害である山岳地帯や砂漠、食料生産と居住空間のための平地、交易インフラであるとともに有事の補給の鍵を握る河川(水の供給源でもある)、道路、大型船が寄港できる水深のある海岸、天然資源へのアクセス等が重要だが、これらを巡って国際紛争は起こってきたし、今後も起こり続けるだろう。 通読して感じるのはやはり中国の瞠目すべき海洋進出だ。尖閣や南沙諸島といった近海への張り出しは勿論、パキスタンの港湾を租借してパイプラインと道路でインド洋への出口を確保するかと思えば、パナマ運河を凌駕するニカラグア運河建設に投資する。またアフリカ各国へは惜しみない援助で天然資源と国連票を押さえにかかる。安倍元首相どころではない文字通りの「地球儀を俯瞰する外交」だ。潤沢な資金をバックに大陸国家の制約を克服し、着々とシーパワーとしての地歩を固めつつある。当面アメリカの海軍力には及ばないだろうが、拮抗するのは時間の問題と考えた方がいい。いたずらに危機を煽る必要はないが、日本として冷静な危機感は持つべきだ。 地政学は図式的な決定論に陥りがちなために忌避されてきた面もある。この点著者は「人類の歴史は、食うか食われるかのゼロサムゲームだった。地理的決定論と人間の本質を結びつけて考えると、ゼロサムゲーム以外の歴史が生まれることは難しかったと断言できる」と指摘するが、こう付け加えることも忘れない。「しかし、科学技術が地形の牢獄から私たちを救い出した例がいくつもある」これは逆に言えば、科学技術が地形による庇護を我々から引き剥がす場合もあるということだ。蒸気船が鎖国をこじ開けたように。ともあれ本書は、我々を取り巻く現実を直視し、悲観でも楽観でもなく、リアルに国際情勢を認識し、国家戦略を構想する上で欠かせない視点を提供してくれる。
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